古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。(公式サイトより)
<2022年6月26日 劇場鑑賞>
話題作が田舎にも来てたので、鑑賞。監督は是枝氏、韓国映画。主演ソン・ガンホ。韓国映画に独特の毒々しさが薄く、見やすい映画に仕上がってました。でも、どうなんでしょうね。私は、ソン・ガンホがいい人過ぎるのではないか、と思いました。少なくとも、闇で赤ちゃんを売買する男にしてはね。簡単に人に騙されたり利用されたりしそう。普通にクリーニング店(本業)で生きてゆくには問題ないだろうけど。まぁでも何か、返せないような借金を抱かえてるみたいだったから仕方がなかったのでしょうけれど。なかなか真面目に働いているだけでは、借金なんか返せないのは日本と同じ。世界中どこでも同じ。
若かりし頃見た「空気人形」なんかで可憐だったペ・ドゥナが、張り込みに精を出す警察の”班長”みたいな地位になってて、ちょっとショック。貫禄出ちゃって。見張りの車の中で、武骨に物を食べるシーンが多くて閉口しました。あの”食べるシーンの多さ”は、監督の趣向?
あと、韓国だからみんな整形してるのか知らないけれど、赤ちゃんを捨てに来た”事情のある母親”が美人過ぎて現実味がないと思いました。すごくかわいくて、道行く男はみな言うことを聞くのではないか、と思うほどの美貌。かわいすぎる。彼女がイ・ジウン。
赤ちゃんを売りさばくと言っても、変な客は一組くらい。後はいい人ばかり出て来るし、どの人もそれぞれ事情を抱えていて、でも懸命に生きていて、本当の悪人なんて出て来ない。そういう意味では、非常に見やすい映画です。安心して見れます。でもその分、私のようなヒネた人間は「現実はこんなものじゃないんだろうな」なんて余計に辛く思ったりもしました。勝手な想像ですけど。すみません。