田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ザ・ブリザード(The Finest Hours)

2016年03月23日 07時46分42秒 | 日記

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 1952年2月18日未明、超大型ブリザードが大西洋沖を航行中の大型タンカー、ペンドルトン号を襲った。雪が混ざった強風と大きくうねる波にさらされて、前月に船体を補修したばかりの継ぎ目が避け浸水。真っ二つに裂かれてしまう。タンカーの構造に精通する一等機関士レイモンド・シーバート(ケイシー・アフレック)の指揮のもと、船員たちは沈没を食い止めようと懸命の作業にあたる。一方、沿岸警備隊チャタム支局にペンドルトン号遭難の知らせが入り、新任の司令官クラフ(エリック・バナ)は木製の小型救命艇で生存者救出に向かうよう一等水兵のバーニー・ウェバー(クリス・パイン)に命じる。1年前に似たような状況で8人の命を救えなかったバーニーは、今度こそ誰も死なせないと心に決め、仲間のリヴシー(ベン・フォスター)やフィッツ、マスキーとともに救出に向かう。しかしタンカーの生存者は32人であるものの、小型救助艇の定員は12人。また、コンパスが壊れてしまい、視界がないにも拘わらず方角もわからなくなってしまう。雨と雪が混じった風速40mを超える強風と20m超の高波が襲う中、刻一刻とタイムリミットが迫るペンドルトン号のもとへバーニーらは命がけで向かう。(movie walkerより)

 

 

 

 これが実話というのにも驚きますが、やっぱり人間の意志の強さというものに驚きました。もちろん、成功したからの美談であり、失敗に終わって全員が亡くなっていれば「無茶をしただけの、賢明ではない救助員」の話になってしまったのでしょう。そう思うと、なにがそれを分けたのかと、すべての状況・運命が空恐ろしくなりますね。

 時は1952年、大西洋は史上最大級のブリザードで大荒れでした。沿岸警備隊の若き隊員クリス・パインは少し前に救えなかった事故があり、本人もトラウマになっていますが、遺族からもネチネチ繰り返し言及されたりしています。みんな海の男、頭ではどうしようもなかったと、わかっているのでしょうけれど。

そんな中、まず大きなタンカーが真っ二つになる事故があり、主力の救助隊はそちらに向かいます。ところが、それよりは小さいのでしょうが、充分に大きな他のタンカーが、同様に大破してしまい、彼らはちぎれて流れていった方に無線などのコミュニケーション機器を積んでいたため、SOSを出す術すらないまま必死にサバイブしようともがいています。この船に乗るのがケイシー・アフレック。普段は目立たない「船にもっとも詳しい男」が一転、その知恵を求められるようになっています。

わずかな灯りと鳴らし続けていた汽笛を発見してもらった二隻目のタンカー。しかし、主力は出てしまっているため、定員12名の小型救助艇しかありません。この大嵐のなか、誰の目にも無茶なミッションなのですが、やるしかありません。エリック・バナ扮する上司の命により、クリス・パイン、ベン・フォスター他若手の4名が出発します。

ここからの描写はすさまじいものがあります。私、船に乗った経験など、フェリーか観光船くらいしかないので、その怖さは想像するしかないのですが、本当に怖かった。あまりの波の高さに、コンパスすら失った彼ら。それでも、プロとしての経験と勘でやってのけたのです。素晴らしい!

映画ですから、失敗せずに救出できるという結果は見えてます。だから映画自体の評価も高くなかったのかな、という気もするのですが、いやいや、なかなか。見応えのある映画だったと思います。クリス・パイン、よくがんばった!(笑)

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映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生

2016年03月16日 16時23分13秒 | 日記

 国民的アニメ「ドラえもん」の長編映画36作目。1989年に公開され、シリーズ歴代1位の動員数420万人を記録した「映画ドラえもん のび太の日本誕生」をリメイク。7万年前の太古の日本を舞台に、のび太とドラえもんたちが繰り広げる大冒険を描く。家でも学校でも叱られてばかりののび太は家出を決意。ドラえもん、しずか、ジャイアン、スネ夫もそれぞれの理由で家出することを決めるが、今の時代、どこへ行っても所有者のない土地などなく、一同は行き場に困って途方に暮れる。それならば、まだ誰も住んでいない太古の日本へ行こうと思い立ち、のび太たちは7万年前の日本へとやってくるが……。(映画.comより)

 

 

 最近のドラえもんは、昔の作品のリメイクばかりだと聞くのですが、私自身はほとんど記憶がないんですね。まぁ田舎育ちで、小さい頃は近所に映画館なんてものはまずなかったから、自分が見てないだけなんでしょうけれど。それゆえ、子供と一緒に、わりと新鮮な気持ちで見ることが出来ます。

