田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

パパが遺した物語(Fathers and Daughters)

2015年10月27日 07時48分23秒 | 日記

 

 父親と息子の絆を描いた『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督が、ニューヨークを舞台に、小説家の父親と幼い娘の愛を描くヒューマンドラマ。今は亡き父親の愛を知り、人を愛する事ができなかったトラウマを克服していく少女のその後の姿をアマンダ・サイフリッドが、その父親をラッセル・クロウが演じる。(moviewalkerより)

 

 

 

 ラッセル・クロウ演じる小説家の父は、一時その才能をもてはやされたものの、今はちょっとスランプ。素行もよくないのか、妻と口論しながら車を運転しています(後にわかるのですが、口論しながらの運転も猛スピードだった模様)。そして起きてしまった交通事故。幼い娘は母を失い、ラッセル自身も深手を負います。精神的な兆候も出始めたラッセルは、子供のためにもと、大きな病院へ入院し、娘を妻の姉夫婦に預けることとなります。

数ヵ月後、退院したラッセルは娘を迎えに行きますが、裕福な姉夫婦は「養子に迎えることはできないか」と言い出します。彼らには息子たちはいたものの、女の子はなく、美しくて成績優秀な彼女が魅力的だったのです。また、今は破産の危機に直面する父に戻すのが不安だった、ということもあります。もちろん、娘を手放す気などないラッセルは聞く耳を持たないわけですが。

しかしその後も、必死に書いた新作が大コケだったり、病状が悪化してきたりと、父娘が必死に寄り添いながら生きてゆく様子が描かれます。心配する姉夫婦(妹と疎遠だったため、その罪滅ぼしも兼ねているよう)の申し出を断り続けてがんばるラッセルですが、生活は極貧。そして起きてしまった発作。幼い少女はとうとう独りになってしまいます。しかし、父が死に際に仕上げた新作は大評判。ベストセラーとなります。その本のタイトルこそが「Fathers and Daughters」だったのです。

 そして大人になった少女(アマンダ・セルフライド)が映ります。彼女は今は心理学科を卒業し、将来有望な心理士として働き始めたところ。いえ、まだ院生だったかもしれません。ともかく心理士として人生を歩み始めているのですが、その生活はすさんでいます。行き当たりばったりに男を漁り、一回きりでさようなら。「愛する人をもう一度失うのが怖くて人を愛せなくなっている」ということらしいのですが、そうかなぁ、と思いました。

だって彼女は、小さかったとはいえ、あれほど父に愛された記憶があった。母だって、交通事故。ラッセル扮するパパは、命をかけて彼女を育て、最後まで手放さなかった。そして愛する娘との人生「Fathers and Daughters」を残してくれた。誰かに虐待されたわけでもない。淋しかった気持ちはわかるけど、もっと辛い人生を送っている人だってゴマンといるはず。賢い頭を持っているのに、と少し残念な気持ちになったことも確かです。

彼女が心理士として関わる少女に「ハッシュ・パピー」「アニー」の女の子。彼女も存在感ありましたね。

父のファンだという駆け出しの作家と出会い、愛されるも、やっぱり「愛されることへの恐怖心」から他の男と寝てしまうアマンダ。この辺は経験してみないとわからない心理もあるのでしょうね。当然激怒する彼氏。ここから先は、少しして映画が終わってしまうので、本当の意味でアマンダが立ち直りつつあるのか、やっぱりうまくいかないのかは予想できません。ここから先も見てみたい気もしますが、元来賢い女性ですから、きちんと悟るんでしょうね。

ラッセル・クロウはいい味出してました。裕福な姉を演じるダイアン・クルーガーも、「裕福だけど愛されない」美しい女性をうまく演じていたと思います。あと、驚いたのがラッセルの作品を真っ先に読む編集者。ジェーン・ファンダではなかったか、と思うのです。いつまでもお綺麗。変わらなさすぎる!(笑)

存在しないだろうけれど、「Fathers and Daughters」読んでみたいです。

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マイ・インターン(The Intern)

