田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ずっとあなたを愛してる(IL y a longtemps que je t’aime)

2012年01月27日 00時06分50秒 | 日記
この作品、出演者たちはものすごくがんばってました。みんな名演だったと思います。お国柄の違いかなぁ・・・、あれだけみんなが深刻な表情で、どれだけの理由があったのかと思いきや・・・。


<ここからネタばれ>

主演のクリスティン・スコット・トーマスは刑務所から出てきたところを妹に迎えられます。この妹がエルザ・ジルベルスタインですね。

クリスティンは、終始ニコリともせず、むしろ妹の歓迎が迷惑だったような表情です。

実は、彼女は殺人の罪で15年間服役して出所したのであり、その間妹は「一人っ子」として育つことを強要されていて、今度こそ失った月日を取り戻そうと意気込んでいるのでありました。

なかなか心を開かない姉に一生懸命明るく接する妹、そして叔母になつく子供たち。

その間、心を閉ざしていた姉がだんだんと周りに溶け込んでいく、そういう難しい段階がずっと描かれます。

しかし、結論から言うと、クリスティンはもともと医師であり、難病で治療してやれない痛みに泣き叫ぶわが息子を思いあまって安楽死させた、ということがわかってきます。

そりゃ、医師が命を奪えば殺人です。でも、こんなどうしようもない状況で耐えられる母親がどれだけいるでしょうか。黙って罪を償う覚悟は最初からあったとして、元夫は不利な証言をする・当然離婚する・親には、いないものとして抹殺される・・・それほどの仕打ちを受けるほど、同情の余地はないのでしょうか。

こんな簡単に予想できる結論だとは思わなかったので、なにかもっと考えさせられることがあるに違いない、と期待して見ていた私は拍子抜けしてしまいました。

我が子を殺すなんて、もってのほかです。でも、そんな状況に耐えられるでしょうか。もちろん、素人はそれでもなすすべもないわけですが・・・。

一生、その業を背負って生きる本人のほうがずっとつらいのではないでしょうか。でも、やっぱり他の家族はそうは思わないのでしょうか。

考えれば考えるほど、堂々巡りになってしまいますが、俳優たちの演技が素晴らしかっただけに、もう少し目新しい話でもよかったかなぁ、と思いました。

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カオス(chaos)

2012年01月22日 16時13分47秒 | 日記
wowowの録画をやっと見ました。

なんか・・・既視感があるような気がして調べてみたら、同じライアン・フィリップの「re・プレイ」でした。ちょっと違いますね(笑)。ライアンにとらわれ過ぎたか・・・。

さて、冒頭は凶悪犯と人質を追う警察。悪天候の中、ひっくり返った車の中から這い出た犯人と人質(これが上院議員の娘)を誤って撃ってしまったのは、優秀な刑事のはずのジェイソン・ステイサムと我らが鈴木雅之・・・と違ったウェズリー・スナイプス。

当然二人は罪に問われる。一人は追放、他方は謹慎となる。

さて、場面は変わって白昼堂々銀行強盗。しかもすごいやり手。彼らは交渉役にジェイソンを指名する。仕方なく警察はジェイソンを復帰させたものの、ライアン・フィリップというルーキーをバディに付ける。彼のお父さんは皆の尊敬を集めた(今は亡き)優秀な警官という設定。

しかし、なんですね、フィリップはもうそこそこの年齢だと思うのに、童顔のせいか、いつまでも駆け出しの役をするんですね。ちょっと「クラッシュ」を想起させます。

で、やり手のウェズリーに出しぬかれてばかりの警察、とうとうジェイソンは殉職してしまいます。

「え??」見ている方はにわかには信じられません。「エグゼグティブ・デシジョン」のスティーヴン・セガールじゃあるまいし、どこぞの陰から「イッヒッヒ」とか言って出てくるんじゃないかと、しばらくは期待してしまいます。

しかし、そうでもないようで、話はどんどん進んで行きます。ここからはライアンの独断場。魅せます、見せます。がんばる童顔の応援に思わず力が入ってしまいます。

そして、とうとうウェズリーも命がけで追いつめたライアン、いよいよ山場かと思われるシーンも収まり、穏やかな結末。そろそろ終わりかなぁ・・・と思ったところで、ふと一枚の札に気を留める。あれ?鑑識課の香り??

すでにだいぶ気を抜いていた私は、思わず気を入れ直しました。まだどんでん返しがあったのですね。

ふは~、疲れた。言われてみれば、その結末はわからんでもないのですが、「へぇ~」と思ってしまいました。でもまぁ、のけぞるほどでもなかったかな・・・。なんて、偉そうにごめんなさい。

監督トニー・ジグリオ。知らないなぁ・・・。
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50/50(fifty fifty)

2012年01月21日 18時36分30秒 | 日記
感想が随分遅くなりました。なんだかんだと、思うように時間は取れません(笑)。

皆さんがおっしゃるとおり、深刻な事実を扱っているにもかかわらず、ライトに仕上がっています。これはひとえに男同士の世界だからじゃないかな、と個人的には思っています。


酒もタバコもやらない、超真面目な男、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット。それなのに、癌の告知を受けちゃうわけです。世の中には、体に悪いことしほうだい、食べたいもの食べ放題な人生を送っていても長生きな人もいるというのに。

