田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(Comandante)

2024年08月16日 18時48分30秒 | 日記

Pierfrancesco Favino nei panni del

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実話を基に描かれる、海の男たちの誇りと絆の戦争秘話
2023年ヴェネツィア国際映画祭オープニング作品。本作は、第二次大戦中、イタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニが沈めた敵国船の乗組員を救助したという実話を基に、戦時下においても決して失われることのない海の男たちの誇りと絆(シーマンシップ)を描いた重厚な戦争秘話。イタリア海軍の全面協力を得て実物大の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニを再現。CGでは表現できない本物の重厚な質感とクルーたちの過酷な勤務描写が、潜水艦映画の傑作『U・ボート』と比肩するクオリティを堅持し、「潜水艦映画」に目の肥えた観客たちを唸らせるだろう。監督は本作で2度目のヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出されたエドアルド・デ・アンジェリス。主演のサルヴァトーレ・トーダロ艦長を演じるのは数々のイタリア映画の巨匠たちに重用されてきた名優ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
 

STORY

1940 年 10 月、イタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つために地中海からジブラルタル海峡を抜けて大西洋に向かっていた。その作戦行動中、船籍不明の貨物船に遭遇する。艦砲を装備し、戦争地帯で灯火管制をしての航行であったためこれを撃沈。だがそれは中立国であるはずのベルギー船籍の自衛武装を備えた貨物船カバロ号だった。“イタリア海軍一無謀な少佐”サルヴァトーレ・トーダロ艦長は「我々は敵船を容赦なく沈めるが、人間は助けよう」とその乗組員たちを救助し、彼らを最寄りの安全な港まで運んでいく決断を下す。だが狭い潜水艦の艦内に彼らを収容するスペースはない。しかもその決断は、潜水艦唯一の長所ともいえる敵に見つからないよう潜航するのをあきらめ、自らと部下たち、さらには艦を危険にさらすのを覚悟のうえで、無防備状態のままイギリス軍の支配海域を航行することに他ならなかった——。(公式ウェブサイトより)
 
 
 
<2024年7月7日 劇場鑑賞>
 こういう史実を知らなかったです。田舎なのに珍しい映画が上映されているな、と思って「とりあえず見とこう」と思って出かけたのですが、いい映画でした。見れてよかった。
 
 話の筋は上にある通り。誤って中立国ベルギーの船を撃沈してしまった(その船にも原因があったのだが)ことから、乗組員は助けようということで、行動を起こす潜水艦艦長。乗組員の半分は、近くを航行していたパキスタン船に救助されました。あと半分を救助したということですね。しかし、それでなくても狭い潜水艦内。乗組員は大の男ばかりで、食料だって充分ではありません。船自体が積載超過ということで、航行スピードも遅くなりますし、見つからないよう航行すること自体が難しくなります。そこで、艦長はイギリス軍の船に出くわした時も、正直に状況を伝え、艦長にそのまま航行させてほしい旨を伝えます。「噓かもしれない」・・・心配する幹部もいる中、イギリス軍艦長は信じることを選びます。さすが、海の男。
 
 船内では、助けてもらったにもかかわらず、イタリアに対して「ファシストめ」と憎悪を持つものもあり、行動を起こす者もいました。おかげで通信手段が壊れてしまいました。これには艦長も怒り爆発。ベルギーの仲間も諫めます。他に助かる手段なんてないのに。
 
 「ベルギーの国民食は何だ」と聞かれて「フライドポテト」だと答えるシーンがあります。なんと、それまでイタリアでは、芋を揚げるという発想がなかったのです。「どうやって作るんだ」「いや、切って揚げるだけだけど」ということで、船のシェフがトライ。結果、とてもおいしいということで、この後イタリアでも広まることになるのです。「揚げ物好きのイタリア人が、これに気付かなかったなんて!」とシェフが叫ぶシーンが印象的でした。
 
 個人的には、かさ高くむさ苦しい男たちが、ぎゅうぎゅう詰めで動く様子がおかしかったです。笑ってはいけないのでしょうが。主演のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、見覚えがあります。いくつか映画を見ているようなのですが、はっきり覚えているのは「離ればなれになっても」くらいかな。でも、「題名のない子守歌」や「家の鍵」なんかは印象に残っている映画だし、他の大きな映画も見てあるから、きっと顔は覚えていたのでしょうね。
 
 劇中、艦長が皆を激励するのに「日本は、日露戦争でロシアに大勝した。ロシア艦隊は全滅したんだ!我々にだってできる」みたいなセリフがあってびっくりしました。ロシア艦隊が全滅したのは事実ですが、本当は辛勝だったはずです(笑)。史実では、艦長はこの後、自宅に帰ることはなく、家族に会うことなく亡くなったそうです。小さな子供がいたと記憶しますが。戦争って、ハッピーエンドでも悲しいですね。
 
 少し長いですが、いい映画でした。
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