2015年10月23日 07時40分05秒 | 日記

 「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイと名優ロバート・デ・ニーロが共演したハートフルドラマ。ファッションサイトのCEOとして活躍する女性が40歳年上の男性アシスタントとの交流を通して成長していく姿を描いた。ニューヨークに拠点を置く人気ファッションサイトのCEOを務めるジュールスは、仕事と家庭を両立させながら誰もが羨むような人生を歩んでいた。ところがある日、彼女に人生最大の試練が訪れる。そんな折、会社の福祉事業で雇われたシニアインターンのベンが、ジュールスのアシスタントに就く。ジュールスは人生の大先輩であるベンから様々な助言をもらい、次第に心を通わせていく。監督・脚本は「ホリデイ」「恋愛適齢期」のナンシー・マイヤーズ。「セックス・アンド・サ・シティ2」の衣装を手がけたスタッフによる洗練されたファッションも見どころ。(映画.comより)

 

 

 夢のあるお話でしたね。さすがにナンシー・マイヤー監督。アン・ハサウェイのコケティッシュな魅力と、ロバート・デ・ニーロの風格が相まって、何とも言えないいい味を出してました。話はよく出来過ぎているくらい。

アンはネットの時代に上手く乗り、わずかの間に自分の会社を何倍にも大きくしたやり手CEO。毎日目の回るような忙しさです。でも、信頼できる仲間に囲まれていながら、そして本人もとても誠実な人柄ながら、やることが多すぎてどれも中途半端になり始め、精神的にも落ち着かなくなって来ている時期。仲間の勧めに従って、シニア・インターンを取ることにします。

そこへ応募して来たのがデ・ニーロ御大。定年退職したうえ、妻も亡くし、やりがいを探していた時期でした。面接では、他の若い人々と同じ質問「10年後の夢はなんですか」と聞かれ、「80歳になった時の夢か」と聞き返す場面も。若い面接官も「取り消します」と(笑)。

そんなこんなで、ちょっぴりヲタクな若者や女性などと一緒に採用となったデ・ニーロは最初こそ旧態依然とした勤務態度で浮いてしまいますが、そのうち会社になじみ始めます。始めの頃は彼を煙たがっていたアンも、勤勉な態度と本当に「デキる」中身にだんだん彼を頼るようになってゆきます。

嵐のように働きづめのアンには専業主夫の夫がいますが、彼も一時は将来を嘱望されていた会社員。あまりに忙しいアンとの間に隙間風が吹いたり、会社の業績を伸ばすためにも手慣れたCEOを迎えるよう仲間に進言されたり、実際にはいろんなことが起きてゆきます。

もちろん、基本はロマコメ(?)ですから、最終的には上手く回ってゆくようになるのですが、個人的にはいろんなことを盛り込み過ぎてたように思います。たった2時間の映画、そんなにいろんなことが起きなくても、と少しせわしなく感じました。

でも、御大は本当にいい味を出してます。うまいものです。さすがです。今は本当に年輩の役者さんが輝いていますね、いろんな映画を鑑みるに。若い人たち、少し存在感負けです。まぁそれでいいのかもしれませんが。

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アントマン(Ant-Man)

2015年10月18日 18時34分19秒 | 日記

 「アベンジャーズ」シリーズや、それに連なる「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」など数々のヒーロー映画を成功させているマーベルスタジオが送り出す、体長1.5センチのヒーロー「アントマン」の活躍を描いたアクション作品。仕事もクビになり、養育費が払えないため最愛の娘にも会えないスコット・ラング。そんな崖っぷちのスコットに、謎の男ハンク・ピムから意外な仕事のオファーが届く。それは、体長わずか1.5センチになることができる特殊スーツを着用し、「アントマン」になるというものだった。選択の余地がないスコットは渋々ながらもアントマンとなり、人生をやり直すための戦いに乗り出す。スコット・ラング役で「40歳の童貞男」「ウォールフラワー」のポール・ラッドが主演し、ハンク・ピム役で名優マイケル・ダグラスが共演。監督を「イエスマン “YES”は人生のパスワード」のペイトン・リードが務め、当初はメガホンも取る予定だった「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガー・ライトが脚本を手がけた。(映画.comより)

 

 

