父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。
11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。
テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。(映画.comより)
<2024年3月9日 録画鑑賞>
この映画、私はイマイチどうとも思わなかった。お父さんのシリアスな表情から、大体の予測をしながら見たのだけれど、まぁ悩みは人それぞれ。子供に対する責任はあるだろうけれど、それにも勝って悩んでいたのなら仕方がない。それに娘は充分愛されていた。個人的には、若い頃からこういう「両親が離婚した家庭の子が、時々普段一緒にいない方の親に会う」というシチュエーションがいつも羨ましかった。この映画のように、優しくしてもらって、バカンスに連れ出してもらって、楽しんで。うちの両親はいがみあってばかりだったけれど、結局離婚しなかった。すさまじい家庭だったので、父親に優しくしてもらった記憶はもちろんないし、ましてや物を買ってもらうとかバカンスに行くなんてとんでもない。母親にも「お前たちがいたから我慢したんだ。子供さえいなければとっくに離婚していた」「結婚式のときなどにお前たちが肩身の狭い思いをしないためだった」などと散々恩を着せられ、ことあるごとに親不孝者呼ばわり。どうせ貧乏だったし、いっそ離婚して時々優しくしてもらえるならそっちのほうがよかったと、こういう映画を見るたびに思います。この少女は、父親にいい思い出があるからこそ、同じ年齢になった時にそれを振り返り、しみじみ感じ入ることができるのです。むしろ幸せだと、私は思います。世の中は、いろいろなんだろうけれど。
後ろ向きなことをすみません。せっかくの名作なのに、つまらないことを書きました。このお父さんは、優しすぎて繊細だったのかもしれませんね。幸せって、なかなか難しいけれど、主人公の女性の幸せを祈ります。