のび太は今日もゼロ点のテストを持って帰り、母に大目玉を食らいます。自分が悪いことがわからないのび太は、「学校でも家でも怒られてばかり。もうこんな生活イヤだ。家出してやる!」と鼻息も荒く家出を試みます。時を同じくして、店番だお使いだと奴隷のように扱われることに嫌気がさしたジャイアン、習い事の多さに疲弊したスネ夫、母親の期待が重くなってきたしずかちゃんが合流し、みんなで一緒に家出することになります。

しかしながら、どこへ行ってもそれは誰かの土地で、見知らぬ侵入者は常に追い出されてしまいます。行き場がなくなった彼らは、ドラえもんのタイムマシンでヒトが土地を所有する前の時代へと飛ぶのです。そこでの彼らの冒険と、時空に迷った古代の若者の話が並行して描かれます。

話はそれなりに練られてあり、新たに作ったペットとのび太が心通わせる部分もあったりして、心に響く映画には仕上がっています。ただ、どこで何をするにも、あまりにドラえもん頼みが過ぎるのも冷めてしまうところでもあります。せっかく古代へ行ってるのに、食べ物は種さえ撒けば、カプセルでラーメンやピザ、カツ丼なんかがふたを開ければ食べられるような代物ばかりだし、結局何が起きてもドラえもんの道具でどうにでも生きてゆける。もちろん、もともとそういうお話だけれど、これだけの子供たちがいるのだから、もう少し独創性があってもよかったかも。

と、ぶつぶつ言っても始まらないけれど(笑)、とにかく、いつものドラえもんでした。「のび太が取ってたから」と言って、ゼロ点を取る子供もいると聞きました。「取ってみたかった」と、興味の範囲を超えないうちはいいけれど、もう少し現実を教えたほうがいいかもですね。「夢を持つ」というのとはまた違う展開だと思うし。そういう自分がおもしろくない大人なのかもしれないけれど。

 

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メモリーズ 追憶の剣(협녀:칼의 기억)

2016年03月13日 18時07分20秒 | 日記

 

 ハリウッドでも活躍するイ・ビョンホンの「王になった男」以来4年ぶりとなる韓国映画主演作。高麗末期、ユベク、ウォルソ、プンチョンの3剣士は、最強と呼ばれた3本の剣で反乱を企てるが、ユベクの裏切りにより計画は失敗に終わる。18年後、ユベクは国でもっとも権力を持つ男となっていた。ある日、自身が主催した武術大会で、ユベクの視界に一人の少女の姿が飛び込んでくる。少女の剣さばきは、かつての仲間ウォルソの剣術とそっくりで、ユベクは少女の後を追うが……。「シークレット・サンシャイン」で韓国人として初めてカンヌ国際映画祭の主演女優賞を受賞したチョン・ドヨン、「その怪物」のキム・ゴウン、「監視者たち」などで俳優としても活躍する「2PM」のジュノらが脇を固める。(映画.comより)

 

 

 

 少し前に「大阪では、こんなの、やってるなぁ」と気にとめたものの、上映館も少なく、最初から諦めていた作品でした。それがまさか、ほぼ時期がずれることなく和歌山で上映されてるなんて!知らなかった。宣伝、してたのかなぁ。ともかく、見つけたときは驚きでした。

 時は高麗末期、民は圧政に苦しみ、人々の苦境を見かねた「義侠」が出てきていた時期でした。その中でも、伝説の3つの剣を持つ3人の剣士ユベク、ウォルソ、プンチョンは最強と謳われていました。彼らも世の中を変えるべく立ち回り、いよいよそれも成功か?という段になったところでユベクの裏切り。プンチョンは命を落とし、女性剣士ウォルソは姿を消すのでした。

そして時は流れ、優れた剣士のユベク(イ・ビョンホン)は順当に出世しています。あるときユベクは、自らが主催した武術大会で、見覚えのある足さばき・剣さばきの少女を見つけ、つい後を追います。若かりし頃、そう、理想に燃えていた頃、恋仲だったウォルソの動き(足さばき)を見間違うことはありません。彼女はどこに。そしてこの少女は・・・。

物語は、彼ら主人公の若い頃と現在が交互に映され、彼ら(年配の師匠も交え)がどう人生を歩んできたかが丁寧に描かれます。わかりやすいので混乱することはありません。最後は、切ない、本当に切ない物語へと収束してゆくのですが、とにかく画が美しい。

「アジア人は剣の優れた使い手」「身体の動きもカンフーのようにしなやか」など、一般的なアジア人のイメージそのままの映画ですが、それもなぜか心地よい。情の動きなども深いところで共感でき、このへんはアジア独特の文化・価値観かもと思いながらも、最後はその切なさに涙。あえて難点をあげるならば、少しワイヤーアクションが過ぎるかも。

剣の切り口を見ただけで、「○○の剣の傷ではない」と見破る腕の確かさや、盲目の女性が淹れるお茶の深さなど、ため息の出るような場面も。疲れているときなどに、却っていい映画化もしれません。

