田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

悪なき殺人(Seules les betes)

2021年12月31日 07時42分05秒 | 日記

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 「ハリー、見知らぬ友人」のドミニク・モル監督が、ある失踪事件を軸に思いもよらない形でつながっていく5人の男女の物語を描き、2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞と観客賞を受賞したサスペンス(映画祭上映時タイトルは「動物だけが知っている」)。吹雪の夜、フランスの山間の町で女性が失踪し、殺害された。事件の犯人として疑われた農夫のジョセフ、彼と不倫関係にあったアリス、そして彼女の夫ミシェルなど、それぞれに秘密を抱えた5人の男女の関係が、失踪事件を軸にひも解かれていく。そして彼らが、フランスとアフリカのコートジボワールをつなぐ壮大なミステリーに絡んでいた事実が明らかになっていく。「イングロリアス・バスターズ」のドゥニ・メノーシェが主人公となるミシェル役を演じ、東京国際映画祭で女優賞を受賞したナディア・テレスツィエンキービッツは、ミシェルと思いがけないタイミングでかかわることになるマリオン役を演じている。(映画.comより)

 

 

 

<2021年12月25日 劇場鑑賞>

 いくつもの話が並行して描かれます。観客である我々も、最初は何が何だかわからないのですが、これらの話がラストに向けて収束してゆくのです。ですから、わからなくてもできる限り詳細を覚えていった方が理解しやすいと思います。

 映画の最初はアフリカ、コートジボワール。ある黒人青年が貢物のヤギを背負って”尊師”に会いに行く場面から始まります。ここで「あれ?今日の映画はどこの国の映画だったかな?なにか間違ったかな」と不安に襲われますが、これはフランス映画です。すぐに場面は切り替わって、話がどんどん展開するので、ついこの冒頭の場面を忘れて見入ってしまいます。

 そして、フランスの片田舎。母親を亡くし、犬と一人で生活する孤独な男性ジョゼフをケースワーカー(生活支援員?)のアリスが訪ねます。彼は、母親の死を届けずに遺体をしばらく保管していたようで、ケースワーカーの女性に定期的に訪問を受けているわけです。でも、親切すぎる女性は、なんとジョゼフと性的関係を持っているのです。冒頭から驚きますねぇ。で、この女性にも家庭はあって、夫ミシェルは酪農家です。経営もなかなか苦しいようで、いつも経理でパソコンを触っていて、「牛舎の修理に共同口座から少しお金を融通したよ」などと話しかけます。アリスも特に怒る様子もなく「わかった」と言って了承しますし、夫が忙しい時は食事をパソコンのところまで運んで来ます。特に悪妻なわけでもなさそうです。でも、ミシェルは、ジョゼフとの関係を疑っています。

 次は南仏。カフェで働く若い女性マリオンは、20歳以上年上の裕福な女性エヴリーヌに誘われ、関係を持ちます。でも、彼女は夫がいて、仕事が終われば帰ってしまいます。若いマリオンが一方的にのめり込み、エヴリーヌの後を追ってしまいます。でも、彼女はちょっと迷惑そう。

 この6人、つまりコートジボワールの青年(正確には冒頭に映った羊を背負った青年ではなくて、仲間)、アリス、ミシェル、ジョゼフ、マリオン、そしてエヴリーヌ。彼らが複雑に入り組んで絡み合う展開となるのです。最初は本当になにがなんだかわからないのですが、ピースがだんだんはまっていく過程は秀逸でしたね。実際は、これだけの偶然って、当人たちにはわからないから認識できない。案外、自分の周りでも、長い人生、そんなことが繰り返されて来たのかもしれませんね。わからないですけど。

 

 

