![カレ・ブラン](http://prop.movies.c.yimg.jp/pict/article/ed/f6/20130126003fl00003viewrsz150x.jpg)
これまでテレビシリーズや短編作品を手掛けてきたフランスの新鋭ジャン=バティスト・レオネッティが手掛けた衝撃のSF。人類が社畜と家畜に分類されたそう遠くない未来を舞台に、不条理な世界で生きる人々の姿をダークなテイストで描き出す。権威によって人類が思考や感情を完璧にコントロールされる世界で淡々と続く日常や、観る者の感覚を研ぎ澄ますことを要求する抑えの効いた映像と残酷な物語に身震いする。(yahoo.映画より)
wowowで放映してたらしく、娘が録画してました。でも、この作品のことはよく知りませんでした。「そう言えばパソコンで予告を見た記憶があるな」って程度でした。果たして大阪でも上映してたのでしょうか。
舞台は近未来。何もかもが無機質で暗~い世界。人口が減少しているのでしょうか。子作りを奨励する放送なんかが流れています。人類は「社畜」と「家畜」に分類され、いわば「家畜」は負け組なわけです。絶望して自殺なんかすると、すぐ人肉加工工場に持って行かれ、お肉になります。みなそれを食するのですが、人肉であることはすべて表示されているので、そこは親切かもしれません。
風景は「セブン」のように暗く、何の説明もないものの、なんらかの気候変動か天変地異でもあったのかと思わせます。
一応上流階級っぽい格好をしているのは「社畜」、彼らは世の中にどういう貢献をしているのかわかりませんが、人々を「社畜」と「家畜」に分別することも仕事のようです。人々は理不尽な要求を突き付けられ、それに答えなければ「家畜」となり、一生虐げられることになります。
多くの「社畜」は、迷うことなく使命を遂行していますが、なかには「こんなのおかしい」と思っている人もいて、主人公とその妻はその例のようです。つまり、主人公は表情も変えないような「社畜」ですが、妻はそんな夫を冷ややかに見つめ、別れようかと真剣に考えているようです。(ところで関係ないですが、妻が働いている様子は描かれません。近未来でも”専業主婦”という形態が存続しているのでしょうか。それとも、現在では想像できないような働き方があるのでしょうか。)
ともかく、セリフを極限まで削ってあるので、わかりづらい映画ではありました。画面もほとんどモノクロに近いような印象です。「あれはなんだったのかな」と、最後まで説明がなくてよくわからないものもありますし、結局よくわからないお話でした。
最後の方に、主人公が自分に対して「これではいけない」という”気付き”があったような描かれ方もするのですが、そしてそれが一筋の希望となっているのかもとも思うのですが、でもだからといって、どうなるものでもないような気もします。
感性が鋭くなく、芸術家肌でもない私には、「ん・・・」な作品でした。