田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路(Nannerl, la soeur de Mozart)

2013年11月30日 23時03分53秒 | 日記

 

 18世紀を代表する作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの姉、マリア・アンナ(通称ナンネル)の数奇な運命を描いたドラマ。3歳年下の弟が“神童”と絶賛される一方、14歳のナンネルも音楽の才能を開花させていた。ある時、ベルサイユ宮殿に招かれバイオリンを披露したナンネルは、皇太子ルイ・フェルディナンと出会い、恋に落ちる。皇太子に才能を認められ、作曲をすすめられるナンネルだったが、当時の欧州では女性が作曲家になることは許されていなかった。(映画.comより)

 

 

 録り置きの映画です。といっても、そう古いものではありません。映画自体は2010年のものです。

世界中で知らぬものはない天才音楽家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトには実は才能のある姉がいた。しかし、時代が「女が作曲する」ことを許さなかった・・・そんなお話です。

ヴォルフガングの父、レオポルドも作曲家ではありました。少し教えただけでその才能を開花させた姉をかわいがりはしたものの、それは小さい頃だけで、ヴォルフガングが目の醒める神童性を発揮しはじめると、彼を溺愛するようになり、ナンネルにはヴァイオリンにさえ触らせないようになります。

裕福ではなかった一家。レオポルドも、貴族や王族などのパトロンを得ようと、才能のある子供たちを売り込むのに必死だったのでしょう。すべてにおいて、女に難しいことはできないとされていた時代、レオポルドがとった行動も当時としては当然のことだったのでしょう。

そしてこの映画では、フィクションとはいえ、時の王ルイ15世の私生児(女児)との交流や皇太子(つまりルイ15世の息子ね)との淡い恋が描かれます。女に許される行動は少なかった時代ゆえ、男装して皇太子に会ったり、(兄弟姉妹であるにもかかわらず)会えない皇太子と女児の間を行き来したり、色んな役目を勤めます。

そして、その才能を皇太子にも絶賛されながらも花開くことなく一生を終えるのです。

弟と違い長生きはしたようですが、父の晩年の看病などを一人で背負い、結婚も33歳で5人の子持ちの50代の男性と、など自分の幸せは追求しなかったようです。

ちなみにマリー・アントワネットで有名なルイ16世はこの皇太子の息子となるようで、件の皇太子は父より先に亡くなったので在位することはなかったようです。

同じ女として、いろいろ考えてしまいました。自分は才能ないので、特に悔しい思いはないわけですが、ナンネルの才能が花開いていればどうなっただろうか。そして、それは幸せだっただろうか、などとね。

今の女性たち(もちろん男性もですが)のように、選択肢が多すぎる(あるいは多いように見える)のも果たして幸せや充実につながるのかどうか。それは本人の心の持ちようもあるでしょうが、地位の高い皇太子でもすこぶる生きづらそうなその姿に、複雑な気持ちを禁じ得なかったわけです。

でも、結論から言うと楽しめました。モーツァルト家は家族愛にあふれる仲良し家族でしたし、皇太子もいい人でした。彼は、見たことあるような気がしたのですが、全然知らない役者名でした(笑)。

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アナザーカントリー(Another Country)

2013年11月27日 08時12分04秒 | 日記

 

 『モーリス』『眺めのいい部屋』に先駆けた1985年に日本公開された『アナザー・カントリー』は、主演ルパート・エヴェレットの人気沸騰によって英国貴公子ブームの火付け役となった。ドラマの主人公ガイ・ベネットは、この春公開された『裏切りのサーカス』のモデルとなった実在のスパイ集団ケンブリッジ・ファイヴの一員のガイ・バージェスだ。将来を嘱望された英国人エリートがなぜソ連側のスパイになったのか。ドラマは、1930年代、同性愛者だったバージェスのパブリック・スクールの名門イートン校時代に焦点を当てる。(アンプラグド公式ページより)

 

 

今頃すみません。映画ヲタクなのに今頃「アナザー・カントリー」なんて、本当にすみません。当時、まだまだ若かった私は、「モーリス」を見たのを覚えています。しかし、この作品は多分上映が終わっていたと思うのです。ホントに、映画ファンになりたての頃だったように思います。

で、ビデオのまま長年温めすぎていたわけですが、この主人公が「裏切りのサーカス」の主人公だったなんて!これは発見でした。実は「裏切り・・・」、劇場で見たものの、イマイチ理解ができず重厚な雰囲気を味わっただけで、頭の中は「??」のままでした。これは見直さないといけませんね。こんな予備知識があると、あるいは理解しやすいかも。

登場人物は、今見るととってもお若いのですが、声は変わらないのですね。若過ぎて最初はわからなかったコリン・ファース、声で彼だとわかりました。

映画の雰囲気はちょっと前に見た「炎のランナー」みたいでした。イメージが先行し過ぎて、竹宮恵子さんの「風と木の詩」みたいな話を想像していた私は、ちょっと肩透かしでした。

