田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ベイビー・ブローカー(Broker)

2022年06月30日 17時26分56秒 | 日記

Broker (Hirokazu Koreeda) - AsianWiki 是枝裕和初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』赤ちゃんポストを巡る物語、ソン・ガンホら出演 - ファッションプレス

Broker' Tops Korean Box Office on Opening Day - Variety

 

 古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。(公式サイトより)

 

 

<2022年6月26日 劇場鑑賞>

 話題作が田舎にも来てたので、鑑賞。監督は是枝氏、韓国映画。主演ソン・ガンホ。韓国映画に独特の毒々しさが薄く、見やすい映画に仕上がってました。でも、どうなんでしょうね。私は、ソン・ガンホがいい人過ぎるのではないか、と思いました。少なくとも、闇で赤ちゃんを売買する男にしてはね。簡単に人に騙されたり利用されたりしそう。普通にクリーニング店(本業)で生きてゆくには問題ないだろうけど。まぁでも何か、返せないような借金を抱かえてるみたいだったから仕方がなかったのでしょうけれど。なかなか真面目に働いているだけでは、借金なんか返せないのは日本と同じ。世界中どこでも同じ。

 若かりし頃見た「空気人形」なんかで可憐だったペ・ドゥナが、張り込みに精を出す警察の”班長”みたいな地位になってて、ちょっとショック。貫禄出ちゃって。見張りの車の中で、武骨に物を食べるシーンが多くて閉口しました。あの”食べるシーンの多さ”は、監督の趣向?

 あと、韓国だからみんな整形してるのか知らないけれど、赤ちゃんを捨てに来た”事情のある母親”が美人過ぎて現実味がないと思いました。すごくかわいくて、道行く男はみな言うことを聞くのではないか、と思うほどの美貌。かわいすぎる。彼女がイ・ジウン。

 赤ちゃんを売りさばくと言っても、変な客は一組くらい。後はいい人ばかり出て来るし、どの人もそれぞれ事情を抱えていて、でも懸命に生きていて、本当の悪人なんて出て来ない。そういう意味では、非常に見やすい映画です。安心して見れます。でもその分、私のようなヒネた人間は「現実はこんなものじゃないんだろうな」なんて余計に辛く思ったりもしました。勝手な想像ですけど。すみません。

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ザ・ロストシティ(The Lost City)

2022年06月29日 14時19分07秒 | 日記

映画『ザ・ロストシティ』ネタバレ感想と評価 スターたちを集結させた点のみを称賛しよう

映画『ザ・ロストシティ』は王道の冒険ロマコメでありながら、旧いジェンダー観を華麗に一新! | GQ JAPAN

Film Review: THE LOST CITY (2022): Sandra Bullock and Channing Tatum Steam  Up the Jungle in a Fun Adventure Picture | FilmBook

 サンドラ・ブロックが主演とプロデュースを手がけ、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ブラッド・ピットら豪華キャストが集結したアクションアドベンチャー。恋愛小説家のロレッタは、新作であるロマンティックな冒険小説の宣伝ツアーに強引に駆り出される。作品の主人公を演じるセクシーなモデル、アランの軽薄な態度にいら立ちを募らせるロレッタの前に、謎の大富豪フェアファックスが出現。フェアファックスはロレッタの小説を読んで彼女が伝説の古代都市の場所を知っていると確信し、彼女を南の島へと連れ去ってしまう。ロレッタを救うべく島へ向かったアランは彼女を発見し、ともに脱出を目指すが、大自然の過酷な環境の中で思わぬトラブルに次々と見舞われる。(映画.comより)

 

 

<2022年6月26日 劇場鑑賞>

 サンドラ姐さん、頑張ってますねぇ。おもしろかったです。冒頭、チャラい表紙モデルのチャニング・テイタムが、金髪ウィッグで踊りながら出てきた時は爆笑しました。おかしすぎる。姐さんも売れっ子作家なのに、なにゆえキラキラ紫のつなぎ衣装?広報も何考えてんだか(笑)。

