田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(L'Incroyable histoire du Facteur Cheval)

2020年02月28日 15時35分35秒 | 日記

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 フランスに実在する建築物で、ひとりの郵便配達員の男が33年もの歳月をかけ、たった1人で完成させた手作りの宮殿「シュバルの理想宮」の実話を映画化したヒューマンドラマ。フランス南東部の自然豊かな田舎町。寡黙で空想好きの郵便配達員シュバルは、変わった形の石につまずいたことをきっかけに、愛娘アリスのために「おとぎの国の宮殿」を建てることを思いつく。さまざまな苦境に直面し、周囲の人々にバカにされながらも、来る日も来る日もたった1人で石を運んでは積み上げ続けるシュバル。そんな彼に、過酷な運命が容赦なく襲いかかる。「グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子」の監督ニルス・タベルニエと主演ジャック・ガンブランが再タッグを組み、「ゲンズブールと女たち」のレティシア・カスタが主人公の妻役を演じる。ほぼ全編を通し、現存する理想宮で撮影を敢行した。「フランス映画祭2019横浜」(19年6月20~23日)では、「アイディアル・パレス シュヴァルの理想宮(仮題)」のタイトルで上映。(映画.comより)

 

 

 

 この作品は、「家族を想うとき」と続きで同じ劇場で見れたのでチョイスしました。加えてジャック・カンブランが好きだったのです。若い頃に「クリクリのいた夏」とか「ペダル・ドゥース」とか見てましたし。すっかり歳を取りましたけどね(自分もね)。

 元々この郵便局員は変人だったのです。真面目に仕事はしますが社交性に乏しく、自分さえ納得していれば”変”と思われるようなことも意に介さない、というか、そんなことに気づかないタイプなんだと思います。黙々と一人でできる郵便配達員は、ピッタリなお仕事だったでしょう。閉鎖的な村で変人扱いされるも、彼をかばう上司が印象的でした。私も、真面目に仕事をこなし、誰に迷惑をかけるでもなく質素に暮らしているのだからいいじゃないの、と思っていた一人です。そんな彼は妻が亡くなった時、「一人で面倒をみれないだろう」ということで、息子を親戚に預けることになり別れ別れになってしまいます。「そんなことはない」とかなんとか言いたかっただろうに、上手く言葉が出て来ず何も言えずに見送ってしまうシュバル。

 一人になってしまったシュバルは黙々と働きます。時には雄大な景色に意識を持って行かれたりしながら。このフランスの片田舎が素敵でしたね。こんなところで毎日歩いて仕事をこなせたなら、癒されるのかもしれません。やがて未亡人と知り合い、結婚し娘が生まれます。こんなシュバルの日々が淡々と描かれます。相変わらず質素極まりない生活ですが、ある時から娘のために石を積んで城を建て始めます。素人ながら(映画では独学で勉強している様子は描かれませんが、勉強したんでしょうね)、毎日黙ってコツコツ続けるのが得意なシュバルは、どんどん形のあるものを仕上げてゆきます。

 少し変わっているとはいえ、こんなに真面目に生きてるシュバルはしかし、大きくなった息子が訪ねて来てくれる、そして息子は成功している、などいいこともあるのですが、自分の周りの人間がどんどん先立ってしまうなど、受難の日々です。でも、他に表現の方法も知らないシュバルは、黙って城を作り続けます。そして映画も、決して大仰な音楽を付けたりせず、ただ淡々とシュバルの人生をなぞってゆきます。内容は結構びっくりするようなこともあるのに、あまりに映画が淡々としてるので、「いいんかな」とも思いましたが(笑)、それがシュバルの人生であり、監督のこだわりでもあったのでしょうね。

 決しておもしろいたぐいの映画ではないと思いますが、こんなにすごい「石の城」が本当にあるなんて驚きです。近くを通ることがあれば(笑)是非寄ってみたいです。

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家族を想うとき(Sorry We Missed You)