 おもしろかったです!冒頭は若いマイケル・ダグラスがハワード・スターク(「アイアンマン」シリーズで、トニーの回想シーンというか、ビデオシーンで出て来た元来の俳優さんがちゃんと演じてる!ドミニク・クーパーじゃなくて。すごいこだわり!)と共に画期的な発明について意見を交わす場面。でも、あまりに危険と言うことで、発明者のマイケルはその使用を断固拒否。袂を分かつところまでが描かれます。

場面が変わって現代。本当はやり手で優秀な学歴も持つのに、なぜか犯罪者に成り下がってるポール・ラッド。出所日には仲間のマイケル・ペーニャが迎えに来ています。彼の援助を受けながら社会復帰を目指すも、前科のあるものにはなかなかに難しい。それどころか、彼の優秀さをよく知るペーニャには、一獲千金の大仕事に誘われる始末。「二度と犯罪には手を染めない」と決心していても、やっぱり生きてはいけません。娘の養育費も払えないし。

またまたペーニャに誘われ、金庫破りをしたところでマイケル・ダグラスに捕獲されます。最初から彼の策略だったのです。「君は優秀なのに、意志が弱いのが弱点だな。安易に犯罪に誘われてしまう」などと意見され、なんだかんだ言いながら彼の言う通りにするハメに。美人で強い娘さんにも鍛えられます。

小さくなってどこへでも侵入できるのに、いざとなったらぐ~んと大きくなって相手を打ちのめすことができる。また、訓練によりアリとも意志疎通ができるようになり、アントマンの時は羽アリに乗って移動する。まるで犬のように忠実で賢い羽アリ・アントニーと二人三脚での活躍は痛快で、見ていて楽しい映画でした。うまくできていますね~。

お約束のアベンジャーズの登場もちらっと。大きく出てるのはファルコンですが、他のキャラもマニアがわかる程度なのが憎いですね。終盤近くにはスタン・リーの姿もきっちり(笑)。

優秀なのにうまくいかない男や、家族(主に娘)との関係構築の難しさなどもうまく描き、なかなかによくできた映画でしたね。笑いのツボもきっちり押さえてあるし。発明を利用しようとする悪役(?)も魅力的。

それにしても、ポール・ラッドって、個人的にはジェニファー・アニストン共演「私の恋愛の対象」で初めて認識した俳優さんだったので(ゲイの役だった)、少し意外でした。でも、ハマってました。また、ダグラス博士の”若過ぎない”娘役にも好感を持ちました。

次回はアベンジャーズにも登場予定とか。なんだか楽しみですね。

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ぼくらの家路(JACK)

2015年10月14日 07時55分46秒 | 日記

 

 

 

 

 10歳のジャック(イヴォ・ピッツカー)は、6歳になる弟マヌエル(ゲオルク・アルムス)の世話で毎日大忙し。シングルマザーの母は優しいが、まだ若いため、恋人との時間や夜遊びを優先してしまう。そんなある日、とある事件をきっかけに、ジャックは施設に預けられることに。友達もできず、施設に馴染めないジャック。待ちに待った夏休みがようやく訪れるが、母から“迎えは3日後になる”との電話が。がっかりしたジャックは、施設を飛び出してしまう。夜通し歩き続けて家に着いたものの、母は不在でカギもない。携帯電話は留守番メッセージばかり。仕方なく母に伝言を残して、預け先にマヌエルを迎えに行くジャック。仕事場、ナイトクラブ、昔の恋人の事務所まで、母を捜してベルリン中を駆け回る兄第。小さな肩を寄せ合う2人は、再び母の腕の中に帰ることが出来るのか……?(moviewalkerより)

 

 

 

 つらい映画でしたね・・・。日本では「誰も知らない」を想起するところです。でも、やっぱり少し違います。

家をあけがちな若い母親に代わり、小さな兄ジャック(10歳)は6歳になる弟マヌエルの世話をかいがいしくこなしています。弟はやっぱり弟で、小さいこともあるのですが、どこか甘えん坊です。まだ若いママは、僕たちにとても優しいし、傍にいれば抱きしめてもくれるのですが、まだまだ彼氏作りと友人とのお出かけに余念がなく、子供たちはよくほったらかしにされるわけです。

