田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da)

2016年09月25日 10時59分29秒 | 日記

 

帰ってきたヒトラー

 ヒトラーが現代によみがえり、モノマネ芸人として大スターになるというドイツのベストセラー小説を映画化。服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマンによって見出され、テレビに出演させられるハメになった。男は戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していくが、男の正体は1945年から21世紀にタイムスリップしたヒトラー本人だった。ヒトラー役を演じるのは、舞台俳優オリバー・マスッチ。(映画.comより)

 

 

 田舎に降りて来た名作。思わず飛びつきました(笑)。いやはや、おもしろかったですね~、この発想。ナチスに関しては、「実は月の裏側で発展を遂げていた」とか、いろんな設定の映画があったと思うのですが、今回のように「現代にタイムスリップ」し、なおかつ「またもや民衆を魅了してしまう」という展開は斬新だと思いますね。

ヒトラーは本物です。なぜかタイムスリップして現代へ。服装もそのまま、思想も価値観もそのまま。でも街に現れた途端、カメラを構える人、人、人。そりゃ珍しいでしょう。何が何だかわからなかった総統はしかし、持ち前の頭の良さで時代に対応してゆきます。「これはネタになる」と踏んだ落ち目のテレビ関係者に誘われ、そこへ出世欲に目がくらむ人々が絡み合い、結局総統は人気番組を持つまでに。

しかしながら、ぶれない思想、力強い演説、そしてなにより「ドイツ国民は優秀なんだ」という確固たる価値観は、現代の国民たちの心を掴んでゆきます。実際、ヒトラーに「子供の貧困や社会の乱れ。このていたらくは何なのだ!」と言われればその通りなのです。これは日本でもそうですね。そして、あの格好のまま地方で行う地元民との対話。「今の首相のおかげでこの難民の数だ!なんとかしてくれ」などと真顔で頼る人々。この辺は、ヒトラー役の俳優さんが、ドキュメンタリー手法で撮影したものなんだそうです。地元の人々は「映画です。顔が出ます」と言っても臆せず出演して意見を述べたのだとか。ん~考えさせられますね。

そして、当然のごとく降って湧く映画出演。みんな、出世とお金には余念がありません。もう、いったいどうなってゆくのでしょうか・・・とまぁ、こんなお話です。

かなりきわどいテーマというか、作りにはなっていると思うのですが、ラストもありきたりのハッピーエンドではありません。しかし、今を生きる私たちが深く考えさせられることは確かです。お勧め。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キング・オブ・エジプト(Gods of Egypt)

2016年09月19日 11時35分19秒 | 日記

1_SX500_AL_

 「アイ,ロボット」のアレックス・プロヤス監督による冒険スペクタクルアクション。神と人間が共存し、「生命の神」オシリス王の統治により繁栄を誇っていた古代エジプト。しかし、弟セトのオシリス謀殺により王座は奪われ、人々は暴虐なセトに苦しめられていた。オシリスの子で、王座と視力を奪われたホルスは、コソ泥の青年ベックと手を組み、エジプトの王に君臨するための鍵を握る重要なアイテム「神の眼」を盗み出すべく、困難極まりない冒険の旅に出る。主人公ベック役に「マレフィセント」のブレントン・スウェイツ、ベックの恋人役に「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のコートニー・イートン。「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのニコライ・コスター=ワルドウ、「300 スリーハンドレッド」のジェラルド・バトラーらが脇を固める。(映画.comより)

 

 

 この映画、とっても評判がよろしくないんですね。また、私は時間の関係上、字幕版で見たけれど、アイドルの吹き替えで見た人は災難だったみたいです。よかった~。おこないええわ(笑)。