2020年02月23日 16時10分26秒 | 日記

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 「麦の穂をゆらす風」「わたしは、ダニエル・ブレイク」と2度にわたり、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督作品。現代が抱えるさまざまな労働問題に直面しながら、力強く生きるある家族の姿が描かれる。イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家。フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキーは、過酷な現場で時間に追われながらも念願であるマイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いている。そんな夫をサポートする妻のアビーもまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いていた。家族の幸せのためを思っての仕事が、いつしか家族が一緒に顔を合わせる時間を奪い、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンは寂しさを募らせてゆく。そんな中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(映画.comより)

 

 

 

 

 ある、こういうこと、ある。なにかの拍子に(それは自分のせいではなくても)仕事を失う、あるいは変わらざるを得なくなり、何かが一つ崩れると他のものも音を立てて崩れてしまい、どんなに努力しても悪い方にしか転ばない。「一人親方」として宅配を始めた父親だって、真面目だし仕事もできる。介護の仕事をしている母親だって”どんな高齢者に対しても優しく”と、とても心掛けよく働いている。無理難題を言う高齢者だって、悪い人ではない。また、主人公たちの子供たち(息子と娘)も、勉強はできるしいい子たちなはず。でも、誰に悪気がなくても、物事は悪循環する。しかも一度この悪循環が始まると、もう戻らない。わかっているのに、もう自分の力では及ばないところまで来てしまっている・・・。

 本人の努力だけだともうどうにもならないところは「ビューティフル・ボーイ」のよう。また、宅配中に悪漢に襲われ、荷物を奪われ自分も負傷しているのに、労災が下りないどころか弁償まで被る羽目になるところは「JOKER」のよう。この理不尽さも「最初に”一人親方で始めてもらう”ということで了承したはず」となる。自分の怪我さえ治せない。「ビューティフル・ボーイ」の男の子は、まだ裕福なおうちの子だったけれど、どんな悪条件でも働かざるを得ない貧乏人の足元を見た社会構造、またそういう人々を最初に襲えばいいと思っている、同じように貧乏な悪漢たち。これらが厳然と存在する限り、この映画そして「JOKER」あるいは「パラサイト」のような世界はなくならないと思います。そうは言っても、これが民主主義、資本主義なんでしょうけど。「パラサイト」なんかに至っては、お金持ちの人々もとてもいい人でした。じゃ、なんでこうなるんでしょうね。

 そして、いつもいつも重い主題で社会派映画を作り続けるケン・ローチ監督に問いたい。それで、社会は少し変わりましたか?良くなりましたか、住みやすくなりましたか。どれだけ作っても、どんどんお金が跋扈するような世の中になっているのなら、こんなつらい映画を作り続ける意味はあるのでしょうか。もちろん、自分がそう思うのであれば見なければいいだけのことなんでしょうが、私も何とかして子供たちが夢を持てる、大きな夢でなくても安心して大きくなれる、そんな世の中になってほしいと切に思っているのです。いろいろ屁理屈言ってすみません。

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第三夫人と髪飾り(The Third Wife)

2020年02月22日 19時06分18秒 | 日記

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 北ベトナムの富豪のもとへ嫁いできた14歳の第三夫人を主人公に、彼女を取り巻く愛憎や悲哀、希望を、美しく官能的につづったドラマ。ベトナムの新鋭アッシュ・メイフェア監督が自身の曾祖母の実話をもとに描き、世界各地の映画祭で数々の賞を受賞した。19世紀の北ベトナム。14歳の少女メイは、絹の里を治める大地主の3番目の妻として嫁いでくる。一族が暮らす大邸宅には、唯一の息子を産んだ穏やかな第一夫人と、3人の娘を持つ魅惑的な第二夫人がいた。まだ無邪気だったメイは、この家では世継ぎとなる男の子を産んでこそ“奥様”になれることを知る。やがてメイも妊娠し、出産に向けて季節が流れていく中、第一夫人も妊娠していることが判明する。同じ頃、メイは第一夫人の息子ソンと第二夫人のある秘密を知る。出演は「青いパパイヤの香り」のトラン・ヌー・イェン・ケー、「クジラの島の忘れもの」のグエン・ニュー・クイン。(映画.comより)

