田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

イニシェリン島の精霊(The Banshees of Inisherin)

2023年01月30日 18時22分11秒 | 日記

映画『イニシェリン島の精霊』物語ネタバレ「彼はなぜ親友を拒否したのか?」 - EIGASKI

イニシェリン島の精霊のフォトギャラリー画像(1/5)|MOVIE WALKER PRESS 映画

イニシェリン島の精霊:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画

 第74回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞、続く2017年度トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞、さらに主演のフランシス・マクドーマンドに2度目のアカデミー賞主演女優賞をもたらし、その年、映画ファンを最も興奮、震撼させた傑作『スリー・ビルボード』から5年。いまなお演劇界・映画界の最前線に立つ鬼才マーティン・マクドナーの全世界待望の最新作。 本作の舞台は本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さい島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた…。(SEARCHLIGHT PICTURES 公式ウェブサイトより)

 

 

<2022年1月29日 劇場鑑賞>

 コリン・ファレルはわりと好きな俳優さんで、やんちゃだった若い頃から「デアデビル」「フォーン・ブース」など、見てました。「マイアミ・バイス」なんか、好きですねぇ。確かコン・リーが出ていたかと。コン・リーもとても好きな女優さんですが、「マイアミ・バイス」や「ハンニバル・ライジング」に出ていた、そんなに若くない頃の彼女が一番きれいで好きでした。コリンもギャスパー・ウリエルも、彼女に夢中になってましたものね!

 さて、最近落ち着いた役が多いコリンですが、この映画では久しぶりに”悪い奴ではないが、軽薄で頭が悪い男”を好演していましたね。長年の友人コルム(ブレンダン・グリーソン)が突然「関わるな」と言い出し、その理由を「退屈な男だから」と言ってましたが、見ていて「その通りなんだろうな」と思いました。もちろん、突然そんなことを言い出し、一切の接触を避けようとするコルムも唐突過ぎると思うし、長年のつきあいがあるんだから、パードリック(コリン・ファレル)がそういうことを理解できないかもしれないことは予想するべきで、「今度話しかけたら指を切断する」って、極端すぎます。好きな音楽を極めたいとか言って、モーツァルトを例に出してたようだったけど、そんなに急に音楽で業績を残せるわけでもないだろうし。好きなだけやるのは構わないにしても。まぁ好きなだけやるのに、パードリックが邪魔だったということなんだろうけれど。個人的には、ここでの「人にやさしくしてもそこでしか記憶されないけれど、モーツァルトは100年後も記憶されてる」と言ったコルムに、パードリックが「俺、そんな奴知らないけど」とシレッと答えた場面が最高にウケました。

 ともかく、自我を折らない男たちの争いはどんどん泥沼に。コトが展開してゆく途中で、小さな村の病巣も少しづつ明らかになってきます。唯一の警察官が、パードリックの独身の妹に「行き遅れが!」と怒鳴りつけたり、すぐに暴力を振るったりするとんでもない奴で。しかも息子(バリー・コーガン)に対する虐待があったり。ともかく、閉鎖的な離れ島って、怖いと思いました。まぁ離れ島でなくても、そんなことあるのかもしれませんが。

 しかし、考えようによっては、争う相手がいるということは、それが存在価値の認識にもなり得るわけです。「あんなに犬猿の仲だったのに、片方がなくなってからしょんぼりしているね」なんてこと、あるように思います。ひょっとしたら、そういうことなのかもしれません。よくわからないですけどね。私は、絶対こんな風に争わないし、「おまえが嫌いだ」と言われたら「そうですか」と言って関わらないで生きてゆくと思うので。

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西部戦線異状なし(Im Westen nichts Neues)

2023年01月28日 17時17分44秒 | 日記

Im Westen Nichts Neues Netflix Start Deutschland - C Sherri Perkins

„Im Westen nichts Neues“ für neun Oscars nominiert

 アカデミー賞を受賞した1930年のルイス・マイルストン監督による映画版でも広く知られる、ドイツの作家エリッヒ・マリア・レマルクの長編小説「西部戦線異状なし」を、原作の母国ドイツであらためて映画化した戦争ドラマ。

第1次世界大戦下のヨーロッパ。17歳のドイツ兵パウルは、祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線へ赴く。しかし、その高揚感と使命感は凄惨な現実を前に打ち砕かれる。ともに志願した仲間たちと最前線で命をかけて戦ううち、パウルは次第に絶望と恐怖に飲み込まれていく。