 しかしながら、爆笑ポイントはそれくらいで、後は案外真面目に話が展開するのです。リッチなアホ青年役にこれ以上ハマらないほどのダニエル・ラドクリフ。彼が、半端な知識で古代文明に挑もうとするから話はややこしいんですね。財宝は欲しい。でも、自分では解明できないから、古代が舞台の娯楽小説を書いている姐さんに照準を合わせたのです。その出来から、知識が半端ないと感じたからです。実際、そうで、実は彼女は、古代言語の学者だった夫と共に(存在したはずの)ロストシティについて研究していたのでした。志半ばで夫が亡くなり、やる気をなくしたままその知識を生かした小説を書いていたわけですね。そういう意味では、あながちラドクリフの予感は当たっていないこともないわけですが、しかしお金に物を言わせた強引なやり方は、やがてお金でしか雇われていない傭兵たちの反感を買うことになり、失敗してゆくわけです。

 個人的には、もう少し突き抜けた”アホ映画”でもよかったんじゃないか、と思いました。お話も、そんな、ありそうな設定でなくてもよかったんじゃないかと。せっかく天下のブラピが”ハンサムすぎる瞑想家”みたいな、わけのわからない役を大真面目に演じているのだから、とことん笑わせてくれる展開でもよかったかも。

 ちなみに、私は彼ら(ブラピやサンドラ姐さん)と同年代だから充分楽しめましたが、若い世代に言わせると「設定が年輩過ぎて不自然」な感じがしたのだそうです。なるほどそんなものなのか、と思いました。でも、姐さん、やっぱりいつまでもきれいだなぁと思いました。

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ヴィクトリア女王 最期の秘密(Victoria and Abdul)

2022年06月24日 16時23分03秒 | 日記

Victoria and Abdul movie poster #1534525 - MoviePosters2.com 

VICTORIA & ABDUL - Official Trailer [HD] - In Theaters 9/22 - YouTube

Victoria & Abdul (2017) - IMDb

 「あなたを抱きしめる日まで」のジュディ・デンチとスティーブン・フリアーズ監督が再びタッグを組み、英国女王とインド人使者の交流を描いたドラマ。1887年、ビクトリア女王の在位50周年記念式典。記念硬貨の贈呈役に選ばれたアブドゥルは、英領インドからイギリスへとやってくる。最愛の夫と従僕を亡くした孤独から心を閉ざした女王ビクトリアは、王室のしきたりなどにも臆することなく、まっすぐな笑顔を向けるアブドゥルに心を開き、2人の間には身分や年齢なども超越した深い絆が芽生えていく。そんな女王とアブドゥルをこころよく思わない周囲の人びとが2人を引き離そうと動き出し、やがて英国王室を揺るがす大騒動へと発展してしまう。デンチが1997年の「Queen Victoria 至上の恋」に続き、2度目のビクトリア女王役を演じ、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネート。「きっと、うまくいく」のアリ・ファザルがアブドゥル役を演じる。(映画.comより)

 

 

<2021年4月8日 録画鑑賞>

 短い映画で見やすかったです。しかし、ジュディ・デンチが同じくヴィクトリア女王を演じた「Queen Victoria 至上の恋」がもう20年も前になるなんて!感慨深いです。

 今回は、はるばるインドから記念硬貨を参上するためにやって来た、若きインド人アヴドゥルとの交流が描かれます。アヴドゥルは下僕の身分ですが、見栄えのする好青年で、若さゆえか怖いもの知らず。相手が女王だろうと何だろうと、臆せず接する態度が女王のお気に召します。女王も、あまりに早くに夫を亡くし、大きな責任を一人で背負って立ち、何もかも一人でこなさなければならない・・・想像を絶する苦労だったのでしょうね。たとえ女王として生まれついていたとしても。

 映画がどこまで史実なのかよくわかりませんが、寂しさゆえか、女王もちょっとやり過ぎ(重用しすぎ)な面はあるかな、とも思いました。また、知的で達観しすぎなアヴドゥル、少し”西洋人が抱く東洋の神秘”みたいになっちゃってるかな、という気もしました。それでも、深く信じる信仰(今回はイスラム教)がある人は、奥が深くて達観してるんだなぁと思いました。若いのに。私は彼よりずっと年輩ですが、そんなに人のために生きられません(笑)。偉いんですね。

 あと、マンゴーがインドから来てるって、初めて知りました。そういえば、近所のインド料理店にもマンゴーのお菓子があるなぁって、思い出しました。女王も、初めて食すマンゴーに興奮していましたね。日本ではあんまり出回ってないけど、味が少し違ったりするのかな。いろんな意味で楽しめた映画でした。

