田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

完全なる報復

2011年01月29日 20時49分52秒 | 日記

<ネタバレあり>

 

なんかすごい邦題ですねぇ・・・。

で、出演もジェラルド・バトラーやジェイミー・フォックスだし、監督もF・ゲイリー・グレイ。私、この監督の「ミニミニ大作戦」が好きなんです。マーク・ウォルバーグとシャーリーズ・セロンが素敵なカップルでしたね!シャーリーズは本当にきれい。あと、「get it off」!!私、これは名作だと思いますね。

そんなこんなで結構期待してました。でも、結論から言うと・・・主演のジェラルドは、完全に方向性を見失っていました。あれでは誰も同情しないし、もうあそこまで行くと狂気。途中からは、ほとんど「ソウ」の世界でした。

あの映画(「ソウ」ね)も、最初はそれらしい理由づけがされてるんだけれど、明らかに狂気ですよね。少しばかりの知性は伴なうとしても。

もちろん、監督もそれを言いたかったのかもしれません。「報復なんて狂気ざたなんだぞ」と。

でも、ハンニバル・レクター並みの知能戦を期待していた私としてはちょっとがっかり。

ジェラルドは、拘置所に入れられてるのに犯罪が起きる。検察も警察もわけがわからない。そのうち、「みんな彼に遊ばれてるんだよ」などと証言するやつも出て来て、どんなからくりなんだろうとすごく期待する(少なくとも、私は期待した)。

でも、ふたを開けてみると・・・地下にトンネルを掘って、自分が出入りしていただけだった。なんとも期待はずれなからくり!いまどきこんな結論で「えぇぇ~~!」なんて驚く人がいるのだろうか。(ここは驚くところではなかったのかもしれないが・・・)

しかし、きっかけは納得できました。ジェラルドはあんなひどい目にあったのに、あんな露骨な司法取引が行われてははいけません。軽罪の男にすべての罪をかぶせて、残忍な主犯はすぐに放免なんて。これは、いかに善人面のジェイミー・フォックスといえども(関係ないか・・・)、やりすぎです。

せっかくのこの物語の設定が、どうしてうまくいかせなかったのか・・・。

F・ゲイリー・グレイなのに、少し残念です。

とはいえ、予想できない方法で関係者が処刑(?)されていくさまは、やはり驚きでした。それだけに、もう少し見応えのあるおとなな作品に仕上げてあればなぁ・・・と残念でなりません。

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しあわせの雨傘

2011年01月23日 16時56分44秒 | 日記

<ネタバレあり>

 

さすが!ドヌーヴ様とフランソワ・オゾン監督!本当にさすがのさすがです。

才能がないと、こんな映画つくれないでしょうねぇ・・・。

お話は、一昔前のフェミニズム映画のよう。”飾り壺”だった裕福な専業主婦が、夫に代わって一発奮起。あれよあれよと才覚を発揮。やがては夫の会社を離れて自立・成功してゆく、という、言ってしまえばよくある(よくあった)はなしなのです。

しかし、それを平凡なものに終わらせないのがオゾン監督とドヌーヴ様。

笑えましたね、思わぬところで。

しかし、ドヌーヴ様の妖艶さはどうでしょう!夫役がファブリス・ルキーニなのは、つんのめりそうだったけど、しかし、若い頃の逸話から始まって、今現在の彼女がトラックをヒッチハイクしたあとの、あの意味深なほほえみのサマになることったら!

うらやましいですねぇ~、いくら女優とはいえ、いくつになっても「女」でいられる素敵さ。素晴らしすぎる!

最終的には政界に打って出るんだけれど、息子(ジェレミー・レニエ)がぴったり母に寄り添って補佐してるのね。イケメンはイケメンを呼ぶのか、選挙の手伝いをしてくれる青年も彼によく似た(!)イケメン。やっぱり、成功する女性というのはかくあるべきかと思いましたね。

おじさんを連れ歩いてはダメなのです(笑)。

ジュディット・ ゴドレーシュも久しぶりに見れたし、相変わらずジェラール・ドパルデューは太っているし(笑)、楽しめました。

オゾン監督の次回作もぜひ、見たいです。

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人生万歳!

