オアフ島に暮らすマット・キングは、人生の転機を迎えていた。妻のエリザベスが事故にあい、意識不明の昏睡状態となってしまったのだ。それまで仕事に明け暮れていたマットは、今度こそ良き夫、理想の父親になると誓う。
だが、10歳になる次女のスコッティがショックから不安定になり、様々な問題を起こし始めた。娘をどう扱っていいのか見当もつかないマットは、頭を抱えるしかなかった。
さらにマットには、もうひとつ大きな課題があった。カウアイ島に先祖から受け継いだ土地を所有しているのだが、法律に従って売却を考えていた。つましく暮らして来たマットだが、妻が回復したら贅沢な生活を楽しませてやろうと思っていた。しかし妻は眠り続け、良き夫への道も閉ざされたままだ。
全寮制の高校に入っている長女のアレックスを迎えに行くマット。母の病状を聞いたアレックスは激しく動揺する。心から母を愛しているからこそ、アレックスには許せないことがあった。「ママは浮気してたんだよ」。娘の突然の告白に激昂し、親友夫妻を問い詰めるマット。彼らは妻が本気で離婚を考えていたことを知っていた。
妻への怒りに震えながらも、マットは彼女のために浮気相手のスピアーに会って、現状を伝えることを決意する。
娘二人となぜかアレックスの友達シドも一緒に、カウアイ島に滞在するスピアーを訪ねるマット。到着早々、マットは土地の見納めにとキプ・ランチへ向かう。雄大かつ厳粛でそれでいて優しく温かな原野に、しばし見とれる父と娘。
翌日、マットはスピアーに妻のことを伝える。あとは一族の会議に出席し、土地の行方を決めなければならない。マットは胸に秘めた一大決意を実行し、新たな関係を築き始めた娘たちと、妻のもとへ帰ろうと考える。何があっても愛していると気付いた妻のもとへ──。(公式サイトより)
予告編だけ見ると、なんだかコミカルですが、いやいやなかなか、リアルでドロドロした映画でした。
妻とは何日も話していないと言うほど、家庭をおざなりにしてきた夫、ジョージ・クルーニー。いざ妻が昏睡に陥って大いに反省するわけですが、もう遅い。
「実は大地主なのに、土地を売らずにケチケチしているから、自分のボートを持てなかった娘はこんな目に遭うんだ」とジョージを責め続ける義父。
父にも母にも腹が立って仕方がない長女。挙動不審な次女。
浮気相手をやっと突きとめると、彼にも家族があり、彼のほうは「彼女のことは尊敬していたし、素晴らしい女性だった」とは言うものの、離婚する気などまったくなかったこと。
などなど・・・。
もっと笑える映画かと思っていたのですが、結構ジョージの感情もリアル、現実の冷たさもリアルでした。
同じ女性としては、あんまりほったらかされていて淋しい気持ちはすごくわかる。でも、本人は真剣につきあっていたつもりでも、結局相手にいいように扱われていた、というのがつらい。結局、現実はそこなのかと。もちろん、男性や、真面目な女性からすれば「当然」ということになるのでしょうが。
昏睡になってから、心を入れ替えられても・・・とも思いました。そうなる前にも、彼女だって努力したはずです。でも、どんなに頼っても夫は聞き入れなかったのでしょうし、元気に家事・育児をこなしているうちは、なんの心配もせず放置する、それが当たり前である、その現実がつらかったです。結局はここまで行かないと目が覚めないかと・・・。
なんだかつらい映画でしたね、ある意味。
でも、ハリウッド・ムービーですから、ハッピーエンドです。これからジョージは、違う意味で幸せになってゆくのでしょう。