 

 

 

 少し前のベトナム。まだ一夫多妻制度だったころの年若い第三夫人を主人公にしたお話。土地の富豪に嫁いできた14歳の少女が経験することの数々。私は「紅夢」をちょっと想起しました(古い)。でも、夫人たちは、夫の愛情を奪い合うのではなく、うまく共存し、忙しい日々を協力して過ごしています。この映画を女性ながら楽しんで見れるのは、ひとえに皆が優しいから。若妻は年上の夫人たちを尊敬し、また大人な年上の夫人たちは新妻に優しく接します。富豪の夫も、富豪なりの重責もあり大変そうだし、女性に手を挙げるようなこともなく、恋愛禁止な使用人たちが恋愛したときも、心底怒ってる感じではなく、ただ世間の目があるから罰しているような感じです。たぶん、人々は、今では考えられないような制度でも、その時はそうであったのだから、ただ順応しているだけなのです。きっと、今の私たちでも、後世から見れば「よくがまんできるね」なんてことを「そんなものだ」と感じて過ごしているのでしょうね。

 男の子を産まないと「奥様」と呼ばれないような世界で、3人産んでも女の子ばかりだった第二夫人は、男の子を望みながらも人に言えないような秘密を持っています。また、第一夫人とて男の子をたった一人産んだだけでそれきりなのです。そして長男として生まれたその男の子は、まだまだ10代だというのに、跡取りの重責を担い、しかるべき少女との結婚を強要されます。その少女とて、幼いのに家名を背負い、恥とならないよう厳しく教育されて嫁に入るのです。ある理由から、応じることができなかった長男と、恥をかいてしまった少女は最悪の結末を迎えてしまいます。なんと悲しい。誰一人、悪人なんかいないのに、家父長制度のせいでこれほど悲しいことが起きてしまうなんて、理不尽すぎます。それほど見栄や体面が大事でしょうか。もちろん、今のように個人主義が跋扈しているほうが幸せかどうかはわかりません。それでもこんなこと、許されるはずはないと思いました。

 風景と音、自然光のみ用いたとされる光の具合など、背景の美しさは溜め息ものです。ここは桃源郷か。しっとりとした雰囲気、ゆったりと時間が流れます。現地ベトナムでロケをしたということなので、現存する風景なのでしょうね。こんな美しい場所、一度訪ねてみたいです。観光地ではないでしょうが(笑)。

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ルパン三世 THE FIRST

2020年02月18日 08時30分54秒 | 日記

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 モンキー・パンチ原作による国民的アニメ「ルパン三世」を初めて3DCGアニメーション化して描いた劇場版。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなどVFXを駆使したヒット作を数々生み出し、「STAND BY ME ドラえもん」「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」など3DCGアニメも多数手がけてきた山崎貴が監督・脚本を担当し、ルパン一世が唯一盗むことに失敗したという伝説のお宝「ブレッソンダイアリー」に挑むルパン一味の活躍を描く。20世紀最高の考古学者ブレッソンが遺した最大の謎・ブレッソンダイアリー。その謎を解き明かした者は莫大な富を手に入れることができるとされ、第2次世界大戦時にはナチスもその行方を追い求めたという。ルパンの祖父であるルパン一世でさえ盗み出すことに失敗した、史上最高難度の秘宝を手に入れるべく奔走するルパンたちだったが……。(映画.comより)

 

 

 いつまでたっても映画化される「ルパン三世」。すごいですねぇ。手を変え品を変え、何年かに一度必ず映画化されてませんか。実写版も含め。老若男女問わず一定のファンがいるって、すごいです。