ともかく、当時名門パブリックスクールでは、同性愛は公には認められていませんでした。でも実際はけっこうあったのでしょうね。それで、名家の出だったルパート・エベレットは約束されていたエリートコースを遮られてしまったがために、国に対して復讐に出、それがスパイ活動へとつながるのですが、そうなることがわかっているなら、そしてそのコースからはずれることがそんなにイヤなら、もっと慎重になるべきだったでしょうね。

郊外の高級レストランでランチしたり、深夜に密会したり、あるいは下級生を通じて手紙を書いたり。こんなこと、いつか見つかります。映画で見る限りは、案外開き直っているのかと思うほどでした。

その恋文が見つかり、鞭打ちの罰とエリートコースからの脱落を余儀なくされるのです。でも、それでスパイになるとはなぁ・・・。なんだかやってることと考えが相反しているような気がします。

それにしても、やはりルパートは美しい!コリンとケイリー・エルウィスはあんまり好みじゃなかったけど(あくまで個人的に「顔」が美しいと思わなった、というだけ。演技は○よ)。

若いケイリー、私「レイディ・チャタレイ」のジェームズ・ウェルビーかと思いました。かなり混同してます。彼は「モーリス」「サマーストーリー」の彼でしたね。

しかし!ここで大発見。このケイリー・エルウィスって、「ソウ」のDr.ゴードンですよね!美青年路線は走れなかったのね・・・なんちゃって、ごめんなさい。

ともかく、作品よりも他の情報で楽しんでしまった私でした。次もこの系統のものを引っ張り出して来ようかな。

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マラヴィータ(THE FAMILY/MALAVITA)

2013年11月24日 16時31分58秒 | 日記

 

 「タクシードライバー」「グッドフェローズ」のマーティン・スコセッシが製作総指揮、ロバート・デ・ニーロが主演、「レオン」のリュック・ベッソン監督がメガホンをとり、アメリカからフランスへ引っ越してきた元マフィア一家が巻き起こすトラブルを描く。FBIの証人保護プログラムにより、アメリカからフランス・ノルマンディー地方の田舎町に移り住んだブレイク一家。主のフレッドは泣く子も黙る元マフィアで、町に溶け込もうと努力するものの、事あるごとに昔の血が騒ぎ、トラブルを引き起こしてしまう。やがてフレッドに恨みを抱くマフィアのドンが居場所を突き止め、殺し屋軍団を送り込んできたことから、平和な田舎町で壮絶なバトルが始まってしまう。フレッド役のデ・ニーロを筆頭に、妻マギーにミシェル・ファイファー、ブレイク家を監視するFBI捜査官にトミー・リー・ジョーンズら豪華キャストが集った。(映画.comより)

 

 

 こ~んなに豪華な俳優陣なのに、上映館が非常に少ないんですね。それは同じく公開中の「リベラーチェ」もそう。見たい人、結構いると思うんだけどなぁ。

さて、元マフィアのブレイク一家は、ドンの逮捕に協力したため、証人保護プログラムによって世界中を転々とすることを余儀なくされています。それは保護プログラムという性質もあるのですが、一家が「目立たないように」といくら諭されても、目立ってしまうからでもあります。

とにかく本能のまま、ムカついてスーパーを爆破したミシェル・ファイファーを始め、調子こいてわかったような面で接近して来る男子生徒をラケットでぶちのめす娘(これはこれでわかるような気もする)、弱っちいけど悪知恵で組織を作ってしまう息子など、主人公のデ・ニーロ以外の家族も問題だらけ。

そんな家族ですから、やっぱり見つかってしまい、報復にやって来た奴らから必死に逃げる(すなわち相手をやっつける)までを描いています。そこに、娘の積極的な恋愛が絡んだり、監視するべきFBIのトミー・リー・ジョーンズが絡んだりします。このトミー・リーの苦虫を噛み潰したような表情が、またたまりません。うまいですねぇ。少し前に見た、妻を愛せない男とはえらい違いです。

途中、成り行きから、地域で催される映画上映会に招待され出席するデ・ニーロとトミー・リーなんですが、この二人が黒いスーツを着て並んでいると結構怖いです。向こうから歩いてきたら避けるかも(笑)。ちなみに上映作品は「グッドフェローズ」でした。

ところで、ミシェルは随分と「料理上手」ということになっていました。デ・ニーロも褒めてましたし、向かいで監視するトミー・リーの部下たちに差し入れした手料理も、ずいぶんおいしそうでした。私はこの特技が、物語に絡むのかな、と少し期待していたのですが、全然意味なかったようです(笑)。

ともかく、物語自体は平凡なものでしたが、なにも考えずに頭カラッポで見るにはおもしろい映画だと思います。

 

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悪の法則(THE COUNSELOR)

2013年11月23日 18時02分08秒 | 日記

 

 悪の法則

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キャリー(CARRIE)

