田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

リトルプリンス 星の王子さまと私(THE LITTLE PRINCE)

2015年11月29日 08時54分37秒 | 日記

 

 

母親の勧めで進もうとしている進学校の学区内に引っ越してきた9歳の少女は、母親の言いつけを守り友だちも作らずに一生懸命勉強に励んでいた。そんな中少女は、壊れた飛行機を修理したり望遠鏡を夜空に向け眺めたりしている隣家の老人が気になり、母親の目を盗んで老人と親しくなっていく。彼はそれまで誰にも話したことのない特別な話をしてくれた。それは、以前彼が飛行士だったときに不時着した砂漠で出会った不思議な少年の話だった。小さな星からやってきた、一輪のバラと仲良しの少年……少年とは星の王子さまであり、老人はあの飛行機乗りの青年だった。ある日老人が病に倒れてしまい、少女は彼がいつかまた会いたいと言っていた王子さまを探しにオンボロの飛行機に乗って飛び立つ。(movie walkerより)

 

 

<ネタバレあり>

 

 子供の頃「星の王子様」は、キッコーマンの提供でアニメ番組が放映されていたのを記憶しています。「ララララ~ラ、ララララ~ララ、星の王子様~」という主題歌のフレームは頭に残っているのですが、ほとんど見ていなかったので内容をよく知りません。あんまりそういうファンタジーに興味がないかわいくない子供だったのかもしれません。ともかく、サン・テクジュペリという名前は知っていても、お話はよく知らなかったのです。

この映画は、その物語の「その後」を描いたもので、なんと後半、大きくなった王子様が出てきます。つまらない仕事をやらされ、「僕にそんなヒマはないんだ。邪魔しないでくれ」と忙しぶる青年は、もろ今の私達です。まさか星の王子様が・・・。絶句します。

主人公の女の子は、母と二人、優秀な進学校を目指し勉強に余念がない賢い子供です。その隣には飛行機乗りのおじいさんが住んでいて、世界を旅していた若い頃、星の王子様に出会ったのだそうです。砂漠で。忙しい母はよくおうちを留守にしているので、止められていても自然におじいさんと仲良くなった女の子は、王子様のお話を聞くのをとても楽しみにしています。

そんな折、年齢には勝てず入院してしまったおじいさんに代わり、女の子は王子様を探しに旅に出ることを決意します。プロペラ機なんて、そう簡単に飛ばせるものなんですかね(笑)。ともかく、女の子は飛ぶのです。

映画の前半(つまりおじいさんのお話に登場する王子様の逸話)は、原作に忠実に描かれているのだそうです。自分の星では一輪の美しいバラを心をこめて育てていたのに、そのバラと仲違いしてしまったことや、自分の星を飛び出した後、支配したいだけの「王さま」や褒められたがりの「うぬぼれ男」、所有したがる「ビジネスマン」などに出会い「大人って、変な生き物なんだね~。よくわからないや」というくだりや、地球で初めて出会ったのが細~いヘビだったり、誰もいない砂漠でキツネに出会っていろいろ教えてもらったり、一年くらいして飛行士さんに出会ったり。ふぅぅん、こんなお話だったのですね(って、遅いですよね)。

そして、女の子が見つけた「大人になった王子」は、すっかり社会になじんでしまってます。再び登場した「ビジネスマン」のビジネススタイルも、時代に即したものに変わり、成功しているようです。世の中は効率重視で動いていて、無駄なものは潰されてゆきます。

もちろん、映画はファンタジーですから、王子は目覚め、女の子と一緒におんぼろプロペラ機に乗って飛び立ちます。自分の星へ、愛していたバラのもとへ。そして規律一辺倒だった少女のお母さんも、娘と一緒に星空を見上げるくらい、余裕を持つようになります。

劇中、地球にはたくさんのバラが咲いていることに驚いた王子が「地球ではバラがこんなに咲くの?」とキツネに尋ねる場面があります。バラは唯一無二だと思っていた王子は戸惑っているのです。キツネは「君が時間をかけて育てたからこそ、そのバラは大切なんだよ」と諭し、「大切なことは、目に見えないんだ」と教えます。

また、必死に仕事しているビジネスマンに「そんなにお金が大事なの?」と尋ねるシーンもあります。

そうね・・・理想は理想として、たくさんの人が共存してゆくにはある程度の「効率」が求められるのは当たり前だし、生きてゆく基本としてお金が必要なのも事実。なんかな~でした(笑)。