今日も今日とて兄弟だけ。真夜中、弟と眠っていたジャックは物音で目を覚まします。母が男とセックスしてるんですね。慣れっこでひるまないジャックは、ずかずかと入って行き「喉が渇いた」と言います。悲鳴を上げる二人。しかし、母も慣れたもので素っ裸のまま冷蔵庫へ。ジャックにジュースを入れた後「やきもち?」な~んて普通に聞きます、素っ裸のまま(笑)。なかなかクールですよね。

そんなこんなで破天荒なりにもやって来ていた3人ですが、ある日弟が誤ってやけどをしてしまい、ソーシャルワーカーの指導を受けることになってしまいます。内情がばれて兄は施設へ、弟は母の元にと別々に。「私の子供たちよ。離すことなんてできないわ!」と反発していた母親ですが、現実的には面倒をみれているわけはなく、夏休みには迎えに来る約束でジャックは施設へ入ります。施設の先生たちは皆優しく、決して環境が悪いわけではありませんが、ワケありの子供たちばかりの施設にジャックはなかなかなじめません。

それでもなんとか耐えていたのに、案の定、お迎えの日の朝には電話が入ります。「迎えに行けないわ。仕事なの。ごめんなさいね」「弟は?」「友達のところよ」・・・荒れるジャック。つい意地悪をしてきた仲間を殴ってしまいます。しばらく動かない仲間。アセるジャック。ついに逃亡します。ママのところまで!

でも、ママはアパートにいるはずもなく、カギがかかったまま。いつものところに合いカギもありません。職場にだって母はいません。弟を迎えに行こう。母の友人を訪ねます。「一日の約束だったのに、もう何日もほったらかしよ。大迷惑だわ」友人の彼氏に放り出される弟。二人での彷徨が始まります。

どれだけ連絡しても母はずっと留守電。携帯なんて繋がりません。ハンバーガーショップの備え付けミルクやシュガーを盗んで貪り食ったり、母の昔のボーイフレンドを訪ね歩いては母のことを尋ねたり何か食べさせてもらったり。そんなこんなで3日間。それでも母に連絡は付かず、アパートは閉まったまま。こっそり寝ていた廃車まで見つかって追い立てられる始末。この辺にまでなってくると、見ている側は「母親は悪い人ではない」とわかっていても腹が立って来ます。「なんでこんな仕打ちをするの」って。

そしてようやく部屋に明かりが付いているのを見つけた夜。兄弟は駆け込みます。「ママ!」「あ~会いたかったわ。元気にしていた?」悪びれず抱きしめてくれる母。粗末ですが夕食を一緒に取ることもできました。

でも、ママの口から出た言葉は「いい人に出会ったの。今度こそ、本物って気がするわ。屋上にプールまであるのよ。豪邸だわ」そして、細いリングを見せながら「どう?もらったの。今度あなた達のことも紹介するわね」チビちゃんにちいさなおもちゃをプレゼントし、一緒に遊ぶ母。キャーキャー戯れながら弟と一緒に眠ってしまった母を見て、兄ジャックの表情はどんどん険しくなってゆきます。

そしてあくる朝。まだ眠っている母を残し弟を起こしたジャックは、弟と一緒にある扉を叩きます。「はい」「ジャックですが」「はい?」「ジャックです」

そこで映画は終わりです。何も提示してくれません。でも、私個人的には施設の扉を叩いたのではなかったか、と思います。友人を殴ったことを自白し、もう一度やり直すしかない・・・兄はそう思ったのではないでしょうか。幼いながら、弟と一緒に暮らしてゆくにはそれしかない、そう判断したのではないでしょうか。たった10歳の子にこれだけの決断をさせるなんて。悲しくて悲しくてやりきれません。世の中には、もっと言えば日本にだって、もっと悲惨なことがあるのかもしれませんが、切なすぎます。でも、お互いが心の支えとなるべく、兄弟がいてよかったのかもしれません。

映画が違いますが、最近「パパが遺した物語」という映画を見ました。その中で破産寸前のラッセル・クロウに義兄のブルース・グリーンウッドが「娘さんを私達に預けなさい(養子縁組を希望していた)。毎日愛していると言うだけでは父親は務まらない」と言い放つ場面があったのですが、まさにそんな感じですね。もちろん、お話は前提から違います。でも、子供を養育する義務を負う以上、責任は自覚しなければなりませんね。