2013年11月21日 22時23分58秒 | 日記

 

 1976年にブライアン・デ・パルマ監督、シシー・スペイセク主演で映画化されたスティーブン・キングの同名小説を、クロエ・モレッツ主演で再映画化。超能力を秘めた内気な少女キャリーが引き起こす惨劇を描くサイコサスペンスで、「ボーイズ・ドント・クライ」のキンバリー・ピアース監督がメガホンをとった。地味で冴えない高校生のキャリーは、学校では笑い者にされ、家では狂信的な母親に厳しく監視され、孤独で鬱屈した日々を送っていた。やがて、学校の人気者トミーとプロムパーティに参加することになり、母親の反対を押し切ってパーティにでかけたキャリーだったが……。(映画.comより)

 

 

 正直に言います。私、旧作を見てません。若い頃はホラーが苦手で、この手の映画は飛ばしていたのです。徐々に見るようになったのは、俗に「ホラー」と呼ばれるものが、奥の深いものだと理解していったから。それでも、「ゾンビ(リメイク版)」を見ても、消費社会への警鐘よりは怖さや気持ち悪さが先に立ってしまったバカな私ですが。

さて、「キャリー」・・・とっても悲しかったです。どこか「桐島、部活・・・」に通ずるところもあるような。本作は、旧作をほぼなぞらえてあるようなので、旧作を鑑賞済みの方には新鮮味はないそうです。ただ、一番ラストが少し違うようです。このへんは、旧作も見なきゃな、と思わせる所以です。

あと、冒頭と。今作は、母親(ジュリアン・ムーア)の出産シーンから始まります。彼女は敬虔なキリスト教信者で、性行為というものを本当にけがらわしいものだと思っていたようで、その行為によって妊娠することも知っていたかどうか微妙です。

とにかく、最初から一人で「これは何・・・」と血まみれになりながらぶつぶつ呟き、やがて赤ちゃんが生まれると「けがらわしいもの」として殺そうとします。しかし、あまりに愛くるしいその姿に、ナイフを置いて抱きしめてしまいます(しかしこの時、生まれたばかりの赤ちゃんは、すぐに目を見開いていたように思います。そんなこともあるのだろうか)。人間的な感情もあるとは言え、その思考回路に「???」です。

何の説明もないので、素直に見れば夫に捨てられて一人で産んだ、ってところでしょうが、余りに「呪われている」とか言うので、あるいは父親にでも犯されたのか、信頼していた神父にでも犯されたのか、とも思いました。真相はわかりません。原作を読めばわかるのでしょうか。

常に聖書の文章を口にし、リストカットの癖があり、遅い初潮を迎えた娘にも「純粋ならば来ないはず。おまえはこれで穢れた」とか、プロムに誘われたことに対しても「男は、女になったものを見分けて寄って来るのよ」と言ったり、ほとんど病的な母親。これって、今まで役所の指導員とかに目をつけられなかったのか?と疑いたくなるほど。すぐに娘を「懺悔室」に閉じ込めるし。アメリカって、結構虐待とかに対して厳しい指導が入ると思うのに。

ともかく、キャリーはかわいそうな女の子なのです。そんな環境ですから、学校でもいじめられっ子。学校で初潮の血を見て激しく動揺した時も、思いっきりタンポンやナプキンを投げつけられます。あげくに動画を撮られたりして。

さすがに体育の先生が仲裁に入り、クラスメイトたちを叱責します。さすがに「悪いことしたなぁ」と罪の意識を感じるもの、そうでもないけど一応先生の言うとおり罰を受けるもの、「これくらいのことがどうしたのよ」と開き直るもの。女の子は様々です。しかし、プロムの時期が近かったのが不運の始まりでした。本来なら派手にライトを浴びるべきお金持ちの女の子が、あまりの態度にプロムを禁止されたことからキャリーを逆恨み。これが大惨事へと発展します。

この辺は有名なお話なので、詳しいことは省きますが、悲しかったです。キャリーの母親もあんまりですが、みんなも。少しくらい変わった子がいようと、暗い子がいようといいじゃないですか。何をされたわけでもないのに。こんな仕返し、高校生の考えることですか。あんまりですよね。しかも、血を浴びた二人を見て笑うってなんなんですか。こんなとこ、笑うところですか。オバケよりもゾンビよりも怖いですね・・・。

悲しくて涙が出そうでした。私も、若い頃からキャリーのような能力があれば、あるいは使いまくっていたかもしれません。その気持ちはわからないでもない。自分も報いを受けるのが当然の結末だったとしても、ね。

ちなみに今回はキンバリー・ピアースという女性監督。「Boys don't cry」の監督ですね。旧作と比較して、女性ならではの視点もあったのでしょうか。

あと、一つ難を言えば、クロエ・グレース・モレッツが、クルクルのブロンドでとってもかわいくて体格もよく、いじめられっ子に見えなかったこと。まぁ、人は外見ではないのかもしれませんが。

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