2011年01月22日 18時51分45秒 | 日記

<ネタバレあり>

 

 ウディ・アレンが何年も温めていた脚本らしいですね。私、自分がバカだからか、「アニーホール」が理解できなかったのです。なんだか退屈で。それで、今回の作品もちょっと不安だったのですが、興味もあったので鑑賞してみました。

結論から言うと、「アニーホール」よりは楽しめました。自分が歳をとったからかもしれません。確かに主人公の男性は、理屈っぽく悲観的で、何に対してもうだうだと文句を言います。多分、私なら耐えられないでしょう。

しかし、この映画で相手役をするエヴァン・レイチェル・ウッドがいいんです!若くてかわいいのは当然として(アレン映画のミューズですし)、主人公に「尺取り虫並みの頭脳」などと言われながらも、難しいことは軽~く受け流し、そのくせ彼が言ったことは結構覚えてる。使い方を時々間違いながらも、知らない人からするとすごい知識人に見えたりする。

彼女がとことんキュートで、彼を運命の人だと思い込んでも「そんなこともあるかも」って思わせる。実際、すんごく年上で理屈言いの主人公と結婚しても、本人が幸せって思ってるから、なんだか幸せそう(当たり前か)。主人公も彼女のことをバカにしつつも、新しい家族を得てまんざらでもなさそう。

話がここで終わってもべつによかったとも思うのですが(笑)、まぁ映画ですから、ひと波乱起きるわけです。

しかし、基本的にはおもしろかったのですが、いくら映画だからとはいえ、お話がトントン拍子に行きすぎな感じはしました。まぁ、それを楽しまなきゃいけないんでしょうが・・・。

まず、NYの真ん中で(真ん中だからか?)、若くてかわいい女性が、偶然一人暮らしの初老の男性に「なにか食べさせて」と嘆願する?そりゃ、普通の男性なら「ラッキー!」と思って入れるでしょ、家に。

で、そのまま居着く?その上、運命の人だから結婚してって言う?るんるんで新婚生活を送る?そのうち彼女の母親が上京してきたな~と思ったら、彼女には芸術の才能があって、あっという間に写真家として成功して二人の男性をゲット?!そしたら次に父親も上京してきて、いろいろしている間に、とあるバーでゲイの男性と知り合って、自分がゲイであることに目覚める?!

そのうち彼女(エヴァンね)はハンサムなイギリス青年に一目ぼれされて大恋愛。夫である主人公は「この日が来ることはわかっていた」と、彼女と別れるけれども、飛び降り自殺を試みて、落ちた所を歩いていた女性と今度はfall in love?!

書きならべるとばかばかしくなってきますよね(笑)。そんなに簡単に女性にもてるのなら、この主人公、もっととっくに彼女がいたとも思うし(いたのかもしれないけれど)。

映画を短くまとめようとしすぎたのか、あるいは内容を詰め込みすぎたのか。

ともかく、夢を見させてもらうにも、あまりにものごとが性急すぎてついていけませんでした(笑)。

主人公と女性の話だけでも、よかったんじゃないかなぁ・・・。

 

 

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アンナと過ごした4日間

2011年01月16日 17時39分57秒 | 日記

<ネタバレあり>

今頃すみません。劇場公開時はどうしても見ることができなくて、少し前にwowowで見たのですが、あまりに重厚な内容で、感想を書くのをためらっているうちに日が過ぎてしまいました。

私は女ですので、男性とまた違った感想を持つのではないかと思うのですが、最初はパトリス・ルコント監督の「仕立て屋の恋」や「髪結いの女房」を思い出しました。しかし、ネットで感想をいくつか読ませていただいたのですが、誰もそんなことは書いてなくて(笑)、人と感性が違うのかなぁ・・・などと思ったりもしています。

主人公は孤独な中年(よりは少し若い?)の男性。祖母と二人暮らしだったのですが、高齢の祖母が亡くなってしまい、天涯孤独に。

仕事は病院の清掃で、口数も少なく、真面目に働いています。冒頭こそ、血塗られた手首や斧などが映るのでギョッとしますが、すぐに彼が病院でそういうものを始末する仕事もしているんだということがわかるようになっています。このへんは、少しわざとらしい(笑)。

それで、彼はどうやら向かいにある看護婦寮の、アンナという看護婦さんに気があるようで、よく覗き見しています。それと並行して、なにやら過去の不穏な映像がはさみこまれ(彼が釣りをしていると牛の死体が流れてきたり、誰かに威圧的に尋問されてたり)、我々観客は「後につながるんだろう」と思いながらも、よくわからないまま鑑賞することになります。

