世界歴代興行収入No.1の超大作『アバター』が、巨匠J.キャメロン監督自身の手により、人類史上最高の映画シリーズとして新たな奇跡を巻き起こす。それは、「観る」の先にある“超現実”映像体験──神秘の星パンドラの一員となった元海兵隊員のジェイクは、ナヴィの女性ネイティリと家族を築き、子供たちと平和に暮らしていた。再び人類がパンドラに現れるまでは…。神聖な森を追われた一家は、“海の部族”の元へ身を寄せる。だが、この美しい海辺の楽園にも、侵略の手は迫っていた…(公式ウェブサイトより)
<2022年12月25日 劇場鑑賞>
内容の濃い映画でした。これだけの長さでこれだけの内容、個人的には二つに割ってもよかったのではないかと思いました。まぁ「5」まで(?)作る予定らしいから、これ以上の数には割れなかったんでしょうけど。
前作の内容の記憶がすでにおぼろげで、むしろ「あの頃、サム・ワーシントンの映画って、結構来ていたな」とか、どうでもよいことしか頭に浮かばなかったんだけれども、それでも楽しむことができました。アバターとなって、パンドラで家族で平和に暮らしていたジェイクなのに、追っ手が迫って来るのです。過去、自らの正義のためとはいえ、上司に逆らい、同胞を殺めたのですから、これも致し方ないと言えばそうなのかも。見ている私は、どちらも強くて立派な戦士、無駄に殺し合うことはないとは思ったのですが、どちらの理屈も通る故、やはりこれしか解決法はなかったのかも、とも思います。
今回は、ジェームズ・キャメロンの価値観が強く反映された”家族を守る”ということが、非常に強く前面に押し出されています。これはこれで大切なことなのですが、あまりに父親の言うことが絶対的で、もちろん家族を想ってのことだとわかっているのですが、あまりに強い家父長制度には少し違和感を覚えました。まぁその分、息子たちの意志も強固で、自分が正しいと思えば父親の言うことも無視して行動する、みたいな面もあるので(若気の至りと言ってしまえばそれまでだが)、そこは均整がとれているのかもしれません。
海の部族の若者と森の部族(ナヴィ)の若者との意地の張り合い(そして取り返しのつかない結果を招く、みたいな)が、アメリカの典型的な学園ものみたいで「これ、いる?」と思ったけれど、巨大な生き物との遭遇にうまくつなげてましたね。そんなにうまく現れて、自分と同じような境遇の若者を瞬時に見分けるなんて、なんて能力の高い生き物なんだ、と驚愕しましたけどね。すごい場所ですね。
当たり前ですが、映像も美しかったです。さすがです。続編ありきな終わり方でしたが(少女ネリの秘密を私も知りたい)、できれば今度はもう少し見やすい長さにしてもらえると助かります。