舞台は古代エジプト。そこは神が治める国。なぜか「大きな人間」様に具現化している神様たちと、「小さな人類(普通の人間)」とが共存している国。神様は当然特殊な能力を持ちますし、いかめしい姿にだって変身します。そんな神様たちにも争いがあって、父親から富める国エジプトの統治を任されている長男は、徳の高い神で、国も平和に治められています。一方、何もない砂漠の国の統治を任されてしまった次男は、長男を妬み、いつか自分が取って代わろうと思っています。これって、「ライオンキング」ですよね!私は強くそう思いました。今更そんな話って・・・と思った瞬間です。

で、長男の長男、つまり今作の主人公の一人ニコライ・コスター=ワイルドに王座が譲られるその日に、叔父(ジェラルド・バトラー。王の弟ですね)に襲われ、王は死に、ニコライは瀕死の重傷を負うのです。両目をえぐられたりしてね。ショックのあまり蟄居してしまうニコライ。一方、人間の主人公ブレントン・スウェイツは、美人の恋人が捕らわれた上(忍び込んで密会していた自分も悪いと思うが)どさくさに紛れて殺されてしまい、神には死人を生き返らせる能力があると信じてニコライと組むのです。

もう、話がめちゃくちゃです(笑)。なんで神と人間が組むんですか。神は人間より少し大きいだけだし。ブレントンはコソ泥という設定で、とても身が軽く、すり抜けたり忍び込んだりするのが得意なので、なにかと先鋒を切ります。他にも、色っぽすぎて罪の雰囲気ムンムンの女神が登場したり、兄弟の父(つまりは最も年長の神。これがジェフリー・ラッシュ!)が宇宙空間みたいなところでデビルと戦っていたり。神同士でも人間並みに男女のしがらみがあったり。要は、どこまでが真剣でどこからがふざけているのか、お話が中途半端なのが悪いと思うんですね。いっそ突き抜けるとか、ぐっとこだわりで仕上げてあると良作になったのではないかと思います。

神は強そうな生き物に変身もするので、その技術は一見の価値ありです。でも、お話はあまり真剣に考えずに見る方がいいかなぁ、と思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スティーラーズ(Pawn Shop Chronicles)

2016年09月12日 07時44分00秒 | 日記

「ワイルド・バレット」(2006)のウェイン・クラマー監督と主演ポール・ウォーカーが再タッグを組み、アメリカ南部を舞台に、ブラックな笑いやバイオレンスを交えながら、欲望渦巻く男たちの生き残りをかけた戦いを描いた。冴えない質屋の店主やドラックディーラーの金を強奪しようと企む麻薬密売の仲介人、数年前に妻をさらわれた男、プレスリーを崇める無一文の芸人など、いずれもクセのある登場人物たちが、ひとつの巡り合わせによって運命を狂わされ、予測不能な方向へと転がっていく一日を描く。共演にイライジャ・ウッド、マット・ディロン、ノーマン・リーダス、ブレンダン・フレイザー、ビンセント・ドノフリオほか。(映画.comより)

 

 

 

 少し前の映画です。娘が録画したか借りてきたかで「おもしろかった!」なんて言うものですから、ブレンダン・フレイザーとマット・ディロンへの郷愁も手伝って、つい見てしまいました。

すごすぎるお話でした。オムニバスなんですが、最後はそれらがつながる大団円を迎えるという、作りとしてはよくある感じです。ただ、それぞれの登場人物が濃すぎる、エキセントリック過ぎる!pawn shopのオーナーはビンセント・ドノフリオ。

まずは一つ目のお話。ポール・ウォーカーやルーカス・ハース、ケヴィン・ランキンらが演じるヤク中強盗チーム。彼らはみんなすんごくアホで、これから強盗をしようって言うのに「ガソリンを入れるお金がなかったから銃を売った」とか、仲間を車で轢いてしまったとか、ちょっと度の過ぎたアホチーム。白人至上主義のはずなのに「でも黒人も好きだし。いい奴いっぱいいるし」みたいな妙に思想的な話をしたり。それで、なんの脈絡もなく、銃がないルーカス・ハースに銃を与える男が登場するのですが、これがトーマス・”パニッシャー”・ジェーンなんですね!でも横向いてるし、帽子を目深にかぶってるし、ここしか登場しないしで、それとわからないんですね。もっとよく見ておくんだった、って後にさいなまれます。ポールたちに襲われる悪党もノーマン・リーダスなんですが、ガスマスクみたいな被ってて全然わかりません。なにげに俳優の使い方が贅沢なんですね。