人生とは往々にしてそういうものです。

周りの反応はマチマチ。会社の上司も気を使ってくれるし、なんだかこそばゆい。支えると言ってくれてた彼女も、結局は離れてゆきます。

しかし、この彼女(ブライス・ダラス・ハワード)には、もともと振り回されていた感じもあって、これは癌にならなくてもこういう結末だったんじゃないかと思わせるところです。

しかし、ジョゼフ、懲りてないですねぇ。サマーで懲りなかったのでしょうか、あるいはこういうタイプが好きなんでしょうか。(違います手(パー)

悪友のセス・ローゲンは、どこまでも明るく、ジョゼフの病気までネタに使ってナンパする始末。そりゃ、女性は”不治の病”に弱いだろうよ(笑)。

しっかし、暗くならずにポジティヴに生きるのも大切だし、親友のことをいろいろ考えた末のことだろうけれど、かくも女をゲットすることばかり考えるものかと、おばさんである私は少々閉口しましたね。

男と女の世界はかくも違うものなのですね。

個人的には、見かけが変わって少々驚いたアンジェリカ・ヒューストンの視点が入ってしまいました。わが息子はまだ3歳ですが、大きくなるとこんな感じかな、いろいろやってあげたいけれど迷惑だったりウザかったりするんだろうな、とか。

大人だし、母親なんてしゃしゃり出ることないかも・・・とか(笑)。

ともかく、結論から言えば、手術が成功したからこんな手記も書けたけど、50/50ってやっぱり怖いよな・・・。

自分なら、もう充分長く生きて来たから迷わず準備するけど、息子だったらなぁ・・・。
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魔法使いの弟子(the sorcerer's apprentice)

2012年01月16日 08時19分26秒 | 日記
今頃すみません。昨年の末に録り置きで見たのですが、新作を優先しているうちについつい遅くなってしまいました。

個人的に、「キック・アス」を見てしまったため、ついニコラスつながりで見てしまった映画です(笑)。

いや、こちらもなかなかにおもしろかったですねぇ。素直に楽しめました。

単純に、魔法使いにも善きものと悪しきものがいることや、何百年もかけて後継者を探していること、封印されていた悪の魔法使いが何らかの拍子に封印を解かれることなど、どれをとってもどこかで見たようなお話なのですが、大真面目な顔をして演じているニコラスが楽しそうで、こちらもhappyな気分になりました。

最初にジョン・タートルトーブの名前を見たときは「え?”あなたが寝てる間に”の人やなぁ」と古い発想で驚いたのですが(笑)、よく考えると「ナショナル・トレジャー」の黄金コンビなんですね、プロデューサーも含めて。

私って、記憶が古すぎる。

さて、”イタリアの宝石”モニカ・ベルッチを彼女にもって、そりゃ楽しかろうニコラスは、彼女への愛を貫くためと、師匠だった正義の魔法使いマーリンの正当な後継者を探し当てるため、人間界をさまよっています。

かたやその後継者デイヴは、自分でも認識できないその能力ゆえ、小さい頃から人間界で浮きまくっています。このへんはなんだかかわいそうです。

しかし、その能力が物理学で生きたため、すごい物理ヲタクなんですね、今は。教授にある実験をまかされていたりして。こういうヲタク、個人的には好きですね。

しかし、運命から逃れることはできません。悪の魔法使いからも、ニコラスからも追われることとなり、結局修行を始めることになります。

ここからは、再び巡り合えた初恋の彼女も巻き込んで、波乱の修行が続きます。しかし、基本ディズニーですから、暖かい雰囲気を残したままハッピーエンディングとなります。

肩の力を抜いて鑑賞できる、ちょっと笑える物語。疲れているときにいいかも。

しかし、ここでもテスラコイルにお目にかかるとは!アメリカではポピュラーなんですね。私がその説明をもっとも真剣に読んだのは、「プレステージ」で出て来た時。実際、現在でも使われているのかしら。
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永遠の僕たち

2012年01月15日 00時03分41秒 | 日記
美しかったですねぇ、本当に。映画も俳優たちも。

デニス・ホッパーも若い頃はもちろん男前だったんでしょうけれど、息子ヘンリーの、この美しさはなに?

ちょっとニコラス・ホルト系の。

とても繊細そうで美しいのに、どこか癒し系の雰囲気もあって・・・。

この美しさと雰囲気はちょっと他にはない唯一無二のものだと思います。この役、彼だから出せた独特の魅力があるんじゃないかな。

あと、ミア・ワシコウスカも。髪を短くしてボーイッシュな雰囲気を漂わせ、それと知らなかったら彼女だと気付かなかったかも。彼女も美しかったですねぇ、「アリス・イン・ワンダーランド」の時より。

さいごに加瀬亮。彼の役、どうせ幽霊なんだから日本語でしゃべっててもよかったな、と思いました。それをヘンリーが理解できたとしても、それは超常現象の一つとして、見逃すということで。

テーマは一貫して「死」。

もうすぐ死ぬミア、事故で両親を亡くし、自分も一度臨死体験をしているヘンリー。そして幽霊の亮くん(神風特攻隊で死んでいる)。

重いはずのテーマが、若く美しい俳優たちを使うことによって、こんなに暖かくきれいに表現できるなんて。ガス監督の力量ですね。

目を見張るのは、主人公たちのエキセントリックさ。凡人の私にはとてもできない発想や行動の数々。さすがだなぁ、と思いました。凡人ゆえ、自分の人生さえ変えることができない私には、ちょっとうらやましい世界でした。

そして、物語はちょっぴり暖かく、せつない方向に収束してゆきます。

でも、こんな風に死んでゆけたらいいな。
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