監督は「ぼくらの家路」のエドワード・ベルガー。主人公パウルを演じたフェリックス・カメラーは、これが映画初出演。「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」「キングスマン ファースト・エージェント」などのハリウッド大作でも活躍するドイツを代表する俳優ダニエル・ブリュールが、出演のほか製作総指揮にも名を連ねる。第95回アカデミー賞で作品賞・国際長編映画賞ほか9部門にノミネート。Netflixで2022年10月28日から配信。(映画.comより)

 

 

<2023年1月28日 Netflix鑑賞>]

 mixiの映画コミュニティ仲間の紹介で知りました。旧作は見ていません。TV映画も知りません。原作も未読です。しかし、内容はだいたい聞いていたので、心して鑑賞しました。噂通り、ずっしりと心に残る映画でした。

 背景は第一次世界大戦。この戦争の背景は複雑で、まずサラエボでオーストリア=ハンガリー帝国の大公が、セルビアの青年に暗殺されたことに発端を発します。これで、オーストリア=ハンガリー帝国とセルビアが争うことに。そこに、ロシアが乗っかり、それに対してドイツが宣戦布告。すると、三国協商でロシアと同盟関係にあったフランスも参戦。フランスは普仏戦争でプロイセンに恨みがあったのです。そこでドイツはベルギーとルクセンブルクに侵攻したのち、フランスにも侵攻。ドイツがベルギーの中立性を侵害したためとして、イギリスも参戦。するとイギリスと同盟関係を結んでいた日本も連合国としてドイツに宣戦布告。世界中が戦争で泥沼化する中、あくる年にはイタリア・ブルガリア・ルーマニア・アメリカ合衆国も参戦します。

 戦争の末期にはロシアが離脱したり、ということもあったようですが、期間が長引いたこともあり、この西部戦線は、ほんのそこからそこまでの間で、押したり引いたりの泥沼の死闘を繰り返したのです。アホらしい。若い青年たちの命がこんなに無駄になるとは。どこの国にもメンツや欲があるのでしょうが、やはり人の命に替わるものはありません。未来を背負った若い命なのです。

 しかしながら、若者に芽生える”戦争に対する高揚感””正義感””愛国心”、これもまた本物なわけです。行って後悔することはあったとしても。また、現地での出来事で新たに芽生える復讐心みたいなものもあるのだと思います。例えば、主人公が友人と食べ物を盗みに入る現地の農家。戦時中ですから、兵士が少し食べ物を盗んだくらい、と本人たちは思っているのかもしれませんが、農家にとっては死活問題。ほんの子供でも、取り得る手段を取って追跡してきます。この子供の眼差しが怖かった。どの人も生きるのに必死なのです。簡単に命を懸けた戦いとなってしまいます。あと15分(だったかな?)で終戦なのに、最後の最後まで戦おう!と呼び掛けた将校もどうかとは思いますが、その言葉に乗る(そこを去るという選択肢もあったと思う)主人公には、気が弱いから逆らえないだけではない、諸々のバックグラウウドを感じます。

 何にしても、とにかく凄まじい戦争の描写。映画は2時間半ほどあるのですが、凄惨な戦闘場面がこれでもかと入ります。こんなところに息子をやりたくない。と言って、自分だけ残るわけにもいかないのでしょうが。

 久しぶりに”ドイツ語を話すダニエル・ブリュール”を見ました。懐かしい。初めて彼を見た「グッバイ!レーニン」を思い出しました。よくハマってました。前作にはない役柄と聞きましたが、彼のおかげで映画に重厚さが増したでしょうね。

 この監督の映画は「ぼくらの家路」を見ました。小さな子供たちが主人公のこの映画も、つらかったけれど、強く強く印象に残っています。フランス映画だと記憶していた私。ドイツ映画だったのですね。きちんと記憶が修正出来て、本当によかった。

 この作品は名作なんですが、見ていてあまりにつらい。心がしんどくなります。今なお、同じような戦争が起きていて、進歩しない人類に絶望する側面もありますし。

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博士と狂人(The Professor and the Madman)

