田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ジプシー・フラメンコ(Bajari: Gypsy Barcelona)

2014年08月30日 18時51分21秒 | 日記

 フラメンコを芸術の域まで高めた不世出のフラメンコダンサーで、映画「バルセロナ物語」(1963)の中でみせた華麗なステップでも知られるカルメン・アマジャが、63年に50歳の若さで亡くなってから50年。カルメンの姪で舞踏家のメルセデス・アマジャ・ラ・ウィニーを母にもつバイラオーラ(女性の踊り手)のカリメ・アマジャが、フラメンコとルンバの伝統を融合させた舞台を創出していく過程や、病気を抱えながらもいつか舞台で踊ることを夢見る5歳のフアニート少年の姿を通し、バルセロナの社会の底辺にあっても、フラメンコを自身のルーツとして誇りを持って生きる人々や、その中でフラメンコという芸術がどのように次代へ継承されていくのかを描き出したドキュメンタリー。2013年・山形国際ドキュメンタリー映画祭2013インターナショナル・コンペティション部門では、「ジプシー・バルセロナ」のタイトルで上映された。(映画.comより)

 

 朝イチ、9:50からのみの一回上映でした。でも、結構入ってましたね。小さな劇場でしたが。

冒頭、まだ幼い男の子が父親と一緒に、リバイバル上映でしょうか、古い白黒映画を見ています。これがフラメンコの名手、カルメン・アマジャの「バルセロナ物語」ですね。その早くて美しいステップに、少年は「すごいなぁ、早いなぁ」と目を輝かせています。そのうち朗々と歌い始めたカルメン。少年は「歌も上手なんだ!」と感心しきりです。

映画は、女性監督が手掛けるドキュメンタリーで、ジプシー・コミューニティーの中で受け継がれてゆくフラメンコと、それに憧れる少年との二つの物語が並行して描かれてゆきます。

ジプシーも、今では定住している人々が多いのは周知の事実ですが、特にスペイン、バレセロナは、カルメンの一族が故郷と決め、住みついたところです。ここでの彼女の名前は特に重みが違います。

今回の主人公、カリメ・アマジャはメキシコで踊っていましたが、「バルセロナで踊らないか」とあるバンドに誘われるのです。彼女の力強いステップに魅了された音楽家たちは、「同じくダンサーである母親も一緒に」という条件を快諾し、新たな一歩を踏み出します。

そして共演する彼ら。

素晴らしい!実に素晴らしい!まさに魂の叫び。体全体から発する色気と妖気。そして、ステップを踏む時の独特の表情。笑っているわけでもなく、悲壮というのでもなく、体の中から何かを吐きだすかのような形相。そして、目にも止まらぬほどの早いステップ。豊満だけれどもメリハリのついたそのボディ。思わず見入ってしまう表現力でした。

年齢を重ねても、その人独特の味を出しながら表現してゆける、その文化の厚み。これは、タンゴを見ても思うのですが、年輩の女性が得も言われぬ色気を発して魅力的に踊っている・・・。何につけても「若さ」至上主義の日本文化の稚拙さを感じる瞬間ですね。奥の深い文化だと思います。

そして、男達の歌!楽器の演奏もさることながら、あの声量!いったい何を食べて何を心がければあれほどの声が出るのかと思うほどの声量です。素晴らしい!

興味のあるなしで評価は分かれるところとは思いますが、少しでも興味がある方なら、是非。お勧めです。

少し仕事を減らしてでもフラメンコを習おうかしらんと思った浅はかな私でした(笑)。

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めぐり逢わせのお弁当(Dabba)(THE LUNCHBOX)

2014年08月25日 07時15分23秒 | 日記
 
 
 
 
 インドで広く利用されている実在の弁当配達システムを題材に、誤配送の弁当がもたらした男女の偶然の出会いと心の触れ合いを描いたドラマ。大都市ムンバイのオフィス街では、昼時にダッバーワーラーと呼ばれる弁当配達人が、慌ただしく複数の弁当箱を配って歩く。ある日、主婦イラが夫の愛情を取り戻すために腕をふるった4段重ねの弁当が、男やもめのサージャンのもとに誤って届けられる。イラは空っぽになって戻ってきた弁当箱を見て喜ぶが、その弁当を食べたはずの夫からは何も反応がない。不審に思ったイラは翌日、弁当に手紙を忍ばせるが……。舞台出身の女優ニムラト・カウルがイラ役を務め、「スラムドッグ$ミリオネア」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」など国際的にも幅広く活躍するイルファン・カーンがサージャン役を演じた。2013年・第66回カンヌ国際映画祭監督週間で観客賞を受賞。(映画.comより)