第二話はマット・ディロン。新婚旅行中にpawn shopへ立ち寄ったディロンと妻。そこで彼はその昔、自分が妻に贈ったはずのリングを見つけます。妻はそのまま行方知れずで、気になりつつも年月が過ぎ、新しい恋を満喫していた彼は驚きます。つい、新妻を放置して「誰が持ち込んだ?」「いつごろ」と、捜査を始めてしまうディロン。どんどん深みにはまって行きます。新妻、かわいそうすぎる。

そして第三話は「また?」の感があるイライジャ・ウッドの異常者の話。女性をいっぱい監禁してあるんですね。ただ、とても上手に女性を操っていて、ほとんど新興宗教のよう。もちろん、女性たちは檻のようなモノに入れられて、見るも無惨な姿になってます。ただ、「君は特別なんだ」など、言葉巧みに女性の心理をつかんでいて、その辺はなんだかわかる気もします。普段の生活では、そんなに構ってもらえることも、愛でてもらえることもないですものね。

で、これらのお話に、文無しのプレスリー役者ブレンダン・フレイザーが絡み、大団円へと向かいます。いや、心温まるいいお話ではありません。ほとんどあり得ないと思われる変な映画です。アホらしいと言えばそれまで。ただ、妙に豪華な役者たちが大まじめにつまらない(?)ことをやっているのも、いいものです。楽しみましょう!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロッキー2 (Rocky II)ロッキー3(Rocky III)ロッキー4 炎の友情(Rocky IV)

2016年09月09日 18時33分28秒 | 日記

ロッキー2 Rocky II

前作で、フィラデルフィアのチンピラから、世界ヘビー級タイトル・マッチで、アメリカ中のヒーローとなったロッキーが、結婚、ジュニアの誕生などをへて、苦悩しながらも人間的に成長していく姿を描く。製作はアーウィン・ウィンクラーとロバート・チャートフ、監督・脚本はシルベスター・スタローン。(映画.comより)

 

しがない4回戦ボーイからヘビー級チャンピオンの座を獲得したボクサーを描く「ロッキー」シリーズ最終編。製作は「レイジング・ブル」のロバート・チャートフとアーウィン・ウィンクラー、製作総指揮はハーブ・ナナス、監督・脚本・主演は、前作に引き続いてシルベスター・スタローン、撮影はビル・バトラー、音楽はビル・コンティが各々担当。(映画.comより)

イメージ 1

宿敵であり親友であるファイター、アポロを絶命させたソ連の殺人マシーンドラゴに挑戦するロッキーの雄姿を描く。製作はアーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ、エグゼクティヴ・プロデューサーはジェイムズ・D・ブルベイカーとアーサー・コバニアン。監督・脚本・主演は「ロッキー3」のシルヴェスター・スタローン、撮影はビル・バトラー、音楽はヴィンス・ディコーラが担当。共演はタリア・シャイア、バート・ヤングなど。(映画.comより)

 

 

 

 

 昨年末に、ただ新作の「クリード チャンプを継ぐ男」を見たいがために、一気見してしまった映画。(1作目は少し前に鑑賞済み。5作目はなぜかリアルタイムで見た・笑)

いや、確かに今見ると少し古くさいけれど、やっぱり一時代を築いた映画だなって感じです。あの音楽の盛り上がり。あんなに強いのに奥さんへの強い依存(笑)。ロッキーとアポロの固い友情。「4」でのアポロの異様な陽気さ。若かりしドルフ・ラングレンの寡黙な強さ。改めて気がついたんだけど、ドラゴの妻を演じていた美女が後にスタローンの奥さんになったブリジット・ニールセンね。確か「コブラ」かなんかで共演していたと記憶しています。