<ここからネタバレ>

 コートジボワールの青年は、若い美人になりすまし、中年男性をターゲットに、甘い言葉と男が喜ぶツボを心得た誘いで相手を騙し、お金を巻き上げています。それにあたっては、自分の動画や写真をYouTubeなどにアップしていた女性のものを使います。これが偶然マリオンだったのです。マリオンもいろんなことをしていたのですね。ちょっと卑猥な動画なんかアップしちゃって。彼女とやり取りするうち、すっかり打ち解けてしまったミシェル(お金はすでにかなり貢いでいる)ですが、ある時コートジボワールの警察の一斉検挙が入り、青年は逮捕されてしまいます。

 片や、そんなことが起きているとは露も知らないマリオンですが、エヴリーヌを追ってやってきた街が、ミシェルたちがいる街の近所だったわけです。ヒッチハイクするマリオンを見て、”自分に会いに来てくれたんだ”と固く信じるミシェル。そのときは妻が助手席に乗ってたので停まれませんでしたが。

 とうとうマリオンの居場所を突き止めたミシェル。しかし、「僕だ。ミシェルだ」と言っても気持ち悪がられ、蹴り出されるだけ。何が何だかわからないミシェル。あんなに親しくやり取りしたのに。そのうち、女性のエヴリーヌと言い争っているのを目撃。彼女がお金に困っているの、脅されているの、と言ってたのは、さてはこいつか!と思ったミシェルは、エヴリーヌを殺してしまいます。そしてジョゼフの家の外に遺棄。

 遺体を見つけたジョゼフは、なぜか遺体を慈しみ、隠してしまいます。話がややこしいですね。吠えまくる愛犬を殺してまでも。犬が殺されているのを発見したアリス。当然ですが怪しみます。それでなくても、エヴリーヌという女性が行方不明になったというニュースが駆け巡っているというのに。

 コートジボワールでは、お金を得た青年が元カノとよりを戻そうとしますが、彼女は、今はフランス人実業家の愛人として家を与えられ、囲われています。いい人で、娘の面倒も見てくれると言います(ちなみに彼女が連れている娘の父親は、この青年)。そして、青年が逮捕・解放された頃は、「フランスへ行くの。彼の家に住むのよ」と言って、裕福そうな年輩男性に連れられて出発する彼女なのでした。

 警察から連絡を受け、詐欺にあったと知らされたものの、どうしても諦められないミシェルは、なんとコートジボワールまで青年を探しにやって来ます。探し回ってやっと見つけた青年を追いかけるミシェル。ミシェルは写真も送っていたので、青年もそれと認識し、逃げる、逃げる。さすがに俊足で、捕まえられません。でもその後、なぜかミシェルのパソコンに連絡が。「そこにいるの?」彼女です。アマンディーヌ(本当はマリオン)ですね。思わず笑みを浮かべるミシェル。「ああ、いるよ」。

 えぇっ!マリオンは関わっていないから本人のはずはない。今逃げた青年が連絡してきた?じゃ、ミシェルも本人じゃないとわかって、実は男だとわかって、笑みを浮かべた?それほど生きる糧となっていた、ということなのでしょうか。

 ジョゼフは、女性の遺体と共に、峡谷に投身自殺。そして、コートジボワールから来た女性が、年輩男性と共に着いたのは、エヴリーヌがいた家なのでした。

 この辺は、ジョゼフは孤独と癖(へき)から、母親と同じように遺体を慈しんだとされているようですが、私は、なんとなくエヴリーヌとジョゼフに接点があったのかもしれないな、と思ってました。描かれませんが、エヴリーヌは夫がいても若い女性と関係を持つくらい自由な人なのだから、ジョゼフと付き合いがあったのかもしれないって。また、エヴリーヌの夫は、ニュースのインタビューでも「自由をモットーにしていた関係でしたが、心配です」とか言ってたので、たぶん「どこかへ行ったのだろう」くらいに思っていたのかもしれませんね。峡谷なんかに投げ入れられると、見つからないかもですものね。