絵はとてもきれいだったけれど、俗人の私にはメリハリのないお話で、あんまり感動ポイントもありませんでした。今回、チビ息子と行ったのですが、小さい子には話が哲学的過ぎてわかりづらいと思ったし、私のような大人にはどれもこれも「どこかで聞いたような話」で今さらだったし、これはハズレだったかな。もちろん、私があまりに擦れているだけで、美しい映画です。俗人すぎてピュアな心を持てない自分が恥ずかしい限りです。

大人になってもこんなにピュアであり続けた人って、どんな感じなんでしょうね。会ってみたい気もします。

 

 

 

 

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コードネーム U.N.C.L.E.(The Man from U.N.C.L.E.)

2015年11月27日 07時24分03秒 | 日記

「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督が、1960年代に人気を博したイギリスのTVシリーズ「0011 ナポレオン・ソロ」を新たに映画化したスパイアクションアドベンチャー。東西冷戦下の1960年代前半。核兵器とその技術の拡散によって世界を滅ぼそうとする国際犯罪組織の存在がキャッチされ、その陰謀を阻止するべく手を組むことになったCIA工作員ナポレオン・ソロとKGB工作員イリヤ・クリヤキンは、組織に潜入する鍵を握るドイツ人科学者の娘ギャビーを守りながら、行方をくらませた科学者を探し出すため奔走する。凄腕だがプレイボーイで女に弱いソロ役を「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カビル、真面目で几帳面だが短気なイリヤ役を「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマーがそれぞれ演じる。共演に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のアリシア・ビカンダー、「ラブ・アクチュアリー」のヒュー・グラント。(映画.comより)

 

 

 

 おもしろかった!よく考えるとアホな話なんだけど、理屈抜きにおもしろかった。主人公は美男美女、どの人もスタイリッシュでケレンミたっぷり。「人間は見かけよ」と言わんばかりのおしゃれな人たち。そして、どの人も才能に溢れていて頭がいい。娯楽作品ですねぇ。

私、テレビドラマの方は全然知らないのですが(「ナポレオンソロ」という言葉が意味はわからないけど頭の隅に残っている程度)、こういうのが毎週展開されるのだったら、さぞかしおもしろかったでしょうね。冷戦なんてとっくに終わった現代でも、アメリカのスパイとソ連のスパイが手を組むと聞くと奇異な感じがします。それを当時、こんなにおしゃれにやっちゃったプロデューサーたちって、すごいですね。

さて映画の方です。ナポレオンソロが着こなすのはイギリス・サヴィルロウの老舗仕立てのスーツ。かの「背広」の語源になったってやつじゃないですか?「キングスメン」で聞いたような気がします。着こなすヘンリー・カヴィルの偉丈夫さとハンサムさも相まって、魅力的なことこの上ない。こんなカッコいい男、反則じゃないですか(笑)?対するイリヤ・クリヤキンのブラウンレザージャケットは、ラルフローレンのヴィンテージを実際に使用しているんだそうです。また、女性たちの衣装・装飾品もメゾンブランドのオンパレード。見栄えのする俳優さんたちを使わなきゃならないわけですね。

ともかく、ここまで来るとストーリーはもはやどうでもいい(笑)。目で楽しむのみです。

日本では「ローマの休日」で誰もが知ってるスペイン広場の階段をイリヤとその婚約者(役)が降りてきたり、そこへソロがベスパで登場したりと、思わずにやける遊び心も。

ソロが泊まるローマのグランドプラザホテルは、今も60年代の趣そのままで存在しているのだそうです。泊まってみたい!高いだろうけど。あっそうそう。ヒュー・グラントが年輩になっててびっくりしました。当たり前なんだけどね。

ともかく、おしゃれすぎですねぇ。続編もできるのかしらん。

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ミケランジェロ・プロジェクト(The Monuments Men)

2015年11月23日 10時13分25秒 | 日記

 ジョージ・クルーニーが監督・製作・脚本・主演を務め、第2次世界大戦中の実話を映画化したサスペンス。ヨーロッパ各国に侵攻したナチスドイツが歴史的に重要な美術品の略奪を繰り返していた第2次世界大戦下、ルーズベルト大統領から建造物や美術品を保護する任務を託された美術館館長フランク・ストークスは、7人の美術専門家で構成される特殊チーム「モニュメンツ・メン」を結成し、危険な状況下で美術品保護のための作戦を遂行していく。主演のクルーニーほか、マット・デイモン、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ジャン・デュジャルダン、ケイト・ブランシェットら豪華キャストが出演。(映画.comより)

 

 

 

 今頃ねぇ・・・。一時すごく楽しみにしてたのに、結局来なかったから諦めた作品。おかげで取ってあった映画のチラシがどこへいったかわからなくて、必死に探しました(笑)。

しかし、秀作でした。見れて良かった。私、個人的には、ジョージ・クルーニーはハンサムで実力のある俳優だとは思うのですが、実は監督作はよくわからなかったりしたので(多分自分がバカなだけとは思うのですが)、俳優としての彼の方が好きだなぁ、と思ってました。しかし、今作は感動しました。やっぱりすごい人ですね。私、こんなことがあったという事実すら知らなかったわけですが、よく理解できました。

ヒトラーは元々画家を目指していたと言われる人なので、芸術品には造詣が深かったのでしょうね。見る目もあったのかもしれません。ともかく、(ドイツの)ユダヤ人の家、フランスの美術館や教会と、ありとあらゆるところから芸術品を取り上げ収集しています。時は第二次世界大戦が終息に向かっている頃。誰もが戦争の終わりを予想できる状態になっても、なおヒトラーは、いえ負けそうだから余計なのか、収集を止めず、いよいよどうにもならないときは破壊する・燃やすなどの凶行に出ようとしています。

そんななか、芸術や建築のプロを集めた「モニュメンツ・メン」が編成され、世界的な文化・芸術を守り、元の場所に戻そうと活動を始めます。どこへ行っても「戦争でみな命を懸けているのに、芸術品なんか」と怒鳴られ鼻であしらわれ、それでもめげずに兵士として一定の訓練を受けた後、世界各地に散らばります。

率いるのはジョージ・クルーニー扮する大学教授。この物語は実話に基づくと聞きましたが、確かに。これだけの歴史遺産、その道の人なら命を賭してでも守りたいという使命に燃えるのは理解できます。むしろ人生の最後にこれだけの大仕事に巡り合えた人たちは幸せだったでしょうね。

もちろん、燃やされてしまったもの、破壊されてしまったものも数知れずです。しかし、守れたものも大きかった。例えば「聖母像」。無教養な私にはその価値はわかりませんが、この映画では守るべきものの象徴としてクローズアップされていました。

それにしても、今年は戦後70年になるからかな、戦争やナチスに関する映画が目立つように思います。この映画は単に延期だったのかもしれませんが。

俳優さんも豪華です。ジョン・グッドマンやビル・マーレイ、ボブ・バラバンからケイト・ブランシェット、「アーティスト」のおじさんジャン・デュジャルダンなど。みんないい味出してましたね~。さすがです。

いい映画でした。

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ハミングバード(Hummingbird)

2015年11月20日 07時51分01秒 | 日記

 「堕天使のパスポート」「イースタン・プロミス」の脚本家スティーヴン・ナイトが主演にジェイソン・ステイサムを迎え、記念すべき監督デビューを飾ったクライム・アクション。英国の裏社会を舞台に、どん底の生活を送る男が、一人の少女の仇をとるべく復讐の鬼と化すさまを描く。
 アフガニスタンの戦場で5人の仲間を殺され、報復のために敵を5人殺した特殊部隊兵士ジョゼフ・スミス。その犯行は無人偵察機“ハミングバード”に監視されていた。彼は逃亡を図り、ロンドンの下町で惨めなホームレス生活を余儀なくされる。そんな中、彼が唯一心を通わせた少女がギャングにさらわれてしまう。その後、図らずも他人になりすますことに成功した彼は、裏社会でのし上がっていくとともに、懸命に少女の行方を捜し続けるのだったが…。(allcinemaより)

 

 

 

 随分前、本当にかなり前に録り置きを見たのだけれど、自分で「劇場で見たものを優先して書く」と決めているがためにどんどん後回しになってしまった作品です。いや、自分の都合なんですけどね。先に見た娘も「お母さん、お勧めだから見てよ」と言ってた作品です。

さて、ジェイソン・ステイサムのアクション映画は数あれど、似たようなストーリーが多くて凡人な私は区別できないことも多いのですが、今回の作品はいつもよりはエモーショナルな感じに仕上がっていると思いました。もちろん、ジェイソンのことですから、アクションシーンも素晴らしいのですが、それより精神的な葛藤や明るみに出ない社会の闇に対する怒りに重きが置かれているような気がしました。