 

 

ものすごい人でした。立ち見が何人も。人気なんですねぇ。皆さん、水曜日(レディースデー)に人気があると思われる作品を見られる時は、前もってネットでチケット買っときましょう(笑)。

 

さて、お話は簡単で、要するにお弁当が行き違った、というだけのものなんですが、インドのお弁当配達システムが圧巻でした。すごい数のお弁当を集め、前後左右に竿などで目一杯持って自転車を漕ぐ→駅に着く→凄まじい数のお弁当と配達人が電車に乗って移動する→目的地(主にムンバイと思われる)で配達人が蜘蛛の子を散らすように降りる→指定されたビルに入り、一つづつデスクに置いて回る。

これで間違いは600万分の一だというのですから、驚きです。「ハーバード大の教授もこのシステムに驚いた」と配達人が言ってましたが、そうなんでしょうね。

ともかく、微小な確率ながら、主人公の主婦イラと定年前の勤め人サージャンは交流することになったのです。近頃のインドは経済成長も著しく、若い人たちは日々の暮らしに忙殺されています。サージャンも、早くに妻を亡くしているため、弁当屋に注文しているわけですが、若い人の中には昼食はバナナ2本とか、リンゴとバナナなんていうのも一般的なようです。

イラの作るお弁当は、何段にも重ねた愛情弁当で、スパイスの分量など、叔母のアドバイスに従って毎日精力を込めて作っています。

しかしながら、愛情が冷めてしまった(?)夫は、平気でお弁当を残すだけではなく、帰宅しても口もききません。イラの目を見ることすらないのです(しかし、これはうちもそうかも・・・)。そんな中、突然残さず平らげて来るようになったことから、行き違いがわかった二人。大人なサージャンに、イラも悩みを打ち明けるようになります。サージャンのオドバイスを受けながら、夫を振り向かせようと努力するイラ。しかし、ついに洗濯物(シャツ)に覚えのないパヒュームの香りが・・・。

この二人の周りに、厳しい現実もまぶしていある本作。例えば、定年が近いサージャンには見習いの青年が付きますが、彼は孤児で、サウジアラビアなどを放浪しつつ独学ですべてを学んできたという設定ですし、経済成長著しい国によくある「親の期待」のための若者(主に男性)の自殺問題なども絡めています。イラの弟も暗にそうだと示されるのですが、なお母親などは「嫁にやったお前には頼れない。あ~息子がいれば頼れるのに」などと言い放ちます。悲しいですね、息子にとっても娘にとっても。

今回ばかりは歌も踊りもないけれど、後味のよい良品にまとまっています。是非に。

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ローマ環状線、めぐりゆく人生たち(Sacro GRA)

2014年08月21日 22時16分49秒 | 日記

 

2013年・第70回ベネチア国際映画祭で、ドキュメンタリーとしては史上初となる金獅子賞を受賞した作品。イタリアの首都ローマを囲む環状高速道路GRAに沿って建てられたモダンなアパートに住む老紳士とその娘、シュロの木に寄生した害虫の世界に没頭する植物学者、果てしない交通事故の知らせに休む間もない救急隊員、後継者がいないことに悩むウナギ漁師、年老いたソープオペラの俳優、夢と名声を追う若者など、GRA周辺部に住む人々の暮らしをとらえ、その風景の中からイタリアの光と影や欲望と混沌、そこに生きる人々の息づかいを伝える。ジャンフランコ・ロージ監督がイタロ・カルビーノの名著「見えない都市」にインスパイアされて製作した。

 

 

わりと評判もよかったようですね。車がビュンビュン行き交う首都高と、その周りに住む庶民、どちらかというと都市計画からこぼれ落ちたような人々、を描いた映画です。

大仰ではない、本当に「そこに居る人」たちに密着して撮った映像は、普段の生活を淡々と映しただけのもので、物語があるわけではなく、ただ羅列してあるのみ。ひっきりなしに車が行き交う首都高との対比や、俯瞰で撮った映像を挟み込んではあるものの、基本は市井の人々のなんてことのない生活。