2023年01月27日 15時18分35秒 | 日記

The Professor and the Madman (2019) | Film, Trailer, Kritik

The Professor and the Madman (2019) Movie Download - CinematicDb

ソース画像を表示

 初版の発行まで70年を費やし、世界最高峰と称される「オックスフォード英語大辞典」の誕生秘話を、メル・ギブソンとショーン・ペンの初共演で映画化。原作は、全米でベストセラーとなったノンフィクション「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」。貧しい家庭に生まれ、学士号を持たない異端の学者マレー。エリートでありながら、精神を病んだアメリカ人の元軍医で殺人犯のマイナー。2人の天才は、辞典作りという壮大なロマンを共有し、固い絆で結ばれていく。しかし、犯罪者が大英帝国の威信をかけた辞典作りに協力していることが明るみとなり、時の内務大臣ウィンストン・チャーチルや王室をも巻き込んだ事態へと発展してしまう。マレー博士役をギブソン、マイナー役をペンがそれぞれ演じるほか、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のナタリー・ドーマー、「おみおくりの作法」のエディ・マーサンらが脇を固める。(映画.comより)

 

 

<2021年9月13日 録画鑑賞>

 少し長い映画だったけれど、一気に見てしまいました。おもしろかった!無知な私は「オックスフォード英語大辞典」のことを知らなかったけれど、しかし、独学で言語学を極めたマレー(メル・ギブソン)は、なんでまたこんな壮大な計画を立てたのでしょうね。もちろん、計画自体はもう少し前からあって、彼はそれに乗っただけなのかもしれないけれど、”シェイクスピアの時代まで遡って、すべての言葉を例文と共に収録する”なんて、発想自体が信じられない。

 そして、南北戦争で精神を病んだ元軍医ショーン・ペンが、精神病院からこのプロジェクトに参加し、多大な貢献をするのです。やがて彼を訪問するメル。二人の天才のぶつかり合いは本当に素晴らしいシーンでした。凡人にはうらやましい限り。でも、少し良くなったらなったで、狂人ショーンは煩悩に苛まれることになるのです。生きづらいですね、本当に。

 ところで、この映画、イギリス人俳優オールスターでした。ショーン・ペンはアメリカ人役、メル・ギブソンはアイルランド人役だったけれど、舞台はイギリスだったので、ヨアン・グリフィス、ジェレミー・アーヴィン(「戦火の馬」「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」)、スティーヴ・クーガンからエディ・マーサンまで、イギリス俳優オンパレードでした。エディ・マーサンは、さすがに良い役でした!いい役者さんですね。メル・ギブソンの妻が、いつも思わせぶりなわりには、なんてことなかったのが脱力でした。しかしこれ、実話なんだもんなぁ・・・。

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シスター 夏のわかれ道(我的姐姐 )

2023年01月24日 16時20分10秒 | 日記

中国映画レビュー「シスター 夏のわかれ道 我的姐姐 Sister」 - daily diary 

中国映画レビュー「シスター 夏のわかれ道 我的姐姐 Sister」 - daily diary

电影《我的姐姐》领跑清明档梁靖康清爽男友风现身首映礼_新闻__中国娱乐在线

 見知らぬ弟を突然預けられ人生の選択を迫られた女性の葛藤を描き、中国で話題を集めたヒューマンドラマ。

看護師として働きながら、医者になるため北京の大学院進学を目指すアン・ラン。ある日、疎遠だった両親が交通事故で亡くなり、会ったことのない6歳の弟・ズーハンが彼女の前に現れる。望まれなかった娘として早くから親元を離れたアン・ランと、待望の長男として愛情を受けて育ってきたズーハン。親戚から弟の養育を押し付けられたアン・ランは、仕方なくズーハンの面倒をみることに。両親の死すら理解できずワガママばかりのズーハンに振り回されっぱなしのアン・ランだったが、幼い弟を思いやる気持ちが徐々に芽生えめる。

主人公アン・ラン役に「チィファの手紙」のチャン・ツィフォン。(映画.comより)

 

 

<2023年1月22日 劇場鑑賞>

 今回は中国映画。ちょうど一人っ子政策の終わりごろから、3人持てるようになった時代にかけてのお話。どの家も男の子を欲しがり、男の子に学歴をつけるためなら、姉は犠牲になって当然だった時代。こんなこと、韓国映画の「82年生まれ、キム・ジヨン」でも(キム・ジヨンの母親が)言ってたと思うけど、とにかく女は我慢して当然。優秀であっても、教養をつけているヒマがあったら働いて稼げ、と強いられた時代。そしてそれは、日本でもそうだったはず。親にもよるだろうけれど。今でも残っているかもしれないけれど。

