田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ファミリー・ツリー(the descendants)

2012年05月27日 22時46分54秒 | 日記

 

 オアフ島に暮らすマット・キングは、人生の転機を迎えていた。妻のエリザベスが事故にあい、意識不明の昏睡状態となってしまったのだ。それまで仕事に明け暮れていたマットは、今度こそ良き夫、理想の父親になると誓う。
だが、10歳になる次女のスコッティがショックから不安定になり、様々な問題を起こし始めた。娘をどう扱っていいのか見当もつかないマットは、頭を抱えるしかなかった。
さらにマットには、もうひとつ大きな課題があった。カウアイ島に先祖から受け継いだ土地を所有しているのだが、法律に従って売却を考えていた。つましく暮らして来たマットだが、妻が回復したら贅沢な生活を楽しませてやろうと思っていた。しかし妻は眠り続け、良き夫への道も閉ざされたままだ。
全寮制の高校に入っている長女のアレックスを迎えに行くマット。母の病状を聞いたアレックスは激しく動揺する。心から母を愛しているからこそ、アレックスには許せないことがあった。「ママは浮気してたんだよ」。娘の突然の告白に激昂し、親友夫妻を問い詰めるマット。彼らは妻が本気で離婚を考えていたことを知っていた。

妻への怒りに震えながらも、マットは彼女のために浮気相手のスピアーに会って、現状を伝えることを決意する。
娘二人となぜかアレックスの友達シドも一緒に、カウアイ島に滞在するスピアーを訪ねるマット。到着早々、マットは土地の見納めにとキプ・ランチへ向かう。雄大かつ厳粛でそれでいて優しく温かな原野に、しばし見とれる父と娘。
翌日、マットはスピアーに妻のことを伝える。あとは一族の会議に出席し、土地の行方を決めなければならない。マットは胸に秘めた一大決意を実行し、新たな関係を築き始めた娘たちと、妻のもとへ帰ろうと考える。何があっても愛していると気付いた妻のもとへ──。(公式サイトより)

 

予告編だけ見ると、なんだかコミカルですが、いやいやなかなか、リアルでドロドロした映画でした。

妻とは何日も話していないと言うほど、家庭をおざなりにしてきた夫、ジョージ・クルーニー。いざ妻が昏睡に陥って大いに反省するわけですが、もう遅い。

「実は大地主なのに、土地を売らずにケチケチしているから、自分のボートを持てなかった娘はこんな目に遭うんだ」とジョージを責め続ける義父。

父にも母にも腹が立って仕方がない長女。挙動不審な次女。

浮気相手をやっと突きとめると、彼にも家族があり、彼のほうは「彼女のことは尊敬していたし、素晴らしい女性だった」とは言うものの、離婚する気などまったくなかったこと。

などなど・・・。

もっと笑える映画かと思っていたのですが、結構ジョージの感情もリアル、現実の冷たさもリアルでした。

同じ女性としては、あんまりほったらかされていて淋しい気持ちはすごくわかる。でも、本人は真剣につきあっていたつもりでも、結局相手にいいように扱われていた、というのがつらい。結局、現実はそこなのかと。もちろん、男性や、真面目な女性からすれば「当然」ということになるのでしょうが。

昏睡になってから、心を入れ替えられても・・・とも思いました。そうなる前にも、彼女だって努力したはずです。でも、どんなに頼っても夫は聞き入れなかったのでしょうし、元気に家事・育児をこなしているうちは、なんの心配もせず放置する、それが当たり前である、その現実がつらかったです。結局はここまで行かないと目が覚めないかと・・・。

なんだかつらい映画でしたね、ある意味。

でも、ハリウッド・ムービーですから、ハッピーエンドです。これからジョージは、違う意味で幸せになってゆくのでしょう。

 

 

 
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孤島の王(Kongen av Bastoy)