ここをどう捉えるかだと思います。例えば、同じような環境に住んでいて、「映画館を出たら、古びた高速道路が頭上に見えて、”ああ人々って、こうやって生きてるんだよな”などと感慨にふける」ことができれば名作となるでしょうし、起承転結どころか物語の起伏さえない映画に、眠気を催す人もいるでしょう。凡人な私は、残念ながら後者でした。

だって、自分と寸分違わぬしみったれた(?)日々の営みを延々見せられても、おもしろいこともなんともない(笑)。事実、左隣の男性も、一つ空けて右隣にお座りの男性も、みんな眠ってました。寝息が聞こえてましたもん(笑)。

これがベネチアで金獅子賞かぁ・・・。審査員の方々は、余程にセレブばかりだったのではないでしょうか。いや、確かにドキュメンタリーとしては優れているのかも。

ともかく、人を選ぶと思います。

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マッキー(Eega)

2014年08月16日 18時10分27秒 | 日記
 
 
 
殺されてハエに生まれ変わった主人公が愛する人を守るため戦う姿を描き、インドで大ヒットを記録した奇想天外なアクションコメディ。家の向かいに住む美人の慈善活動家ビンドゥに思いを寄せるジャニ。一方、表向きは建設会社の社長で、裏ではマフィアの顔をもつスディープもまた、ビンドゥに夢中だった。ある日、ジャニは勇気を出してビンドゥに告白し、2人は両思いになるが、金と権力とルックスで落とせない女はいないと思っていたスディープは激怒。ジャニをなぶり殺してしまう。やがて小さなハエとして転生したジャニは、殺された恨みを晴らし、ビンドゥを守るためスディープに立ち向かう。(映画.comより)

 

 

なりゆきでもう1本インド映画を見てしまいました。娘が録画してあったのです。

さて、ハエはあちらの言葉では「マッキー」というらしい。なんだかかわいい(笑)。それで、お話は、例の如く美しい女性に恋をしている青年の物語。

主演のジャニは、お向いさんのビンドゥに恋をしています。もう2年もアタックしているのに、ビンドゥは知らんぷり。見かねた友人が「いい加減諦めろよ。もう2年も無視されてる」と進言しても「いいや彼女は、カーテンをずっと開けてると、僕が寝ないでいるのがわかっているから、僕を気づかってさっさとカーテンを閉めるのさ」とかね、一事が万事。すべてに関して「アホちゃうか」という反応を示します(笑)。この辺は、日本人なら「もしかしたら~♪もしかしてだけど~♪」の歌にも通ずると思うのですが、私だけでしょうか。

ともかく、なんだかんだ言いながらも、ビンドゥも彼のことが気になっているのです。

そんなある日、福祉関係の仕事をしているビンドゥに大金持ちスディーブから寄付の連絡が。実はこの男、金持ちでハンサムなので、女はすべて言いなりだと思っている男。今度はビンドゥに目を付けたのですね。

ところが、ビンドゥはジャニが気になり始めているから、なびきません。怒り心頭なスディーブは、ある日ジャニを殴り殺してしまいます(!)。

でも、ジャニの愛はこんなことでは死にません。ハエとなって生まれ変わり、スディーブから彼女を守るのです。ビンドゥがミクロ作品の作り手だったこともあり、殺虫剤で死なないように目にマスクを着用したり、あり得ないことの連続でしたが、とても楽しかったです。特に「人がやられてイヤな事」をスディーブに連発でかますところなんか爆笑です。イヤでしょうね、あんなに耳元でブンブンやられて安眠妨害されたら。イヤでしょうね、運転中に目をかすめられたら(危ないし)。

ともかく、バカバカしいけど楽しめます。それにしても、インドの男性の愛の深さと言ったら!すごすぎます。

 

 

 

 

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トランスフォーマー ロストエイジ(Transformers: Age of Extinction)