 さて、今回は3DCGアニメーションということで、非常に美しい画になってます。不変の主人公たちはいつもの個性ながら、オールドファンとしては次元の口数がやや多いことに驚きました。あと、女の子ですね、声は広瀬すず。噂にたがわず下手くそ(笑)。取ってつけたみたいな口調です。でもね、それが不思議に初々しいのです。年端のいかない女の子の不安さや不慣れさを体現していて、確かにうまくないんだけれど、これはこれでアリだと思いました。

 話はいつものルパンワールド。高価なものを盗み出すだの、銭形のとっつぁんがどこまでも追いかけてくるだの、いけ好かない教授が出てくるだの、予想を裏切るものではないのですが、一つ「血筋」が大きなポイントを占めていると思いました。私はこの後「スターウォーズ」最新作も見ることになるのですが、そこでも「血筋」がことさらに強調され、「最近のはやりなのかなぁ」と思ってしまいました。個人的には、才能が遺伝することはそれほどないと思っています。もちろん、受け継いで生まれてくる人もいますが、血筋がいいからといって、親又は祖先と同じような才能を持っているとは限らないと思うのです。

 この映画の主なポスターになっているルパンの格好(1枚目のポスター)は、ある場所であるものを見つけたルパンが悦に入っているシーンです。男のロマンですね~~。これがあるからいつまでも人気を失わないんですね、きっと。歳を取らない不二子さんもうらやましすぎる(笑)。是非次はこんな女性に生まれ変わりたい。いやもちろん、ルパンにもなってみたいですけどね。

 ともかく、どの人もカッコイイ。これぞ娯楽の映画。楽しめました。

 

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ゾンビランド ダブルタップ(Zombieland: Double Tap)

2020年02月15日 15時23分19秒 | 日記

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 ゾンビが蔓延した世界を舞台に、自ら編み出した「生き残るための32のルール」を実践する引きこもりの青年を描いた人気ゾンビコメディ「ゾンビランド」の10年ぶりとなる続編。爆発的なウィルス感染によって地球上の人類がゾンビと化したなか、コロンバス、タラハシー、ウィチタ、リトルロックの4人は、コロンバスが作り上げたルールに従い、10年にわたってゾンビ社会を生き抜いていた。そして2019年、地球上のゾンビたちが、パワーもスピードもレベルアップした新種へと進化。そのほかの生存者を仲間に加えたコロンバスたちは、ルールさえ守れば何でもありな状態で、ゾンビたちをなぎ倒していくが……。コロンバス役のジェシー・アイゼンバーグを筆頭に、ウッディ・ハレルソン、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリンという、前作以降にそれぞれ大きくブレイクを果たしたメインキャスト4人が再結集。監督も大ヒット作「ヴェノム」を手がけたルーベン・フライシャーが、再びメガホンをとった。(映画.comより)

 

 

 

 ご機嫌な続編。でも前作でお話、完結してなかったっけ?ゾンビものなんて、作ろうと思えばいくらでも話は作れるから、ヒットしたからって安易に続編を作っちゃうと、既視感のある映画になってしまいます。で、役者さんたちはもちろん素晴らしかったし、お話もよく考えられてあるとは思うんだけど、まぁ普通の映画だったかなって感じです。B級感バリバリだし、ロザリオ・ドーソンなんかが出てるものだから、タランティーノの映画みたいになっちゃってるけど、個人的には「マッドマックス」の世界かな、と思いました。

 4枚目のポスターみたいなラブリーな女の子が出て来たり、似非インド人の青年がそれらしいことを言ったり、まさかのルーク・ウィルソンが出て来たり、ウケるポイントは満載。頭を空っぽにして楽しめます。「マッドマックス」みたいな重さはなくて、どこまでもアホな展開だし、ウディ・ハレルソンも素晴らしい。疲れているけど映画が観たい、な~んていうときにピッタリだし、アビゲイルちゃんとエマさんもかわいい。お暇なときに、どうぞ。

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