田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

フンパヨン 呪物に隠れた闇(Hoon Payon)

2024年08月18日 18時51分52秒 | 日記

Hoon Payon (2023) - IMDb

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フンパヨンとは、釈迦の時代から存在する一種のお守りである。
神聖であると同時に恐ろしいものでもあるこの人形には、呪術師の強力な呪文がかけられている。
フンパヨンにはさまざまな流派があり、身を守るものもあれば、破滅を招くものもある。
 
 タームは出家した兄のティーに会うために旅に出て、ドンシンタム島の寺院にたどり着いた。タームは、ティーが前の僧院長を殺して逃亡したという噂を聞くが、ティーが人を殺すことができるとは思えない。この村でタームは、身寄りが無く寺に住んでいる純粋な青年、テと知り合った。
この村では“ポープー”という人の形をした像が信仰されていた。またこの島では人が死ぬと遺骨の一部を入れ、土の像(フンパヨン)を作って拝む習慣がある。ジェットはフンパヨンの作り手だ。タームは村人たちの信仰に疑問を抱き、村を守る霊的な存在というよりも、盲目的な迷信だと考える。
ある夜、タームは怒りに任せて“ポープー”への供え物を壊してしまった。その後、恐ろしい出来事が次々と起こり、村は恐怖に包まれる。女性が行方不明になり、死人が続出し村人たちは怒りに燃える。闇夜に人の形をした“フンパヨン”像が森の中を彷徨う。人形師のジェットは呪文を唱えて、皆の身を守ろうとするのだった。(公式ウェブサイトより)
 
 
 
<2024年7月7日 劇場鑑賞>
 タイ・ホラーって久しぶり(というか、タイ映画自体が久しぶり)と思って見ました。こんな珍しい映画を田舎で上映してくれてありがとう。タイ映画って、コメディチックなものからおかまちゃんの映画まで、いろんな映画を見たけれど、一番印象に残っているのは「ムアンとリット」かな。これは史実で、若い二人(リットは若手修行僧)が懸命に王に訴える姿も初々しかったけれど、なにより「名君」とされるその王こそが「王様と私」で描かれた賢王だったことがわかり、とても印象に残りました。
 
 さて、今回はホラーです。かの国は仏教国で、国民皆が信心深そうだから、なんでもありな感じがしていたのだけれど、案外犯人ははっきりわかるし、寺院に出家している若者たちは意外にヘタレだし(キャーキャー言ってるだけで「お前が行け」みたいに自分は逃げてばかり)、少し頭の弱いテという若者が村にいるのだけれど、先輩僧ともあろうものが彼をいじめたりするし(写真2枚目。兄を訪ねて来た主人公も、見かねて「あなたたちは修行で何を学んだんだ」と抗議する場面も。すると逆ギレしてけんかに。師匠から”けんか両成敗”を食らいます)、不思議な現象は起きるのですが、それより修行僧たちのいい加減さに驚きました(笑)。食いぶち減らしで寺に預けられる男子もいるのかもしれませんね。
 
 現地には、死者の遺骨を中に入れて等身大くらいの土像(フンパヨン)を作る職人がいるのだけれど、彼がまだ若いのにやり手で、土像を作るだけでなく、呪いを見破ったり自身も霊的な力を発揮したりして、不可思議な謎を次々と解明してゆくのです。それはまるで「変な家」の佐藤二朗のようで、この映画、たくさんの若者がワーワー言わなくても彼一人がいれば、事足りたのではないかと思うほどでした。
 
 しかし・・・呪いをかけた張本人やいろんなことを人為的に仕掛けた犯人もわかりました。ラストは穏やかなシーン。兄の疑いも晴らせた主人公は、ちいさな船に乗り、帰途につきます。「よかった~」と、せっかちな人ならもう席を立ちかねないほどのラストで、信じられないどんでん返しが起こります。これは怖い。本当に怖かった。
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