「トイ・ストーリー3」でアカデミー賞を受賞したリー・アンクリッチ監督が、陽気でカラフルな「死者たちの世界」を舞台に描いたピクサー・アニメーションの長編作品。日本におけるお盆の風習にあたるメキシコの祝日「死者の日」を題材に、音楽を禁じられたギター少年ミゲルの冒険や家族との強い絆を、数々の謎と音楽を散りばめながら描いた。物語の鍵を握る劇中歌「リメンバー・ミー」の作詞・作曲を、「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー ありのままで」を手がけたクリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペスが担当。第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞および主題歌賞を受賞した。天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。(映画.comより)
この映画、人気ですねぇ。私、今回はなかなか見に行けなくて、もう諦めていたのですが、まだやってる!もうどのくらい上映されているのでしょう。かなりの期間ですよね!
ということで、行って来ました、「coco」の世界へ。邦題となんでこんなに違うんだろうと思っていたのですが、cocoって女の子のお名前なんですね。
主人公の男の子はギターが大好きで、実はマリアッチに憧れているのですが、過去の辛い出来事ゆえ家族に音楽は禁じられています。それは、主人公のひいおばあちゃんの父親が、音楽のために家族を捨てた、というもの。しかし、音楽での成功と引き替えに家庭を顧みなくなる、というのは、話としてはよくあることなのに(もちろん家族はつらかったでしょうが)、その掟をあんな大家族であるにもかかわらず、みんなが何代にも渡って守っている、というのがラテンの国ですね。それだけ家族の結束は固く、親の言うことは絶対だと言うことですね。
ここで大家族を率いているのはおばあちゃん。歳は取っているけれど、すこぶる元気。お祭りなどで家族を取り仕切る勢いはハンパではありません。笑えたのはそんなおばあちゃんの「サンダル」。常にサンダル履きなのですが、なにかを”決める”ときはサンダルを飛ばして命中させたり(ものすごい命中率)、コトが終わると空中履きしたり(つまりさっと投げてさっと履けるということ)、どうしても手の届かないところへ飛ばしてしまったら「サンダルを拾ってきて」と孫に言いつけたりして、決してないがしろにはしないのです。内心「アニメとはいえ、すごいなぁ」と思っていました。後から聞いたのですが、スペインでは”なんでもサンダル”みたいな文化があるみたいで、スーパーマンがサンダルを飛ばしている風刺画などがあるそうです。納得(笑)。
とまぁ、そんなどうでもいいことは置いといて、主人公の少年がつい「死者の国」に迷い込んでから、本格的なお話が始まります。かの国では、祭壇に写真が飾られているうちは、死者の国でも”生を得る”のですが、一年以上どこにも飾られず、誰も構わなくなったら、死者の国からもその姿は消えてしまうのだそうです。改めてそう言われてみると、なんだか緊張するし悲しい気もしますね。また、少年のように生きている人間が迷い込んだら、日の出までには元の世界へ戻らないとそのまま戻れなくなってしまうのだそうです。そこで親族の死者に出会った少年は、なんとか音楽を許してもらうべく、また元の世界へ戻るべく奔走するのです。その過程で、自らの先祖にまつわる秘密も明らかになります。これは、「子供向けの映画?」とか思っていた私もあっと驚く展開でした。なるほどアツくてよくできた映画です。音楽も最高ですし、やっぱロングランするだけの理由はあったのですね!もうそろそろ終わりとは思いますが、おすすめです。是非!