2012年05月27日 00時36分08秒 | 日記
 
 
 北欧ノルウェーから届いた『孤島の王』は、衝撃性を秘めた実録ドラマである。同国の首都オスロの南方に浮かぶバストイ島には、かつて11~18歳の少年向けの矯正施設が存在し、1915年に軍隊が鎮圧に出動するほどの壮大な反乱事件が勃発した。本作は大半のノルウェー国民さえ知らなかった歴史の闇に光をあて、圧倒的なリアリティと詩情に満ちた映像美の中に想像を絶する重い真実をあぶり出す。


 う・・・ん、なかなか重厚な映画でした。しかし、主人公のエーリングは初めから大変反抗的で、規律を乱すことも多々ありますし、院長(ステラン・スカルスガルド)は厳しいけれど紳士的で、さほどな緊迫感が感じられるほどの出だしではありませんでした。

もう少しで出所だという優等生もエーリングのとばっちりを受けますし、「いくら悪ガキの集まりだとは言っても、むかつく奴やな」って感じです。到底無理な逃亡も企てます。

しかし、エーリングと一緒に入所した細っこいアイヴァーが、寮長に特別に呼び出されたとき、見ている誰もが性的虐待を想起するのです(実際そうなんですが)。


<ここからネタバレ>

そして、紆余曲折を経た後、優等生のオーラヴが勇気を出して院長に告発します。院長はその時こそ「でたらめを!」とオーラヴを叱責しますが、後に寮長に詰め寄ります。そして、返事を渋る彼に「解雇しかないな」と告げるのです(この辺は見ている私たちもまだ安心している)が、逆に施設の予算に手をつけていることを寮長に指摘され、黙ってしまいます。

その後、逃げられないこの性的虐待に、アイヴァーは自殺してしまいます。ところが院長は「逃走を企てて失敗した」ということにしてしまいます。怒る子供たち。しかし、その後、島を出てゆく寮長に、子供たちは「ざまぁみろ」と言ってはやし立てます。このときは子供たちにもまだ、院長の良心を信じるすべが少しですがあったのです。

その後、院長はアイヴァーの死について、外部の理事に「院内でいじめがあった」などと釈明し、オーラヴが出所するときの審査でも、それを肯定させるのです。

なんとか無事に出所したいために、涙をのんで肯定したオーラヴ。しかし、出発のその日に、寮長が帰ってくるのを目にしてしまいます。単に院長の使いで街に行っていただけとのこと。

ここで子供たちの怒りが爆発します。ここで黙っていればそのまま出発できたオーラヴも、一緒になって暴れてしまいます。院長は逃げ、寮長はボコボコにされます。しかし、悲しいかな、ここは犯罪者の収監施設。やがて軍隊が鎮圧にやってきて、子供たちは軒並み捕まってしまいます。

かろうじて逃げ出したオーラヴとエーリングも、やがて氷の割れ目に落ちて一人になるのです・・・。



最初こそ、「どぉってことないわ」などと思いながら見ていましたが、最後は手に汗握って子供たちを応援していました。でも、世の中って、こういうものなんですよね。結局は権力に逆らえることはないし、従順にしていないと生きてはゆけない。これは、一般社会でもそうだと思うのです。

確かに理不尽ですが、どうせ世の中は理不尽なことだらけ。そうやって権力や財力を握ったものが生き延びてゆくのですものね。


しかし、これは1915年と言うことで、あまり人権が声高に叫ばれている時代でもなかったのかもしれませんが、今日出所するオーラヴが、そこで暴れるのではなくて、きちんとシャバに出てからなんらかの方法で告発することはできなかったのか、とも思うのです。そこまで考えがおよばなかったか、あるいは無駄だと思ったか。

それにしても、みんなきちんと(?)悪いコトしてるんですねぇ。院長だって、うしろめたいことがなければ寮長を解雇できたのに、ああ見えてやっぱりダメだったんですね。なんか、残念です。