ラングレンって、本当に大きいね。わかってることだけど、やっぱりすごいなって。「ユニバーサル・ソルジャー」は好きでした。一時はよくトム・ベレンジャーと混同しましたけれど。

娯楽作品として堪能できました。おかげで新作も楽しむことができましたし、「6」は飛んでるけど、よしとします(ええんか!)。映画ヲタクなのに、ロッキーの鑑賞が遅すぎましたが、やっぱりすごい映画でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嗤う分身(The Double)

2016年09月07日 07時43分33秒 | 日記

嗤う分身

 

 文豪ドストエフスキーの名作「分身」の舞台を近未来的世界に置き換え、「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ&「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカ共演で映画化した不条理スリラー。不器用で気の小さい青年サイモンは、向かいのアパートで暮らすあこがれの同僚ハナを望遠鏡で覗くことだけが楽しみの孤独な生活を送っていた。そんなある日、サイモンの職場に彼と瓜二つのジェームズが入社してくる。しかもジェームズは、サイモンよりはるかに優秀で……。監督は「サブマリン」のリチャード・アイオアディ。「ザ・ダブル 分身」のタイトルで2013年・第26回東京国際映画祭コンペティション部門で上映された。(映画.comより)

 

 

 

 鑑賞はもう昨年になるかと。劇場で見た作品を優先しているとこうなってしまいました。やっと書けて安心しています。

さて、ジェシーくんが結構好きなので選んでみたのですが、なんとも不条理な映画でした。その上、私も知らないような古い日本歌謡がかかる!なんなのかな。ジェシー君とミアちゃんはよかったですよ、でも頭の固い私には理解不能な・・・。

存在感の薄い、目立たない男サイモン(ジェシー・アイゼンバーグ)。冒頭ではそれが強調されます。ガラッガラの電車で座っていると「そこは俺の席だ」と言われて席を譲ったり、鞄を電車の扉に挟まれて持ってゆかれたり。何年も勤めているのに、IDがないと受付で「あなたを覚えていない」と言われたり。でもまぁ、裏を返せば、ガラッガラの電車でそんなつまらないこと言ってくる男には関わりたくないから、きっと私でも黙って代わるし、いっぱしの会社でIDがないと入れないのは当たり前だし、ごくごく普通のことかもしれません。

そしてある日、サイモンの会社に彼にうり二つなジェームズが入社してくるのです。こんなにうり二つなのに、周りの人はな~んにも気づかない。そんなアホな!ここでウケるのは私だけでしょうか。そして、彼は多弁で明るく社交的。何事にも積極的であっという間に会社の人気者に。サイモンくん、こう見えて仕事もできる男だったのですが、その成果すらジェームズに横取りされてしまいます。これは何者なのか。なんで誰も気づかないのか。好意を寄せていたコピー係のミアまで寝取られ、唖然。いや、つきあっていたわけではないから寝取られたって表現は不適切かもしれません。

ともかく、サイモンは、なにもかもが正反対のジェームズに人生を浸食されてゆくのです。この作品はドッペルゲンガー?二重人格?いろいろ見方はあると思うのですが、私は「本当にこんなことがあったらどうしよう」と思って見ていました。だって、よく似た人間っていそうだし、そもそも人生なんて損と失敗の連続だし(笑)。私は俄然サイモン側だと思うのです。

まぁそうは言っても、事件は起きます。時代設定も場所も不明な映画ですが、血なまぐさいことが起きるは起きるのです。でも、結局なんだったのかは説明なし。昭和歌謡が鳴り響くばかりです。個人的には、この作品と近い時期に「マジカルガール」を見たので、「日本の古い歌って、はやってる?」と思いました。

とにかく不条理劇です。意志ある方はチャレンジを!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする