田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ザ・コンサルタント(The Accountant)

2017年01月29日 14時42分54秒 | 日記

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 「アルゴ」のベン・アフレックが、凄腕の殺し屋の顔を持つ謎の会計士を演じたサスペンスアクション。田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフには、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切り、年収10億円を稼ぎ出す命中率100%のスナイパーというもう一つの顔があった。そんなウルフにある日、大企業からの財務調査の依頼が舞い込んだ。ウルフは重大な不正を見つけるが、その依頼はなぜか一方的に打ち切られ、その日からウルフは何者かに命を狙われるようになる。アフレックが主人公ウルフを演じるほか、「マイレージ、マイライフ」のアナ・ケンドリック、「セッション」のJ・K・シモンズらが出演。監督は「ウォーリアー」「ジェーン」などを手がけたギャビン・オコナー。(映画.comより)

 

 

 

 

 勧善懲悪なスカッとしたヒーローものかと思いきや、案外シリアスな映画でした。冒頭、幼い男の子が、とある神経科学研究所を両親と訪れています。どうにも普通の子とは違うところを持ったこの男の子クリスチャンは、落ち着きなくしている割には難しそうなパズルをやっているようです。そばでは弟がおとなしく座っています。どうやらこの子は普通に生まれてきたようです。研究所の先生は入所を勧めましたが、軍人である父親が頑として聞き入れず、連れて帰られることとなります。パズルをやっていた男の子は、最後のピースが見つからず騒ぎ始めます。と、近くにいた、言葉を充分に話せない女の子が彼の意向を察し、ピースを見つけて彼に差し出します。おかげでパズルは完成。男の子はなんと、裏向きでモハメド・アリのパズルを完成させていたのでした(えぇっ!)。これからご覧になる方は、このシーンをよく覚えておくようにしてください。冒頭のシーンが物語の要となります。

さて、「社会では自分で生きてゆくしかない。誰も特別扱いなんてしてくれない」と、息子たちにスパルタに臨む夫について行けず、少年たちの母親は家を出て行きます。母が大好きだったクリスチャンは取り乱し暴れますが、父はそれを抑えこみ「ソロモン・グランディ」の歌を歌って落ち着かせるのでした。この歌は古い民謡ですが、一定のリズムを維持するので、落ち着くにはいいようです。

父は生きてゆくための基礎だけではなく、強さも身につけさせます。ここで彼ら(兄弟)が習得したのがインドネシアの格闘技シラットです。

やがてその飛び抜けた計算力を生かし、会計士となったクリスチャン。表向きは庶民に優しい普通の会計士ですが、実は非合法の組織などの不正会計をも担当し、マネーロンダリングも請け負っている模様です。それでも奴らに殺されずに済んでいるのは、自分自身が腕利きの殺し屋だからです。寡黙に仕事を遂行しながら、時として落ち着くために「ソロモン・グランディ」をくちずさむクリスチャンは、コミュニケーションがうまくとれない「高機能自閉症」です。自閉症でも、知能に問題はないわけですね。いやむしろ優秀です。大きな音や強い光に弱いとされる病気なため、彼は夜な夜な訓練を欠かせません。そんな淡々とした毎日を送っていた彼に、ふと「普通の企業」の依頼が舞い込みます。若い社員が不正会計を見つけたというので、調べて欲しいということでした。過去の記録をさかのぼると言っても、最短で15年。おおかた、偉いさん方は「一朝一夕にはできないし」くらいに構えていたのだろうけれど、クリスチャンは膨大な審査を一晩でやってのけたのです。そこから、彼は危険なことに巻き込まれてゆくことになります。

話は幾重にも重なって、複雑です。単純なヒーローものを予想していて、構えてなかった私はかなり混乱しました。いや多分、きちんと理解しなくてもベン・アフレックの活躍を楽しめると思うのですが。

この映画で特筆すべきはベン・アフレックです。非常にうまい!がっちりとした体格をもてあますようなどぐささを見事に体現しています。「高機能自閉症」をかなり勉強したんでしょうね。本当にうまかったです。それでも素敵な女性、アナ・ケンドリックに好意を持ったり、彼女と話すために相手の目を見るようにしたり、努力もします。でも、普通に恋愛できないことは本人が一番わかっているのです。なんかな~でした。

お勧めです。

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ジャッジ 裁かれる判事(The Judge)

2017年01月24日 08時19分27秒 | 日記

 

 

「アイアンマン」「アベンジャーズ」で記録的ヒットを飛ばすロバート・ダウニー・Jr.と、「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」といった伝説的作品で名演を披露してきたロバート・デュバルが父子役で共演を果たした法廷サスペンスドラマ。有能な弁護士だが真偽よりも勝利にこだわり、金持ちを強引に無罪することで知られるハンク・パルマー。父のジョセフ・パルマーは世間から信 頼を集める判事だったが、そんな父が苦手なハンクは、長らく父と絶縁状態にあった。しかし、ある時、ジョセフが殺人事件の容疑者として逮捕されるという事件が起こり、ハンクが弁護人を務めることに。正義の人である父が殺人を犯すはずがないと信じるハンクだったが、調査が進むにつれて疑わしき証拠が次々と浮上する。監督は「ウエディング・クラッシャーズ」「ブラザーサンタ」といったコメディ作品を多数手がけたきたデビッド・ドブキン。法廷でハンクと対峙する検事役でビリー・ボブ・ソーントンが共演。(映画.comより)

 

 

 

 さて~、どんどん「録画溜め置き鑑賞」の感想を進めてゆきます。溜め置いた上、感想文仕上げも溜まってるので、映画自体が古いのはご容赦ください。

公開時から気になっていた作品。名優ロバート・デュバルとダウニー・Jr.の共演ですから。私事ですが、ロバート・デュバルは年齢を重ねて私の父にとてもよく似ているのです。こんな名優に父が似ているなんて、私もずいぶん厚かましい物言いですが、若い頃は全然そうでもなかったのに、歳を取ってから、本当に雰囲気が似ている気がします。名優の方がほんの少し年上ですが。

設定はわりと良くある感じ。「カタブツな父」「成績優秀だけれど奔放な次男」が主人公で、当然うまくいかないため疎遠になってます。そこに、「運動能力に恵まれ、将来を嘱望された野球選手だったけれど、次男が起こした事故が元で諦めざるを得なかった長男」や「未だに色っぽくてきれいな元カノ」「少し障害がある三男」などが絡みながら話は進みます。(次男が故郷と疎遠になっているのは、兄に対する負い目もある)

父親に厳しくされ、愛された記憶をほとんど持たないため、ちょっとスネて「カネで動く弁護士」になっているダウニー・Jr(都会在住)。夢だった野球選手を諦めた長男(ビンセント・ドノフリオ)は、その巨体をもてあましながら、ごく普通の一般市民の生活を送り、「いい人」で通っています(故郷に在住)。そんな中、「正義の人」で「カタブツ」だったはずの父親が逮捕されたと聞き、驚いた次男が故郷に帰ってくるのです。ちょうど妻(三兄弟の母)を亡くした後で、父も気が動転していて、考えられないことを口走ったんだろうとか思って。

しかし、父が起こしたとされるひき逃げ事件は、父に不利な状況ばかりが明らかになります。被害者の男とも確執があったのです。男が10代だった頃、ある少女に対する暴力事件を起こしたのですが、「更正の余地あり」ということで父は軽い罪状にしました。しかし、彼は釈放された後に少女を殺し、殺人罪で20年を食らうのです。そして、まともではないその男は、ずっと判事を恨んでいます。コンビニのカメラにも、偶然会った判事に罵りの言葉をかける男の姿が。動機は充分だったわけですね。

最初は息子の弁護も断る判事。しかし、判事の頑固さと事件の難しさに、若手の弁護士に辞められた判事は仕方なく次男に弁護してもらうことに。しかし、どうにも事実と父の証言が合いません。どうしてこんなことになるのでしょうか。正義の人である父・判事の誠実さは揺らがないと言うのに。

これ以上書くとネタバレです。実は深い事実もあったりするのですが、それがメインではなく、このお話は「うまくいかなかった父と息子が、紆余曲折を経て互いを理解するまで」ということだと思います。この辺の描写はとてもうまいようで、男性(とくに似たような境遇の人)は、「涙なしでは見れなかった」とか、「名作!」とか書いているようです。私は女なので、同じように親と確執を持っていても、様相が違います。そのため、頭では理解できても、体で理解することはできませんでした。でも、よくできた映画なんだろうと言うことはわかります。俳優たちも素晴らしい。元カノ役のヴェラ・ファミーガの色っぽさは、ずるいほどです。憧れるわ~(笑)。

お勧めです。

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海賊とよばれた男

2017年01月22日 11時09分08秒 | 日記

 

 2013年度本屋大賞第1位を獲得した百田尚樹の同名ベストセラー小説を、同じく百田原作の「永遠の0」を大ヒットさせた岡田准一主演×山崎貴監督のタッグで映画化。出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしたといわれる主人公・国岡鐵造を岡田が演じ、吉岡秀隆、染谷将太、綾瀬はるか、堤真一ら豪華キャストが共演する。主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を見抜いていた国岡鐡造は、北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者や欧米の石油メジャーなど、様々な壁が立ちふさがる。それでもあきらめない鐡造は、型破りな発想と行動で自らの進む道を切り開いていく。やがて石油メジャーに敵視された鐡造は、石油輸入ルートを封じられてしまうが、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を秘密裏にイランに派遣するという大胆な行動に出る。それは当時のイランを牛耳るイギリスを敵に回す行為だったが……。(映画.comより)

 

 

 

 普段邦画はあまり見ない方なのですが、最近「この世界の片隅に」を見て、ちょっとこの辺の歴史に興味を持った、ということと、やはり”成功した男”の物語を見てみようとも思い、チャレンジしました。少し長かったですね。CMも入れると2時間40分くらいあったと思います。

お話は「出光興産」社長の一生。「出光」のガソリンスタンドは、物心ついた頃からありました。最近は見かけない様な気がするけど、気のせいかな。戦前・戦中・戦後にかけての果敢なビジネスマンの物語。どれだけ行き詰まっても社員を見捨てず、熱く語りながら新たなことにチャレンジしてゆくさまは、ゴージャスなVFXとも相まって、圧巻です。また、要所要所に挟まれる「社歌」。社員の士気を高めるのに、かなり有効だったようです。

石油がまだマイナーだった時代(映画では1912年)に、石油の商売を営んでいた國岡鐡造。うまくいかずに行き詰まりますが、近藤正臣演じる金持ちのパトロンが出資してくれます。彼は、以前も出資してくれていたようで、鐡造にはよほどの人的魅力があったのでしょうね。そんなとき、当時だぶついていた軽油がうまく使えることを発見した鐡造は、既存業者の利権の及ばない海上で軽油を安く売り、事業を成功させてゆくのです。よく見えるように大きな旗を振り、「油持ってきたけぇ~」と大声を出し、海上でパイプをつないで給油しました。社員も増え、嫁さんももらい、とりあえずは順風満帆。

その後は、満州への営業も。寒い満州でも凍らない「車軸用潤滑油」を開発・販売します。しかし、すぐれた商品であるにもかかわらず、当時取引があったメジャー系会社に阻まれ、商談は成功しません(1918年)。しかもその頃、子供が出来ないことを気に病んだ妻が実家へ帰ってしまうということも。(のち、別の女性を娶り、跡取りは生まれる)

回想が少し飛ぶのですが、この後1941年太平洋戦争が勃発した頃は、「石油統制配給会社」を出し抜いて、陸軍による南方基地での石油取り扱いを一任されます。

そして1945年、東京も大空襲に遭い、ほとんどの建物が焼け落ちた中、この「國岡商店」の本社建物は残っていたのです。戦争から帰還した社員も含め、全社員の雇用を継続すると宣言した鐡造は、生き残りを懸けて別の業種にも手を出します。そんな中、GHQからの依頼でラジオ修理の仕事を引き受けます。無事銀行からの融資も受けることが出来たこの「ラジオ修理業」は、戦後の國岡商店を大いに助けます。また、全国の石油タンクの底に残る石油をさらう業務も受注します。これは、どこも断ったキツい仕事。しかし鐡造は、自らも参加して社員を励まし、お国のために働くのです。そして2年後の1947年には見事にやりきったのです。

これを見ていたのがGHQで働く通訳の武知(鈴木亮平)。自ら國岡商店の一員となることを志願し、即決で雇った鐡造は、GHQの内部情報など教えてもらえることとなるのです。このおかげで国内で正式に石油を販売できる業者になれた國岡商店。例の「底をさらう事業」も評価されたようです。

そしていよいよ、1951年、自前の巨大タンカー「日承丸」を進水するのです。

しかし、戦後の厳しい世の中で、いよいよ石油メジャーからの仕入れルートを絶たれた鐡造は、イランからの輸入を目指し、日承丸を派遣することを決意。イギリスから独立したばかりのイラン付近には、まだまだ英国海軍が巡回しており、危険すぎる任務に幹部から猛反発を食らいながらも決行します。イランでは歓迎され、無事に石油を積むも帰途にイギリス軍に出くわす日承丸・・・。

結構ドキドキしました。今書いたストーリーが現在と過去を行ったり来たりしながら描かれます。少しわかりづらいところもありますが、鐡造の熱意は確実に伝わってきます。

なかなかによくできたお話なのですが、やっぱりあの時代だからこそできたことかな、とも思います。そんなこと、時代は移り変わるのだから当たり前だと言われればそうなのですが、社員たちの熱意と忠誠も、店主(鐡造)の言葉にいちいち感動するサマも、ちょっと今の時代では考えづらいかな、って感じでした。今は、仕事は「お金のため」で、熱弁も「わかったから給料くれたらええ」って感じの人も多いと思うし(笑)。冷めててゴメンだけど、若い頃に何度も出資してもらう姿にも「結局お金やもんな」と思いました。人生は巡り合わせで、それだけ鐡造って人も魅力があったんだとは思いますが、金持ちの道楽金がなければ彼はなかったのですから。

彼は96歳まで生きたようです。だからか、彼の一生をまんべんなく描くことに精一杯な感じで、岡田君はうまいし、周りも名優ばかりなんだけれど、イマイチ感動に欠ける映画だったように思います。スゴい人だったんだろうけど。

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この世界の片隅に

2017年01月15日 12時45分39秒 | 日記
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 第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックを、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直監督がアニメ映画化。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。能年玲奈から改名したのんが主人公すず役でアニメ映画の声優初挑戦を果たした。(映画.comより)

 

 

 ものすごく話題でしたね。最初は都会でしか上映されていなかったのに、降りてきたのです、田舎に(笑)。まぁ都会でもまだやってるみたいですけどね。

あまりに話題なので見てみたわけですが、少し難しい映画だったように思います。もちろん、史実に基づきかなりリアルに作られてあり、むしろアニメだから描けたのかと思われるほど、お話自体はリアルです。示される事実もね。しかしながら、原作を知らないとわからないような部分もあり(例えば、主人公のすずさんはある男性から求婚を受けるのですが、彼とは子供の頃出会っていると言われます。でもよく見ていないとどこで出会っているのかわからないのです。幼少期を描いているときはまさかそこに繋がると思わずに見ていますし)、歴史もよく調べて書かれてあるだけに、詳しいことを知らないと理解できないような場面もわりとあります。もちろん、私の知識が浅いだけかもしれませんが。

戦時中の市井の人々の普通~~の生活を描いていて、ここにストーリーを述べるまでもありません。私たちがよく知っている、原爆を落とされるまでの数年間を史実通りに描いた作品です。舞台は呉。空襲も受けるけれど、広島の原爆は遠目に見える、そんな感じの展開です。そして、主人公の実家は広島市。当時は都会だったようですね。すずが住んでいたところはそうでもなかったようですけど。

この作品の中で、主人公のすずが何度か「私はいつもぼぅっとしとるから」と言う意味のことを言うのですが、いやいやそんなことないです。なかなかにしっかりしていると思います。たかだか18歳で嫁入りなのに最初に逢った婚家のおばに「ふつつかものですが、どうかよろしくお願いします」と、両親より前に踏み出て言うし、何かにつけて工夫してやりくりしていくし、決してぼぅっとしているようなことはありません。なんでこんなこと言うのかな、と思うくらいです。

「広島の子やって言うから、どんなにあか抜けた子かと思うとったのに、なんね!そのつぎはぎだらけのもんぺは!」と言ってのける、典型的な強気な姉とも相まって、少し描き方に疑問を感じるところもなきにしもあらずでしたが、そんなことは、メインのストーリーには大きく関係しません。とにかくよく書けた物語です。今回、実際にこれだけの映画を見て、いかに自分が知ってるつもりで何も知らなかったか、ということを思い知らされました。勉強します・・・。

原作を読んでみたいな、と思いました。短い感想ですみません。

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チェイス!(Dhoom: 3)

2017年01月09日 17時43分42秒 | 日記

Dhoom 3

2013年インドで公開され、「きっと、うまくいく」(09)や「チェンナイ・エクスプレス」(13)を抜き、同国歴代最高の興行成績を記録、アメリカでも公開もされ、全米週末興行ランキングで9位に食い込んだアクションエンタテインメント。米国シカゴでサーカス団を率い、天才トリックスターとして人気のサーヒルは、マジックとダンスを融合させたゴージャスなショーで人々を魅了している。しかし、彼には腕利きの金庫破りという裏の顔があり、幼 い時に父を破滅に追い込んだ銀行へ復讐するため、犯行を繰り返していた。そんなサーヒルを追い、インド本国から検挙率ナンバーワンの刑事ジャイとその相棒アリがやってくるが、サーヒルは人生最大のトリックを仕掛け、金庫破りを実行する。インド映画史上最大規模の製作費をかけ、米シカゴで撮影されたバイクによるアクロバティックなカーチェイスシーンも見どころ。(映画.comより)

 

 

 

 ここのところインド映画にハマっている娘のおすすめ映画。主演のアーミル・カーンは「きっとうまくいく」でも見ましたし、前後しましたが劇場で最近も「PK」を見ました。確かに大活躍の俳優さんです。私の世代ではラジニカーント、次にシャー・ルーク・カーンくらいしか知らなくて、インドの「三大カーン」も、このアーミルによって認識したのでした。女性と言うことでは、若い頃ミラ・ナイール監督の映画など見ましたけどね。

 さて、この映画は原題を見ればおわかりのように、シリーズものの3作目です。これは私も見るまで知らなかったのですが、いままでの2作はDVDスルーだったようです。従って、今までの経緯を知っている方が楽しめます。ついでに言うと、日本ではアーミル・カーンが目立っていますが、この映画は、刑事役で登場するアビシェーク・バッチャン(とそのイマイチ頼りない相棒)のシリーズということになります。「dhoom」は「爆音」と言うだけあって、第一作目ではバイカーの現金強奪犯を刑事たちが追いかける、という「バイクの轟音」が元になっているようです。で、シリーズものは、その都度魅力的な悪役が登場するようで、今回はそれがアーミルだということですね。なので、今回のアーミルもバイクを乗り回します。これが現実にはありえないほど高性能なバイクだったりするのですが(笑)。ま、映画は娯楽だと言うことで。

前置きが長くなってしまいました。今回は、アメリカはシカゴで、マジックとダンスを融合したゴージャスなショーを繰り広げているサーカス団のお話。

主人公のアーミルは、サーカス団を率いる父の元、自分もいろんな技を身につけながら成長しました。しかし、このエンターテインメントに対する投資をある銀行に断られたために行き詰まり、やがて父は亡くなってしまいます。がめつかった銀行家への復讐を胸に、アーミルは裏の顔を持つようになります。それは、身軽さを生かしたプロの金庫破りでした。

もちろん、金庫破りは犯罪ですから、刑事が出てきます。これが「DHOOM」シリーズの主人公ですね。インド映画独特の華やかさを持ちながら、話は展開してゆきます。

マジシャンということで、ちょっと「プレステージ」みたいな感じ。お話はかなり違うのですが。あと、銀行家がすごい悪者みたいに描かれてましたけど、長らく社会に生きてきた人間としては、ああいう目に見えないモノに、簡単に投資するかな、とも思います。私が資産家でも同じように考えたかも、な~んて思いました。

今回の作品は、どうしてもアーミル・カーンが主人公になっちゃってるので、本来の「DHOOM」シリーズを見てみたいと思いました。刑事役のアビシェーク・バッチャンは大スターの父親と共に、本国ではとても人気なんだそうです。父・バッチャンが「ランプの魔神」をやった「アラジン」もあるらしいと娘が言ってました。とても見たいけれどなかなかない、とも。

これからは「隠れたインド映画」も見たいと思わせる一本でした。

 

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