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ナワリヌイ(Navalny)

2022年06月22日 14時25分40秒 | 日記

Kremlin critic Alexei Navalny wins 2021 Sakharov Prize | News | DW | 20.10. 2021

Jailed Russian opposition leader Navalny wins top EU prize | The Asahi  Shimbun: Breaking News, Japan News and Analysis

Kremlin foe Navalny says he will fly home despite threats | Taiwan News |  2021-01-13 17:21:29

 

 ロシア反体制派のカリスマ、アレクセイ・ナワリヌイを追ったドキュメンタリー。プーチン政権への批判で国内外から注目を集め、若年層を中心とする反体制派から支持を集める政治活動家ナワリヌイ。政権にとって最大の敵と見なされた彼は不当な逮捕を繰り返され、巨大な力に追い詰められていく。そして2020年8月、ナワリヌイは移動中の飛行機内で何者かに毒物を盛られ、昏睡状態に陥る。ベルリンの病院に避難し奇跡的に一命を取り留めた彼は、自ら調査チームを結成して真相究明に乗り出す。「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」のダニエル・ロアーが監督を務め、暗殺未遂事件直後からナワリヌイや家族、調査チームに密着。事件の裏に潜む勢力を驚きの手法で暴いていくナワリヌイの姿を捉え、ロシア政府の暗部に切り込んでいく。サンダンス映画祭2022でシークレット作品として上映され、観客賞とフェスティバル・フェイバリット賞をダブル受賞した。(映画.comより)

 

 

<2022年6月12日 劇場鑑賞>

 日本に住む”普通のおばさん”にとっては、ロシアで政治批判したがために毒を盛られた人って、何度か聞くような気がして、誰が誰だったか区別できなかったりします。実際にニュースを見ている最中に、中年女性がいきなり注射打たれているのを見たこともあるし(これは本当にびっくりした)、そして今はウクライナに急に侵攻してるし、もうロシアに関しては、何を聞いても驚かないほどになってしまっている自分。でも、やっぱり社会派の映画が好きです。ということで、行って来ました。

 ナワリヌイさんは「ハンサムで頭の切れる弁護士」、そんな位置づけだったことをこの映画で知りました。確かによく見るとハンサムだ。奥さんも美人だった。きっとジョージ・クルーニーのワイフみたいに社会派の弁護士さんなんだろうね。でも素人の目には、あんな国で、いくら主張が正しいとはいえ、あれだけの群衆のまえで堂々と反政府の弁論をふるったら、当局に目を付けられるのは当たり前ですよね。怖くないのかな、と思ってました。もちろん、本人も「超有名人になってしまえば、いくら当局と言えども、度の過ぎたことはできないだろうと思っていた私が、間違っていた」と述べてましたが、やはりそれだけ”常識”が通用しない相手だったということですね。ビビりの私は、きっと集会にも行けないでしょう(笑)。

 そして盛られるノビチョク。またもやノビチョク!ナワリヌイ本人も「冗談だろ?今、この時代にノビチョク?よしてくれよ」と言ってました。「殺したければ銃で撃てばいいんだ」とも。そうですよね、これはプーチンも言ってました。「我々は関係ない。本当に殺そうと思えば銃で撃つ」と。でも、政治活動家がノビチョクを盛られたのだから、犯人はプーチンしかない、とも関係者は述べてました。

 でも、まだ若くて体力のあったナワリヌイさんは、回復します。飛行機のスタッフは(多分)何も知らないから、乗客が急に苦しみだしたことに本当に驚き(当時の彼の、苦しみもだえる叫び声が再生されてました。録音が残っているそうです)、緊急着陸。現地の救急隊が手を尽くしたおかげです。後に、これに関わった科学者(研究者)が「もう少し救助が遅かったなら、我々は(暗殺に)成功していただろう」と述べる場面があります。もちろん、(騙されたとはいえ)こんなこと言っちゃった男は、後に消息不明になるわけですが。

 後にドイツに輸送され、治療を受けることになるのですが、そのドイツで「ノビチョク」であることが確定されたわけです。無事退院した彼は、一流のハッカーや志の高いスタッフと共に、自分を陥れた事件を解明してゆくのです。その過程で、例の研究者がうっかり真実を語ってしまうのですね。