 しかし、すごい巡りあわせですね。実際にこれほどの偶然があるかどうかは別にして、上でも書いたけど、本人たちにはわからないから、案外起こっているかもです。個人的に一番怖かったのは、ミシェルがだんだんと若い女性にハマっていくところ。いい歳をしてこんな男はバカだと言ってしまえばそれまでですが、仕掛ける男があまりに上手いのと、「ありがとうね。お礼に動画を送っちゃうね」なんて言って、本当の動画を送られたりしたら、マジでわからないということです。バカだと一蹴できないリアルさが、本気で怖かったです。考えさせられましたね。

 印象に残った映画でした。

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マリッジ・ストーリー(Marriage Story)

2021年12月21日 16時34分29秒 | 日記

Marriage Story (2019) - IMDb

Marriage Story」のアイデア 22 件 | 映画, 映画 ポスター, スカーレット・ヨハンソン

The Netflix film posters & stills of " Marriage story" , T… | Flickr

 「イカとクジラ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを主演に迎えて描いたNetflixオリジナル映画。女優のニコールと夫で舞台演出家のチャーリーが結婚生活に葛藤を抱え、離婚に向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。結婚生活がうまくいかなくなり、円満な協議離婚を望んでいた2人だったが、それまで溜め込んでいた積年の怒りがあらわになり、弁護士をたてて争うことになってしまう。第92回アカデミー賞では作品賞のほか主演男優、主演女優、脚本など計6部門でノミネートされ、ニコールを助ける女性弁護士ノラを演じたローラ・ダーンが助演女優賞を受賞した。そのほかの共演にアラン・アルダ、レイ・リオッタら。Netflixで2019年12月6日から配信。日本では配信に先立つ11月29日から、一部劇場にて公開。(映画.comより)

 

 

 

<2020年8月24日 Netflix鑑賞>

 話題になってましたね。誰かがオスカーにノミネートされてた気がする(上に書いてますね、すみません)。都会でしか上映されてなかったので、Netflixでよかった。お話は、夫婦の感情の機敏がとてもよくわかってリアルだった。でも、お互い男と女だし、別の人間だから、これは避けては通れない道かな、とも思いました。みんな選ぶ道が、本当に離婚してしまうか、諦めるか、妥協するかだけの違いで。主人公の彼らはまだ若いから、なかなかにエネルギッシュな口論はすごいと思いました。若さならでは。ちょっと子供っぽいとは思ったけれど。

 私個人では「この人とはつらい思い出が多すぎる。無理に頼ったり甘えたりする必要はない。一人で立って、いい人がいたらいつでも恋しよう」と、最近思ったのを思い出しました。いや、あかんと思います。でも、あんまり一人の人に依存するより、恋してやるさ、と思っているほうが気が楽になりました。何がしんどいって、そこだと気づけて楽になったのでした。責められたら?「あなたとはつらい思い出が多すぎる」って、正直に言います。解決策になってないかぁ~~(笑)。

 そうそう、スカヨハの弁護士を務めたローラ・ダーンの存在感のすごさ!他の人、完全に負けてます。夫のほうの弁護士なんて「いたっけ?」って感じです(笑)。今回は本当に、彼女がピカイチでしたね。私も、是非彼女にお願いしたい。

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マトリックス レザレクションズ(The Matrix Resurrections)

2021年12月19日 16時03分07秒 | 日記

New posters for The Matrix Resurrections showcase Neo and Trinity

Jessica Henwick's Matrix Resurrections character Bugs explained

Matrix Resurrections' Clip on Laurence Fishburne's Absence

 1999年に公開され、革新的な映像技術とストーリーで社会現象を巻き起こしたSFアクションの金字塔「マトリックス」。2003年に公開された続編「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」で3部作完結となった同シリーズの新たな物語を描く、18年ぶりとなるシリーズ新章。主人公ネオを演じるキアヌ・リーブスが過去作と変わらず同役を担当するほか、トリニティー役のキャリー=アン・モス、ナイオビ役のジェイダ・ピンケット・スミス、メロビンジアン役のランベール・ウィルソン、エージェント・ジョンソン役のダニエル・バーンハードらが続投。ネオを救世主と信じ、世界の真実を伝え、彼を導くモーフィアス役を「アクアマン」のブラックマンタ役で知られるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ネオの宿敵エージェント・スミス役をドラマ「マインドハンター」のジョナサン・グロフが新たに演じ、ニール・パトリック・ハリス、クリスティーナ・リッチらが扮する新キャラクターも登場する。シリーズの生みの親であり、過去の3作品を監督しているラナ・ウォシャウスキーがメガホンをとった。(映画.comより)