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SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁(Sherlock: The Abominable Bride)

2016年03月10日 07時42分21秒 | 日記

 ベネディクト・カンバーバッチ主演で世界的人気を誇る英BBCドラマ「SHERLOCK シャーロック」の特別編。舞台を現代から1895年ビクトリア朝のロンドンに移し描かれるスペシャルエピソードで、本国イギリスとアメリカでは2016年元日に放送される作品を、日本で劇場公開。映画館では「忌まわしき花嫁」本編(90分)に加え、特典映像として「脚本家スティーブン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」(5分)、「シャーロック製作の裏側 主要キャスト・スタッフとともに」(15分)が上映される。(映画.comより)

 

 

 

 テレビ放映は第3シーズンまで見ました。でも、この作品は、英国では第3シーズンと第4シーズンの間に挿入された「お遊び」だと聞いていたのに、なぜか見覚えのない「振り返りシーン」があり、自分の記憶力を疑う事態となりました(笑)。

ビクトリア朝のロンドンが舞台ということになっていますが、そこは微妙。「お遊び」なんだということを頭に叩き込んでおかないと、真剣に謎解きするつもりで見てしまうと、スカを喰らいます。

まぁ何を言ってもネタばれになる恐れがあるので、詳しいことは書けないのですが、役者さんたちは素晴らしい。皆、楽しんでますね。でもなぁ・・・個人的には○オチ(とは言えないかもしれないけれど)って、今さらアリ?っていう気がしないでもないです。自分が固すぎるのかもしれませんが。

本編の後にインタビュー映像が延々ついてます。本編が短いからなのか、ファンサービスなのかはわかりませんが、劇場で見るには少々退屈なシロモノでした。これは不要だったんじゃないかな。それとも、本家の放映もこれがセットだったのかしら。

しかしながら、バッチさんを筆頭に役者さんたちはみな素敵で、クラシックな衣装がよく似合い、目の保養になります~。DVDになるかどうかはわかりませんね、お好きな方は見ておいた方がいいかもです。

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ドラゴン・ブレイド(天将雄師 Dragon Blade)

2016年03月03日 07時37分48秒 | 日記

 世界のアクションスター、ジャッキー・チェンと、『ハイ・フィデリティ』などのジョン・キューザックが共演を果たしたアクション活劇。シルクロードで前漢とローマ帝国軍が争ったという史実をベースに、さまざまな陰謀が渦巻く中、命懸けで戦う猛者たちの姿をスクリーンに焼き付ける。ローマ帝国軍執政官の冷徹な息子を『戦場のピアニスト』のオスカー俳優エイドリアン・ブロディが怪演。忠義を胸に立ち上がる名もなきヒーローたちの姿に引き込まれる。(シネマトゥディより)

 

 

 

 久しぶりに来たわれらがジャッキーの映画。さすがにジャッキー。エンターテイメントに徹しながらも勧善懲悪、人情満載。見応えのある映画に仕上がっていました。史実に基づいた物語らしいですね。でも、そこは映画ですから、かなりの脚色があるものと思われます。もちろん、細かいことを気にしだしたら突っ込みどころはたくさんありますが、それはそれ。

例えば、ジャッキー率いるシルクロードを守る「西域警備隊」の美しい演舞と、ジョン・キューザック率いるローマ軍の力強い演舞。そして力試しの試合。元来不必要と思われる彼らのこういった見せ場は、物語を離れてのエンターテイメントとなっていました。

紀元前50年、その頃シルクロードのあたりには36もの部族が存在していたそう。 その地の平和を守るための「前漢西域警備隊」。その司令官がジャッキーです。しかし、隊は何者かが企てた陰謀により汚名を着せられ、辺境の関所に送られることに。そこへ、ローマ帝国の将軍ルシウス(ジョン・キューザック)が執政官の幼き息子を連れて逃げてきます。最初は警戒していた彼らも、お互いに悪意のないことを悟り、助け合うようになります。

武勇に優れたルシウスは、執政官の長男(素行が悪くて、跡取りを弟に持って行かれた兄。演ずるはエイドリアン・ブロディ)に追われ、幼い跡取りを連れて逃げていたのですね。エイドリアン演じる兄は、自分の将来が約束されなかったことを恨み、父親を殺した上、弟の目も潰してあったのです。しかしどうやら、一方的だったのか両思いだったのかははっきり描かれませんが、この兄はルシウスを愛していたようです。

ともかく、元来やさ男のはずのエイドリアンも、「プレデター」再来。ジャッキーや他の男相手に見応えのあるアクションを披露します。その剣さばきの素晴らしさに、「これだけの男、なにかのつまづきさえなければ、賢帝になれたであろうに」と思わせました。

悲しいけれど、エイドリアンは悪役。そして、死ぬのは悪役だけではありません。西洋の映画では考えられない展開にはなりますが、見応えのある映画に仕上がっていたと思います。楽しめました。

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