やがて彼のアンナに対する行為は、エスカレートしてゆきます。彼女の部屋に忍び込むようになるのです。彼女の習慣を把握している彼は、しかし、彼女を眠らせ、その間にほころびたボタンをつけたり、部屋を片付けたりと、あくまでいじらしい行為のみに徹するため、いやらしさは全然ありません。少し変態っぽくはあるのですが(笑)。

そして並行して描かれていたことと、現代とがこのへんでやっとつながります。

彼は過去に女性がレイプされているのを目撃してしまいます。あまりの動揺に、現場に釣り道具を放り出して通報したため、かえって犯人と間違われてしまうのです。被害者の女性は目隠しをされていたため、男の顔を見ていません。観客である我々も、目隠しされている女性の顔がはっきりわからないため、なんなのかと思うのですが、この女性がアンナだったわけです。

捜査官(?)のあまりに威圧的な態度に、きちんと言葉を返せない主人公は、当局の筋書き通りに犯人に仕立て上げられ、服役するのです。

(不合理ですね!こんなこと、日本でも最近ありましたね!)

ともかく、彼は服役したわけです。でも、彼が犯人でないことは、多分周りの人は察していたんでしょうね、院長は彼を信頼して雇ってくれるのです。

しかして・・・レイプされているときの顔があまりにセクシーだったのか、ともかく彼はアンナが忘れられず、上記の行為に及んだわけです。しかし、いくら直接なにもしてしないとはいえ、いつかはバレます。そして捕まってしまうのです。

アンナの気持ちは複雑です。彼がいい人だということ、彼女を愛してくれていること、は、わかっているのです。でもやっぱり「もう・・・来ないで」と言ってしまいます。

再び服役した主人公。帰ってみると・・・ラスト、これが衝撃なのですが・・・彼の家と看護婦寮の間には高~~い壁が作られてあるのでした。

これは、すべてある男の夢想と読みとることもできると思います。現実的には、そういう愛し方があるとしても、高い壁を作るよりは寮を男性寮に変えてしまう方が安くつくでしょうし(笑・必要ないかなぁ・・・)。

しかし、これを男の純愛と呼んでいいものかどうか・・・。ちょっと複雑な気持ちです。とても純粋な気持ちはわかるのですが、現実的にこういうことが起きたら、やっぱり引いてしまうかも。深く愛されるのはとてもうれしいことなのですが・・・。

難しいですね、人間って。愛されたいのに、考えてしまう。なんだか悩んでしまいました。

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アンストッパブル

2011年01月10日 16時46分03秒 | 日記

なかなか見応えのある映画でした。私、鑑賞前は「昔エリック・ロバーツが主演した”暴走機関車”(古っ!)みたいな話じゃないの?」と思って、あんまり乗り気ではありませんでした。

たしかセガール主演で「暴走特急」だったかな、そんな映画もあったように思いますし、似たようなものばかり・・・と、正直思ってました。

しかし、なんといってもデンゼル・ワシントンの映画ですし、ちょうど「トロン」の後、時間も都合がよかったので、見てみることにしたわけです。

いや、ホントに、話はそりゃありそうな感じだったけれど、映像技術も伴っているからか、ハラハラドキドキ、手に汗握りました!でも、事故が起きるときって、こんな感じなんだろうな・・・と思いました。本当にちょっとした事が重なって、あるはずのないこと、起きるはずのないことが起きてしまうのです。

そして、現場のベテランの意見を聞くこと。これは、なにも今回の話に限ったことではなく、どんな会社でもそうだと思うのですが、これが一番大事だと思います。何十年と勤めていれば、いろんな状況に出くわします。どんな仕事でもそうです。それをいかに処理してきたか、そして現場でしかできない”肌で感じること”、この感覚が大事なんだと思います。

だからこそ「その道のプロ」、もちろん、悪者になってしまっていた会社の役員、彼のように「社の損害を最小限におさえる」という発想も大事です。だから、そのすり合わせが大事なんだと思いますね・・・映画では一方的に悪者になっちゃってて、かわいそうでしたけど(笑)。

少しでも給料の高いベテランをクビにして、若い人を安く雇う・・・日本の社会にとっても耳の痛い現実が描かれてましたね。利潤追求のためならなりふり構わない、そういう姿勢は万国共通なんですね。

ともあれ、映画ですから、無事にハッピーエンドを迎えます。そこで我々観客の緊張もほどけるわけです(笑)。それにしても、最後まで列車を追い続けていた、ピックアップトラックに乗ってた男性はなんていう俳優さんかな。味があって素敵でしたね。ちょっとロック歌手みたいで(笑)。

おすすめです。

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