 主人公のアン・ランが、なぜ実の弟と、両親が亡くなるような事態になるまで会うことがなかったかと言うと、

 

<この辺は、本編では徐々にわかるようになっているので、ここからネタバレということで>

 当時の一人っ子政策は、最初に女の子が生まれてしまうと、念願の息子が持てないことを意味しました。そこで、アン・ランの両親は、彼女を「障害児」に仕立て上げました。足に障害がある子なので、もう一人子供を持ちたいと政府に願い出たのです。しかし、審査の女性が来たとき、少女だったアン・ランは、スカートをはいて嬉しそうにダンスをしていました。審査員に「障害児には見えないわね」と言われた両親は激怒。審査員帰宅後、父親は棒を持ち出し、娘の尻を何度も殴りつけました。「このバカが!障害児のふりをするくらいがなんなんだ。スカートなんかはきやがって、このバカが!」泣き出した少女は叫びます。「私は障がい者じゃない!」

 後に、アン・ランが学校の願書を出すとき。優秀だった彼女は、医学部を希望し、そう記載していました。しかし、両親が「女の子は地元に残って、家族の世話をすればいい」と、勝手に看護学部に書き換えて出していたのです。結果、看護婦になるしかなかったアン・ランは、そのまま看護婦として働きながら、もう一度大学院を目指して勉強しています。その間、両親に家だけを提供してもらい、そこでたった一人で生きてきたのです。だから、自分に幼い弟がいるなんて知らなかったし、両親も普通に”3人家族”として暮らしていました。そこに起きた交通事故。両親は亡くなってしまいます。

 また、中国は日本より、血縁を重視する国かと思います。両親が亡くなった途端、親戚中が「姉なんだから、面倒をみて当然」「家をもらってるくせに」「看護婦としての収入もあるし、生活できるはず」とか、姉だったら当然、という価値観の元、誰もかれもがアン・ランに弟を押し付けます。突っ張ってるアン・ランも強情だけれど、誰もかれもが強引で、なんか見ていてしんどかったです。また弟も、甘やかされているからか、最初はわがまま。私なら、頭をひっぱたいたかもしれません。

 そこに、大学のロシア語学科に合格までしていたのに、弟(アン・ランの父親)を学校へ行かせるために、働くことを余儀なくされたおばや病気のその夫、若いのに働かずにぶらぶらし、交通事故や幼い子供をお金のネタにしようとする、どうしようもないおじなど、いろんな話も絡んでくるのです。父の姉であるおばは、せめて商売をロシアでやるつもりで、すべて段取りまで整えたのに、始める寸前に「弟に子供が生まれるから、帰って来て手伝え」と言われ、それすら諦めてきた人生なのです。彼女の夫は今でこそ病気で動けませんが、アン・ランが後に告白する場面があります。「子供の頃、おばさんのおうちに遊びに行った時、あなたの息子には散々殴られたし、亭主には裸を覗かれた。おばさんはいい人だけれど、その自己犠牲は結果を伴ってないと思う」と。情けないですね、本当に。このおばが、アン・ランにスイカを切って出してくれる場面があります。そのとき彼女は言うのです。「母は、弟にだけスイカを食べさせていた」と。お母さんって、自分も女だから辛い思いをして生きてきたと思うのに、なんでこんなことするんでしょうね。理解できません。

 ともかく、アン・ランは気も強くて、いつも突っ張ってるから、損をしていることもあるとは思うのですが、つらいことのオンパレードで、見ている私は情けなくて悔しくて、泣きそうでした。

 でもね、弟も徐々に変わります。姉もまた、変わります。唯一の姉弟ですから、やっぱり心の支えになり得るということです。いい映画でした。ぶらぶらしているおじだって、自分のふがいなさはわかっていて。それでも、やっぱりバカばっかりやって。口ばっかりでどうしようもなくて。お金を勝手に巻き上げていたりして、本当に迷惑な奴で。でも、やっぱりおじで。

 DVDでもいいと思います。気が向いたら、是非。

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パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女( 특송)

2023年01月23日 18時57分29秒 | 日記

특송 | 다음영화

EN:터뷰]'특송' 감독이 밝힌 캐릭터와 액션의 핵심 - 노컷뉴스

잘봐, 박소담의 '특송'이다[한현정의 직구리뷰] - 스타투데이

 