 

 

 

<2021年12月19日 劇場鑑賞>

 今、なんで続編?と、思ってました。1999年当時、あまりに斬新な映像に、目を見張ったのを覚えています。こんな映像が作れるのかと、目の覚める思いでした。元々ハンサムなキアヌのことは好きでしたが、これで一躍”超有名人”となり、わずかに寂しさを覚えたのも確かでした。でも今思うと、頭の悪い私は映像に感嘆こそすれ、話の根本を理解していなかったのかもしれないな、と感じています。もちろん、上っ面は理解しています。自分が信じている世界が絶対ではないこと、デジャブはなぜ起こるのか、など。でも、何か、もっと根本的なもの。理屈で理解するのではなく、感性で理解する何か。それがすっぽり抜けているような気がします。というか、その能力はそもそもないのですが。

 あれからかなりの時が経ち、記憶も薄れ「あんまり覚えてないなぁ」と思いながらも、3作すべてを見直す時間も作れず、薄らいだ記憶のまま2時間半の新作にトライした結果、「似たようなシーンが延々続く、ネオとトリニティのラブストーリー」にしか見えなかったのでした。ファンの皆さん、ごめんなさい。私がアホなだけなのです。決して作品をけなしているわけではありません。

 キャリー・アン・モスは本当に「セクシーマム」でしたね。とっても素敵。どうやったらあんな風に歳を取れるのかと思うほど。キアヌも、実年齢は57歳になるというのに、どうしてあんなに若々しいのでしょう。この二人のキスシーンだって、ちっとも不自然じゃない。手をつなぐ姿も、とても自然。カッコいいなぁ。超常現象で私にも起こらないかしら(笑)。久しぶりにクリスティーナ・リッチを見れたのもラッキーでした。彼女、結構好きなんです。きれいになってましたね!

 話も理解してないのに、こんなこと書いてごめんだけど、続編ありそうな終わり方でしたね。今度は過去作見直してから行かなきゃです。

 

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タクシー運転手 約束は海を越えて(A Taxi Driver)

2021年12月18日 18時44分23秒 | 日記

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 1980年5月に韓国でおこり、多数の死傷者を出した光州事件を世界に伝えたドイツ人記者と、彼を事件の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話をベースに描き、韓国で1200万人を動員する大ヒットを記録したヒューマンドラマ。「義兄弟」「高地戦」のチャン・フン監督がメガホンをとり、主人公となるタクシー運転手マンソプ役を名優ソン・ガンホ、ドイツ人記者ピーター役を「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマンが演じた。1980年5月、民主化を求める大規模な学生・民衆デモが起こり、光州では市民を暴徒とみなした軍が厳戒態勢を敷いていた。「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」というドイツ人記者ピーターを乗せ、光州を目指すことになったソウルのタクシー運転手マンソプは、約束のタクシー代を受け取りたい一心で機転を利かせて検問を切り抜け、時間ギリギリにピーターを光州まで送り届けることに成功する。留守番をさせている11歳の娘が気になるため、危険な光州から早く立ち去りたいマンソプだったが、ピーターはデモに参加している大学生のジェシクや、現地のタクシー運転手ファンらの助けを借り、取材を続けていく。(映画.comより)

 

 

 

<2020年8月10日 録画鑑賞>

 すごいねぇ、これだけの映画を作ってしまえるんだもんね。韓国って、国自体は「おかしな国だなぁ」と思うこともあるけれど、映画は「やっぱりすごいな」と思うことも多いです。少し前にやってた「光州事件」も見ておくんだった。若い男前たちが前面に出てたから、つい「アイドル映画かぁ」と思ってパスしてしまいました。

