インド映画界の人気スター、サルマーン・カーンが、粗暴だが正義感にあふれる警察官チュルブル・パンデーに扮し、アクション、ロマンス、ダンスなどインド映画ならではの要素をふんだんに盛り込んで描いたエンターテインメント。悪党から奪った金を我がものにする汚職にも手を染める一方、強きをくじき弱きを助ける正義感に燃える警察官チュルブルは、ある日出会ったラッジョーという女性に恋をし、猛アタックを開始する。しかし、ラッジョーはアルコール中毒の父親が心配で、「父が生きている限りは結婚しない」と言う。一方、絶対的な権力を手にしようと企む青年政治家のチェーディーは、事あるごとに邪魔をするチュルブルを始末しようと、ある計画を練っていた。(映画.comより)
<2023年9月17日 DVD鑑賞>
2010年インド映画。日本公開は2014年7月。本編126分。サルマン・カーンは今でも大スターですが、この頃の彼はスターと言ってもまだ少し粗削りな感じ。警官なんだけど荒っぽくて、時にはマフィアの金をくすねることもあるような、まぁ言えば悪徳警官の一種です。今回のヒロインを見染めた時も仕事中(!)で、ベランダに出てきた美人を見て「ここの娘か?」「はい」「結婚は?」などと公私混同もいいところ。笑える。ひたすら強く、時々強引で、それでも母親を大切にしていて。そんな感じです。話のバックグラウンドとしては、サルマンは父を亡くし、再婚した母親が産んだ義理の弟とも折り合いが悪く、当然だが義理の父親との折り合いも悪い。そんな中、義理の父親は小さな会社を持っていたのだが、出来の悪い弟は仕事もロクにせず、そのくせ一人前に結婚しようとするから、お金がない。サルマンは、悪いお金も含め、大方を母親に預けていたのだが、それが狙われてしまう、という話。盗られたマフィア(青年政治家ということになっているが、要するにマフィアの手先)も当然追って来る。義理の父は弟に目をかけているから、サルマンの悪行ばかりが目に付いてますます仲違いする・・・。
言ってしまえばどうってことのない話なのですが、それを過剰な(?)アクション、歌と踊りなど、いろんな要素をてんこ盛りにして2時間超えで見せてしまいます。強すぎる男サルマン。何事に対しても強引すぎて笑ってしまうんだけど、それでも結果を含め全部自分で引き受けてしまうから「まぁそれもアリかも」と思ってしまいます。お金を取り戻しに来る青年政治家役でソーヌー・スード。彼は「カンフーヨガ」でジャッキー・チェンと共演していました。
サルマンが踊る”踊りやすいダンス”がちょっとウケました。彼はダンスがうまいほうではないらしくて、でもみんなで踊る”単純なダンス”がなんだかとってもかわいくて、ベルトを上下させるだけのダンスなんかは、インドでも大流行したのだそうです。わかる~。私もマネできるもん(笑)。
少し前の映画ですが、とにかく楽しめました。頭を空っぽにして見るには少し長いけれど、強すぎるサルマンを堪能しました。おすすめしませんが、こういう映画もあるということで。