よくできた映画ですし、賢い兄に希望は見えるわけですが、ず~んと重い映画でした。疲れている時は避けた方が無難かもしれません。

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シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人(Two Raging Grannies)

2015年10月13日 07時04分15秒 | 日記

 電動車いすに乗った92歳と86歳の女性が、「経済成長」についての答えを求めて奔走する姿を追ったドキュメンタリー。シアトルの田舎町で暮らすシャーリーとヒンダは、自分たちがわからないことを知るために大学生や大学教授、経済アナリストらへ質問を繰り返し、ついには世界経済の中心であるウォール街へと飛び出して知的好奇心を満たしていく。時にはバカにされたり脅されたりしながらも情熱を絶やさない2人の姿を通し、年齢に関係なく様々なことに興味を持ち続けることの大切さも描いている。監督は、ノルウェーの実力派ドキュメンタリー作家ホバルト・ブストネス。(映画.comより)

 

 

 

 ちょっとマイナーな映画を見てみました。早朝1回上映です。これはドキュメンタリーなので、このおばあちゃんたちは実在します。それなりに人生を送って来たおばあちゃんたちは、ある日、毎日あまりに暗いニュースばかりなのに気付き(失業率が増加の一途だとか、経済の失速状況だとか)、「なんでこんな世の中になってしまったの?」と思い始めます。もちろん、彼女たちは世界恐慌の時代も、幼いとはいえ経験しています。そのとき父親が言った言葉なんかは覚えているわけです。

そんなこんなで、女性が軽んじられていた時代、ストレートに大学を出ることはできなかったけれど、子育てしながらも勉強を続けてきた彼女たちは、元々知的好奇心が旺盛だったとも言えます。

これほどの年齢になっても、この頭脳の冴え!まったく驚きです。電動車いす(私の職場近くでもよく見かけるのですが、日本のものより少し簡素な作りのように思います)にこそ乗っていますが、その行動力はハンパない。大学の講義に潜り込むのから始まって、経済の専門家・ウォール街の会社のCEOなど、次々と面会を試みます。その間、いろんな専門書を読破することも忘れません。しまいには偉い(?)先生が招待されてるセレブのパーティにまで潜り込むのです。(ちなみにこのパーティ、豪華な食事までついてたから、チケットはかなり高価だったと思われます。行動するためにニューヨークに部屋を借りてしまったりと、彼女たちは経済的にもかなり裕福かと思われます。あるいは所属するなんらかの団体から資金提供を受けているのか。ともかく、疑問を持っても、やっぱり先立つものがないとダメなんだなぁ・・・と現実的な問題を期せずして提起しているような気もします)

ともかく、年寄り二人ですから、行く先々でバカにされたり門前払いを受けたりもします。でも、真剣に話を聞いてくれる学者さんもいて、なるほど彼らの「経済は永遠には成長できない」理論は真っ当な気がします。逆に、「成長できます」と言い切るえらいさんたちは、「過去何百年もそうやって成長してきているのです」と述べ、あぁそれもそうかも、と納得したりもします(バカですみません)。

でもね、私個人的には、どれだけ理想論を唱えようと、「自分は人より成功したい」「人よりいい生活をしたい」と思う人たちがいる限り(絶対いると思うし)、「地球全体を保護しながら経済発展を抑えよう」なんて思想は成り立たないと思う。そんで、もしそういう意見でまとまったとしても、抜け駆けする奴が絶対出て来ると思う。悲しいけれど、それが人間のサガかと。

この作品、親しみのあるおばあちゃんたちが活躍するという視点はとてもよいと思うのですが、表面的な感じに仕上がっているのが残念でした。どうしようもできないのはわかるんですが、もう少し踏み込み方があったかなぁ、と個人的には思います。なんと言うか、不成功に終わるとわかっていることばかりをなぞらずに、もっと知恵を絞って学者や偉いさんたちをギャフンと言わせる場面があれば、痛快だったかなぁと。

まぁそれでも、年齢を経ても頭脳明晰なおばあちゃんたちに元気づけられたことは確かです。ああいうふうになれるといいですね。

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