 この「光州事件」が1980年。全斗煥・陸軍少佐がクーデターを起こして軍の実権を握り、金泳三氏・金大中氏などを逮捕・軟禁し、反軍部の民主化要求デモを徹底的に鎮圧したもの。最初は封鎖された大学の学生が主体だったものが、市民にも広がり、それを取り締まる方もどんどん残酷に。学生たちを暴徒に仕立て上げ、死人の数を少なく偽る国に対し、ドイツのジャーナリストが韓国のタクシードライバーと一緒に果敢に取材し、外国に真実を伝えた、という話。フィクションも盛り込まれているだろうけれど、基本、実話が元になっているそうです。(ついこの間、全斗煥氏が亡くなったというニュースを聞き、この映画を想起しました。)

 韓国って、アツい国なんだね。前に見た「1987 ある闘いの真実」でも、大きなデモが伝えられていたけど、たった7年だ!そのたびに死人が出るというのに。すごいねぇ、アツいんですねぇ。

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ラストナイト・イン・ソーホー(Last Night in Soho)

2021年12月17日 16時25分54秒 | 日記

Last Night in Soho (2021) - IMDb

ラストナイト・イン・ソーホー」boidsoundのシークレット作品に決定(写真24枚) - 映画ナタリー

Last Night in Soho | Reelviews Movie Reviews

 「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督によるタイムリープ・ホラー。ファッションデザイナーを夢見て、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズは、寮生活になじめずアパートで一人暮らしを始める。ある時、夢の中できらびやかな1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになる。次第に身体も感覚もサンディとシンクロし、夢の中での体験が現実世界にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズ。夢の中で何度も60年代ソーホーに繰り出すようになった彼女だったが、ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。さらに現実では謎の亡霊が出現し、エロイーズは徐々に精神をむしばまれていく。エロイーズ役を「ジョジョ・ラビット」「オールド」のトーマシン・マッケンジー、サンディ役をNetflixの大ヒットシリーズ「クイーンズ・ギャンビット」のアニヤ・テイラー=ジョイがそれぞれ演じる。(映画.comより)

 

 

 

<2021年12月12日 劇場鑑賞>

 「クルエラ」みたいに、田舎から成功を夢にてロンドンに出てきた女性の話。クルエラのように明るく展開しないのは、彼女には元々霊感があったから。個人的には、ここ、もう少し強調しておいたほうがよかったんじゃないかと思います。田舎を出発する前、おばあちゃんがその能力に言及しますし、亡くなった母親の姿をよく見ると言った現象も表現されるのですが、いかんせん”年寄りの心配性”や、”母恋しさから来る会いたい願望”みたいに見えて、私は軽く受け流していました。でも、この能力が「凶」と出たのですね。学校の寮になじめずに探した下宿部屋、ここでの過去の出来事を追体験してしまいます。

 若い女性が、夢見て都会に出て来ても、現実は厳しいですよね。いや、若い女性でなくても厳しいでしょう。でも若い女性は商品価値が高く、食い物にされやすいってことはありますよね。抵抗しづらいですし。見ていてなかなかに辛かったです。

 でも、これも定番なんですが、どんな目に遭ってもめげずに助けてくれる男性がいるんですね、必ず。いやもちろん、主人公の女性は真面目でいい子です。そうなんですけどね、ここまでの目に遭って、それでも親身になって助けてくれたりするのかな、ってちょっと思うのです。この辺の男性心理は、女にはわからないですけど。私なら避けます、絶対に。逆に恨むかも。

 映画の出来と関係ないのですが、”華やかパート担当”のアニヤ・テイラー=ジョイが、若いってだけで、イマイチ華やかさに欠けると思いました。もっとキラキラ美人でもよかったんじゃないかな。ブロンドもあんまり似合ってなかったし。まぁ、でも、上映館が多くない作品なのに、田舎で上映してくれたことに感謝です。

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