天才的なドライビング・テクニックを持つウナ(パク・ソダム)が勤めるペッカン産業は、表向きには釜山で廃車処理場を運営しているが、裏ではどんな荷物も配達する“特送とくそう”の仕事を請け負っている。

「“特送”は郵便や宅配で送れないモノをあらゆる手を使って届けます。万一の場合?配送以外の責任は取れません。ただ、何があっても必ずお届けします」

ペク社長(キム・ウィソン)からの指令でウナが引き受けた依頼。それは海外ヘの逃亡を図る元プロ野球選手で賭博ブローカーのキム・ドゥシク(ヨン・ウジン)とその息子ソウォン(チョン・ヒョンジュン)を港まで運ぶにがすこと。

しかし、違法賭博の元締めであり警官のチョ・ギョンピル(ソン・セビョク)が部下を引き連れて現れ、追い詰められたドゥシクはソウォンをウナのもとに逃がす。依頼人のドゥシクが不在のまま、ウナは身寄りのないソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。

貸金庫の鍵を狙う悪徳警官ヤクザ冷酷非情サイコパスな殺し屋、さらには「脱北」の過去を持つウナを秘密裏に調査する国家情報院までをも巻き込んだ、命がけの追走劇カーチェイスが始まる──。(公式ウェブサイトより)

 

 

<2023年1月22日 劇場鑑賞>

 おもしろい映画が田舎に降りて来るもんですね。ちょっとうれしかったです。早速鑑賞。主人公の天才ドライバー・ウナは、「パラサイト」でソン・ガンホの娘役だった女優さん。あの、はったりの家庭教師やってた子です。どこかに書いてあったのですが、今回彼女に助けてもらう男児を演じた男の子も、同じ「パラサイト」で金持ちの家の子をやっていた子だそうです。まったくの偶然らしいのですが、まさにパラサイトつながりですね。どこかにこっそりソン・ガンホが出てるんじゃないかと思うほどです(笑)。

 さて、話は簡単です。韓国版「トランスポーター」です。ジェイソン・ステイサムならそれらしく見えますが、今回は若い女性なので、発注を間違ったんじゃないかと思って、乗るのをためらう依頼者もいます。でも、もたもたしているヒマはないはずなので、他に方法はないのですが。

 そんな中、プロの野球選手たちの八百長が明るみに出、身の危険を感じた八百長選手が、お金と息子と共に逃げようとします。しかし、逃亡に関しては素人。そんな大金を持ってすんなり逃げられるはずはありません。息子だけを逃し、自分は犠牲になった選手。その選手の逃亡を請け負っていたはずのウナは、一人で走ってきた子供に戸惑うものの、その子は教えてあったナンバーを口にするし、とにかくグズグズしているヒマはないので、即決して彼を乗せていきます。そこから、メインの話が展開してゆくのです。

 予告を見た時は「女性だから子供」っていう組み合わせが安易な感じがして、「どうよ」と思っていました。でも、そんなこと、どうでもよかったです。ウナは脱北者という設定でしたが、家族との別れが強調して流されるわけでもなく、幼い弟がいた設定でもないし(いたかもしれんけど)、男児には「おばさん」って呼ばれるし(笑)。彼女を使う社長も、悪い奴なんだろうけれど、とても味のあるいい人だったし、私的には、ウナを「姐さん」と慕うパキスタン人(という設定だったと思う)の青年が一番好きでした。まだまだ若かったけど、絶対いい奴。演じるはハン・ヒョンミン。覚えておこう。あと、警察に協力を申し出る国家情報院のベテランにヨム・ヘラン。寺島しのぶ似の彼女、絶対見たことあると思ったら、「野球少女」と「82年生まれ、キム・ジヨン」で見ていました。「野球少女」では主人公の母親だったみたいだけど、後者での役は思い出せません。主人公のパク・ソダムも「パラサイト」で見ているはずなのに、「あれ?こんなにかわいかったっけ」と思うほどかわいかった。

 しかし、悪徳警官って、本当にどこにでもいますねぇ。そりゃ公務員の給料だけだったら、いい思いができないのはそうなんだろうけれど、そんなの、どんな仕事でもそうなのに。追い詰められるに従って、いよいよヤケクソになってゆくので、「そんなに人を殺めてどうするのよ」と思ってました。なりふり構わなくなると、人ってもう負けだと思います。

 感動するような話ではありませんが、映画は娯楽。楽しみたいときにおススメです。

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