まぁ、これだけの施設、きれいごとでは済まないのは当然なのかもしれませんが。

監督マリウス・ホルスト。
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裏切りのサーカス(tinker tailor soldier spy)

2012年05月25日 00時08分05秒 | 日記
 
 元MI6スパイのジョン・ル・カレが描く、リアル。英国諜報部<サーカス>上層部に潜む、ソ連の二重スパイ<モグラ>を探せ。


やっと見れました。実は金城君の映画とはしごで見たのですが、あまりに複雑な構造で感想が書けず、ウェブのあちこちからネタバレ記事を捜し出し、じっくり読んでいました。それでも、自分が覚えていないことも多く、詳しいネタバレ記事を読むと「そうだったっけかなぁ・・・」とか、「そんなシーンあったかなぁ」なんてことも多々あったわけですが。

ともかく、スパイの世界なんて二重三重の秘密は当たり前。それなのに、自分の出世や「大きなことをやってる」的な高揚感を求めて付く側を考慮したりと、妙に凡人みたいなことのために動いたりもする。だからよけいわからないんですね。

さて、ストーリーですが、端的に言えば「組織内の二重スパイを探し出せ」これだけです。これが簡単なことではなく、また他国も絡んでくる上、誰もがなにかを持っているように見える。さらに登場人物のほとんどが男で、しかも誰もが自分のことを優秀だと思っているからややこしい。

私は、最初、この物語の結末は「オリエント急行殺人事件」のパターンだと理解していました。しかし、それだとあまりに簡単なので「そんなはずはない」と思い直し、ネタバレ記事を漁ったわけです。

しかし、仲間内でも素知らぬ顔をしながら疑心暗鬼でないといけない、また腹心の部下でも疑わなければいけない、こんな世界に生きてる人たちって、すごいですね。並大抵の人間では務まりませんね。

こんなにしてまで他の国の情報を得て、そんなに大きなメリットがあるものなんでしょうか。

いきなり国を攻め滅ぼしに来るわけでもあるまいし、核実験なんかすれば北朝鮮やイランみたいにすぐばれてるし、そんなに大変な思いまでして、どんな貴重な情報を得るのでしょう。素人には予想もできませんね。

かのトム・ハーディがチャラ男に見えたのが不思議でした。

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捜査官X(武侠)

2012年05月20日 00時18分27秒 | 日記

 

 金城武とドニー・イェンが初顔合わせしたアクション・ミステリー。監督はピーター・チャン。「ラスト・コーション」のタン・ウェイ、70年代に活躍したジミー・ウォングらの共演。

 1917年、雲南省の小さな村で両替商に押し入ったならずものの悪人が、たまたまそこに居合わせた紙すき職人に、乱闘の末殺されてしまう。もちろん正当防衛なのだが、その鮮やか過ぎる手口に、町から来た捜査官は疑問を抱く。



 やったー!見れた!!ギリギリセーフ。もう、大阪の映画館も一日一回の上映になってました。危ない、あぶない。

金城君も、ドニーも、はたまた往年のアクションスター、ジミーも、みんないい味を出してましたね。もちろん、タン・ウェイも。かわいかった。

私は、唯一ジミー・ウォングになじみがなくて、どこかで見ているのかもしれませんが(案外タランティーノの映画とか?)、話には聞いても、彼の顔はわかりませんでした。

なので、彼が「七十二地刹」の頭領としてドニーと戦ったとき、あまりの強さと頑丈さに「な、なんやこのおっちゃん!」と、ビビってました。と同時に「誰?」と思っていたのですが、まさか彼がかのジミー・ウォングだったなんて。強いはずだ・・・。



<ここからネタバレ>

 かのドニーがタダものなわけはありません。実は凶悪な暗殺集団「七十二地刹」の頭領の息子にしてナンバー2だったのです。彼はその残虐さについてゆけず、集団から抜けて身を潜めていたのでした。