2014年08月14日 18時16分39秒 | 日記

 マイケル・ベイ監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮による大ヒットSFアクション「トランスフォーマー」のシリーズ第4作。人類の存亡をかけ、メガトロンとセンチネル・プライムの野望を打ち砕いたシカゴでの戦いから4年後。オプティマス・プライムらオートボットの面々は、トランスフォーマーを厳しく取り締まろうとする政府の手から逃れていた。ひとり娘のテッサと暮らす廃品工場のオーナーで発明家のケイドはある日、古いトラックを安価で手に入れるが、そのトラックこそ、車に変形して身を隠していたオプティマス・プライムだった。その頃、人類滅亡を目論む新たなディセプティコンが地球に襲来。恐竜からトランスフォームする謎の第三勢力ダイナボットも現れ、新たな戦いが巻き起こる。ケイド役のマーク・ウォールバーグ、テッサ役の新星ニコラ・ペルツら、キャストは前3作から一新。渡辺謙がオートボットのトランスフォーマー、ドリフトの声を担当している。(映画.comより)

 

 

 行って来ました~。今回は、チビ息子(年長)と友人の息子(小2)の二人の男子を連れての鑑賞となりました。もちろん、吹き替え。この辺では、吹き替えはすべて3Dなんですね、仕方なく男子達にも3Dメガネを着用してもらうことに。3時間の長丁場、大丈夫なのか?!

結論から言わせてもらうと、本当に長かった・・・。CG技術は確かにすごいけど、それを延々3時間も見せる必要はないと思う。いいかげんダレてる雰囲気が館内を覆ってたし、無茶な映像ばかりを見せてるわりには、物語も複雑で理解しづらい。

マーク・ウォールバーグを筆頭に、俳優さんたちはとてもがんばっていたし、マイケル・ベイも期待されている領域をわきまえてるのか、冒頭から(ド田舎だと言うのに)ホットパンツのピチピチギャルたちの登場。ま、映画は娯楽ですからね。

ヒロインも、見事にロージー系。好みがぶれませんなぁ(笑)。

お話は、前作で共闘したはずのオートボットたちをも一緒くたに「ロボットはいずれ脅威となる」と思っている偉い政治家(のちの天下り?がかかってる)によるロボット狩りが基本です。そこに、純粋に自らの手で「トランスフォーマー」を作っている科学者・政治家と密かに結託している悪のロボット(ロックダウン)・一度裏切られた人間を救うのかと言うオートボットの葛藤・科学者の手によって作られた人工ロボット(ガルバトロン)の暴走などが絡みます。結構、なにがなんだかわからない感じです。

でも、映像はすごい。男子達をも飽きさせないほどの魅力を放っていたようで、3時間の長丁場も騒ぐこともなく最後まで見入っていました。

また、オプティマス・プライムやバンブルビーも簡単にリニューアルされてめちゃめちゃクールな柄のダンプ(?)やスポーツカーになるのですね。変身もすばやくてカッコいい。恐竜まがいのロボット(ダイナボット)も登場するし、男子のツボ押さえまくりです。

あ、そうそう。冒頭、古代恐竜が死滅したのは、隕石や地殻変動ではなく、宇宙からやってきた何者かに金属にされたためだ、との描写があり、これがロックダウンのしわざだった、と現代の話につながるのです。

同じロボット映画と言うことで、「パシフィック・リム」を意識しているのか、主人公の姓が「イェーガー」だったり、科学者のラボにデル・トロそっくりの研究員がいたり(これはほんとに驚いた。本気でそっくり!私、デル・トロかピーター・ジャクソンがふざけて出ているのかと思いました)、一説によると科学者役のスタンリー・トゥッチが、見かけも所作もスティーブ・ジョブズそっくりだとか。どこまでが意識されたものかはわからないですけどね。

ともかく、それなりにすごくてそれなりに楽しめます。女性は例外なく美人で魅力的だし、中国が舞台の時は、男女を問わず拳法らしきものが使えたり(ここは、本当に中国のボクシングチャンピオンがカメオ出演しているらしい)と笑えるところも満載だし。そうそう、中国でマーク・ウォールバーグが逃げ回るところなんかは、家の中を通ったり洗濯ものの間を走ったりと、ジャッキー・チェンそのままでした。

ただ、何度も言うけど、いかにも長い。次回作はもう少しコンパクトに収めて欲しいものです。

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