成人女性が未成年という設定のもとSNSへ登録すると、どういったことが起こるかを検証したドキュメンタリー。巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋に、幼い顔立ちの18歳以上の3人の女優が集められた。彼女たちは12歳の女子という設定のもと、SNSで友達募集をする。その結果、彼女たちにコンタクトをしてきたのは、2458人もの成人男性だった。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家による万全のケアのもと、撮影は10日間にわたり続けられた。撮影されているとは気付かず、何も知らずに卑劣な誘いを仕掛ける男たち。彼らの未成年に対する容赦ない欲望の行動は徐々にエスカレートしていく。監督は、チェコで活躍するドキュメンタリー作家のビート・クルサークとバーラ・ハルポバー。(映画.comより)
<2021年5月16日劇場鑑賞>
童顔の若い女優に12歳の少女を演じてもらって、SNSで発信するとどうなるか、というドキュメンタリー。舞台はチェコ。本物と見まがう子供部屋のセットにかわいらしい女優。「こちらから誘わない」とか「12歳であることを強調する」とか、いくつかの決まり事のもと、始めるのですが、出るわ出るわ、いやらしい男たち。写真をアップしたその瞬間から二けたの男たちから友達の申し込みが。本当に瞬時ですよ、みんなすごいですね。映画だから、のっけから変なこと言う男ばっかり取り上げているのかしれませんが、映画の途中に登場した弁護士が「正直、これほどまでとは思わなかった」と述べるほど、変態・オン・パレード。
自分のモノや行為を見せるだけではなく、女性と犬との動画を送りつける、明らかに子供とわかる少女の動画を送って来る、それも「送るわ」と言ったら瞬時ですよ。みんなパソコン、使いこなしているのね。そのうち、子供を相手にする仕事をしているはずの男性が現れたり(ボーイスカウトなどのキャンプ設営とか)、チャットかなにか知らんけど、お互いの顔が見えているわけだから、バレますよね。
もちろん、いい人もいます。でも、圧倒的に少数です。まぁ、他にすることがあったら、SNSで目を皿のようにして女の子を探さんわな。
個人的に「よかった」と思ったのは、最終「会おう」と約束して少女たちに会いに出てきた人たちが、そんなにヒドい人たちじゃなかったこと。女の子にジュースぶっかけられても「仕方がない」といってすごすご退散したり、「君がそうして欲しいのなら散歩だけして帰ろう。ずっとそれでもいいさ。君の意志が一番だ」と言う年配男性がいたり。少なくとも、女の子につかみかかるとか、無理強いする奴がいなかったことが幸い。もちろん撮影だから、そこそこのところで携帯を鳴らして「あ、パパ?近くにいるの?」って言わせてたから(そこでみんな退散してしまう。やっぱり悪いと思っているのね)、危険な場面まで行かなかっただけかもしれないけれど。
ただ、不満があるとすれば、ツメが甘かったこと。ちょっとマイケル・ムーア監督にも通じるような。途中で出てくる弁護士さんも言ってたけれど、個人個人を取り締まるわけにはいかないから、やっぱりツールを提供する配信会社だよね、そこが卑猥なものを規制してゆくのが一番じゃないかな。まぁそれでも闇サイトが増えるだけでキリがないのかもしれないけれど。難しい世の中です。私も、子供の頃なんて家庭に居場所はなかったかれど、逃げたくても逃げてゆくところもなかった。コンビニやパソコン、携帯もなかったし、一歩家から出れば外は真っ暗だった。電柱しかなかった。今、こういう環境にあったら、きっと”優しくしてくれる人”や”わかってくれる人”を求めて、自分ものめり込んだと思う。貧乏だったからパソコンや携帯は周りに比べて一番後だったとしても。一番安物だったとしても。そう考えると、胸が締め付けられる思いでした。
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