凶悪犯が偶然殺されたと、村ではみんな彼を英雄視。金城君さえ来なければ、彼ももっと潜伏できていたはずです。いや、そこから軍団のほうにばれていったかもしれませんけど。

金城君は再現フィルム並みの想像力を駆使して、そしてその想像は現実に起こったことと寸分違わずに正解しているようなのです。超能力者かしら。

この暗殺集団にも、かつて自民族が西夏軍に全滅させられた、という過去があるからこそ鬼のような復讐を行っているのであり、そう思えば一分の理はあるのです。

本当にあったことなのかしら。日本にも戦国時代があったし、人のことは言えないけれど、同じ国の人々が(多少違ってもおおまかには)同じ民族なのに殺し合うなんて、とても悲しいし、勝者はないと思う。

ドニーが集団を抜けるきっかけとなった、吊るされた男の子に「おじさん・・・おじさん・・・」と哀願されるシーン。嘘でもいいから、助けるシーンを追加して欲しかった。助けなかったのかもしれないけれど、想像でもいいから助けるシーンが見たかった。悲しすぎる。こんなことして、だれが得をするというのか。いや、戦争や暗殺に、そんな概念ないか・・・。

それにしても、アクションのすさまじさ。西洋のアクション映画に慣れてると、「もうこの辺で終わりか」と思ってから3倍はあるね。しかもすさまじい。少し疲れました。

途中、金城君とドニーにちょっと「ロミオとジュリエット」を思わせるシーンもあったりして、そのへんはおしゃれ(と思うのは私だけか?!)。

ともかく、ハラハラしたり悲しかったり、驚いたり。見応えのある映画でした。

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幸せの教室(larry crowne)

2012年05月18日 00時38分03秒 | 日記

 

 幸せの教室・・・それは、明日を好きになれる場所。ドアを開ければ、あなたの席もそこにある。


 トム・ハンクスは、高校卒業後20年間海軍にいました。そして、除隊した後は大手スーパーに勤めていましたが、ある日突然解雇されてしまいます。上司は学歴がないからだと言います。20年も国に奉仕したのに!隣にはアホそうな顔の大卒男がニヤけています。悔しい!

一発奮起したトムは、短期大学で学ぶことに。ここで、若い仲間や、情熱を失った教師(ジュリア・ロバーツ)に出会うのです。

長い人生経験と、前向きな姿勢、そして持ち前の才能でめきめき頭角を現してゆくトム。ジョージ・タケイ演ずるクソ難しい経済学の教授にも目をかけられます。

そして、大方の予想通り、ハッピーエンドです。広告にも大きく書いてあるように「アカデミー賞に輝く2大スターが、今を生きる大人たちに明日への希望を贈る、ハートフルストーリー」なのです。人生はいつでもやり直せるってことですね。


ということで、無難な映画です。主演の二人を含め、若い俳優たちも、風変わりな教授のジョージも、み~んなうまい!そして、お話もうんと前向き。

こういう映画を見ると、やっぱり元気になれるのですが、だいぶ前の「40歳の童貞男」を見たときと同じような気分になるのです。

かの映画もそうでしたが、こんなになんでもできる男性が(トムも、学歴がないだけで、仕事はできたし性格も温厚。友人もいるし、ジュリアのような薄幸そうだけど実はチャーミング、みたいな女性には積極的にかかわっていくし、酔った勢いでキスをしたとしても、もちろん学校で言いふらすようなこともない。)、なんで離婚されてて、ローンが残ってて、クビになって・・・とどん底に落ちるって設定なのでしょうか。

もちろん、彼の場合はそんなに悲壮感はなくて、ともかく前向きだったのですが、ハナからいろんなことができるんですね。だから、ジョージ先生の難しい経済学もちゃ~んと理解してて、成績優秀なんです。

確かにいい映画ですが、「”大人たちに希望を贈る”ったって、みんながあなたのようには行かないよ」と思うのは私だけでしょうか(笑)。

監督も、トム・ハンクス。

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