主人公のジェイソンは、かつて特殊部隊を率いる軍曹でしたが、戦場で犯した罪により「精神的に問題あり」とされ、監視されています。それから逃れるように、社会の底辺で浮浪者として、とある少女と組んで暮らしていました。しかし少女がいわれなく拉致され、その後を追ううち、社会で「成功者」とされる男達の薄汚い世界を垣間見ることとなり、怒り爆発。社会奉仕に人生を捧げるシスターと心通わせながらも、その復讐を諦めることはできず、二人は結ばれることなく道を分かちます。

シスターだって、体操選手として将来を嘱望されながら、コーチに性的いたずらを受け人生を潰した過去を持ち(話を聞いてたら、薄汚い男に本当に腹が立つ。なんで彼女が捕まって修道院に入れられねばならん)、今はホームレスの人々の炊き出しやチャリティーがメインの仕事。もちろん、それはそれで人々に感謝され、やりがいはあるようなのですが、過去から逃れるように没頭している彼女を見ると辛いです。

自らも会うことのできない娘がいるジェイソンは、それとわからないように娘を見つめたり、自分の記念写真をシスターに撮ってもらって残すのが精いっぱいです。

この映画、最後は勧善懲悪。悪い奴らは懲らしめられ、生活に困っている元妻にはお金を送り、シスターは新天地へと出発。すっきりと丸く収めて終わるのですが、なんだかな~な後味が残ります。そう言う意味ではジェイソンがうまくいい味を出していると思うのですが、世の中の不条理って・・・。

シスター役の女性、知らない女優さんでしたが、きれいな人でした。

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マルガリータで乾杯を!(Margarita, with a Straw)

2015年11月18日 07時46分27秒 | 日記

 障害を持ちながらも前向きに生きる少女の奮闘と成長を描いたインド発のヒューマンドラマ。若手女性監督ショナリ・ボースが、障害者の性や恋愛といった難しい題材も盛り込みつつ、様々な困難を乗り越えて真っ直ぐに生きる少女と彼女を温かく見守り続ける母親を描いた。生まれつき身体が不自由な少女ライラは、持ち前の明るさとチャレンジ精神でどんなことにも体当たりで挑戦し、人生を楽しんでいる。家族や友人たちに支えられながら大学にも通い、優しい母の計らいでアメリカの大学へ編入できることになったライラは、母と一緒にニューヨークへと旅立つが……。インドで生まれ育ったフランス人女優カルキ・ケクランが、繊細な演技で主人公ライラを演じた。(映画.comより)

 

 

 

 最近は、インド映画も女性を主人公にした秀作が多いですね。この作品は短く仕上げてあるので、少々内容てんこ盛りな感は否めませんが、それでも、前向きに生きる主人公の存在感が圧倒的なので、駆け足のような印象はありません。

日常生活に車椅子が欠かせない脳性まひのライラ。でも、天性の明るさと頭の良さ、そしてなかなかの美人ということで、何事に対しても前向きにトライしています。惚れっぽいところもあり、ちょっとイケメンとみるとすぐに好意をもってしまって失敗することもありますが、音楽が好きでリミックスや作曲にも挑戦しています。

そんなこんなで、国内の大学に進んでいたライラは、あるときニューヨークの大学に進学が決まります。新天地での生活に心躍らせるライラ。渋る父親をしり目に、母と二人アメリカに出てきます。

さすがに刺激の多いニューヨークですが、ものおじしないライラはここでも人気者。自分で上手にタイプが打てるのに、先生が気を使って手配してくれてあった筆記者がイケメンだったからといって出来ないふりをしたり(笑)、なにか知らないけど街でやってたデモに遭遇すると一緒に「そうだ!」と叫んでみたり、見ている私達が苦笑してしまうくらいに積極的です。

そんななかで、同性愛に目覚めてみたり、でもやっぱり男性も好きだとわかってバイセクシャルであることに悩んだり。もちろん、インドにおける伝統的な価値観とのズレも認識しています。次から次へといろんなことが起きますが、家族の愛情にも包まれ、自立してゆくライラ。秀作です。

主人公のライラを演じた女優さんがすごかったですね。私、本物かと思いました。インドで生まれ育ったフランス人なんだそうです。フランスには行ったこともないんだとか。

さすがに女性監督。繊細な部分も上手に仕上げてあります。敢えて難を言うと、ライラがモテすぎることくらいかな(笑)。お勧めです。

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