 しかし、「真実はいつもひとつ」でありながらも、その真実がわかったとて、権力者がやっぱり強い。モスクワに帰ってくることを命じられ、帰国しない場合は収監すると言われ、「そこまで言うなら帰るさ」とモスクワに帰ったところを即時拘束されてしまうのです。彼は今でも刑務所です。実に怖い国だと思うとともに、案外民主的な先進国でも似たようなことが行われていたりして・・・とも考えてしまったりする自分。情報を出さないようにされていたら、普通の国民にはわからないですものね。それで「日本は平和だ」と勘違いしているかもしれません。ごく若い頃に、株の”飛ばし”をさせていたことが明らかになった(大物でない)国会議員が急に自殺した、とか、「えっ」と思うようなこと、本当にありましたしね。職場と家庭と映画館しか行き来しないおばさんなんて、なんにも知らないだけかもしれません。そんなことも考えてしまった映画でした。

 世の中って、どれだけ間違っていても、結局力のあるものが勝ってしまったりすると思うから、ウクライナ侵攻も、結局ロシアの思うようになるのかも、と思っている今日この頃です。中国も、結局は自分の思うようにしてしまうんじゃないかな。日本なんか、ひとたまりもないんだろうな、とか考えたりします。そうやって諦めるからダメなんだろうけれど。話、それてすみません。あ、そうそう。プーチンの例の”宮殿”を暴露したのもナワリヌイさんです。すごいですね。

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ハッチング 孵化(Pahanhautoja)

2022年06月21日 14時39分57秒 | 日記

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 長女が見つけた謎の卵の孵化をきっかけに起こる恐ろしい事件により、家族の真の姿が浮き彫りになっていく様を描いたフィンランド製ホラー。北欧フィンランドで家族と暮らす12歳の少女ティンヤ。完璧で幸せな家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすため、すべてを我慢し自分を抑えるようになった彼女は、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。ティンヤが家族には内緒で、自分のベッドで温め続けた卵は、やがて大きくなり、遂には孵化する。卵から生まれた「それ」は、幸福に見える家族の仮面を剥ぎ取っていく。監督は世界の映画祭で短編作品が高い評価を受け、今回が長編デビューとなる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。(映画.comより)

 

 

<2022年6月19日 劇場鑑賞>

 こ、怖すぎる。予告編を見て、”理想の家族像”を発信することに命を懸けている美しい母親、とか、母親のために体操の大会優勝を目指すかわいい娘、とか、存在感の薄い父親、とかそういった”脆いもの”が一気に崩れる感じかな、いくら従順と言ってもやっぱり少女も自我に目覚めてゆく展開かな、くらいに思っていたのですが、なんのなんの。かなり怖いお話でした。

 まさかあんなにリアルな(?)クリーチャーが出て来るとは思わなかったし、それがあんな風に進化するなんて想像もしていなかった。怖かったけれど、素晴らしい発想だと思いました。何を書いてもネタバレになってしまうけれど、しかしなぁ。どこまでが現実・・・。つい理系な私は、理論で説明できないことは理解しづらく、感性で理解するほどの芸術性もないので、なんとなく腑に落ちない部分もあるのですが、なんといっても北欧発の映画ですから、「私たちの祖先はアザラシだった」というふうなことを「そっか」と理屈抜きで納得できる感性が必要なのかもしれません。

 しかしなぁ・・・自分が年輩なだけなのかもしれないけれど、SNSで理想の家族像(ひいては人生像)をみんなにひけらかして、そんなことが楽しいのかな。そんなものを真に受けて見ている人がどれだけいるのかな。本気で羨ましいと思っている人なんて、どれだけいるのかな。不思議な世界だねぇ。私には理解できません。まぁ本人が楽しければそれでいいのでしょうけど。逆に、SNSにあげなくても、子供に自分の理想をかなえさせようと必死こいている親は一定数いるだろうしね。そうは言いながら、自分だって子供にはどういう親に映っているのか、自信はないんですけど。

 ”理想の家族”のおうちは、とってもきれいでかわいかったです。あんなおうちに住めたら楽しいでしょうね。手入れが大変でしょうけど(笑)。

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