グラミー賞を5度受賞したイギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的映画。並外れた音楽の才能でまたたく間にスターへの階段を駆け上がっていった一方で、様々な困難や苦悩にも満ちたエルトン・ジョンの知られざる半生を、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケット・マン」など数々のヒット曲にのせたミュージカルシーンを交えて描いていく。イギリス郊外の町で両親の愛を得られずに育った少年レジナルド(レジー)・ドワイトは、唯一、音楽の才能には恵まれていた。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンを目指すことを決意したレジーは、「エルトン・ジョン」という新たな名前で音楽活動を始める。そして、後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていくが……。日本でも社会現象となった大ヒット作「ボヘミアン・ラプソディ」で、降板した監督に代わり映画を完成させたデクスター・フレッチャーがメガホンをとり、「キングスマン」シリーズのマシュー・ボーンが製作を担当。同じく「キングスマン」シリーズでブレイクしたタロン・エガートンがエルトン役を務め、吹き替えなしで歌唱シーンもこなした。エルトン・ジョン本人も製作総指揮に名を連ねている。(映画.comより)
タロンは芸達者ですねぇ。達者過ぎて俳優人生を見誤らないかと心配になるほど。器用すぎる人は器用すぎる俳優になっちゃうことがありますからね。もちろん、それはそれで成功なんでしょうけれど。
いつも奇抜な出で立ちと個性で人々を魅了してきたエルトン。遠く離れた日本にいても、ある程度の年代以上なら、彼を知らない人は少ないでしょうし、「ライオンキング」のテーマは名曲でした。これだけの才能がありながら両親の愛情に飢えて育った少年。でもね、おばあちゃんは彼の才能に気づいて音楽の道を開いてくれたのです。両親は冷たくても、おばあちゃんが一緒だっただけでも幸運だったのではないでしょうか。もちろん、彼を抱きしめたことがなかった(触れることすらしなかったかも)父親が、再婚してできた子供は普通~に抱き上げたシーンはタロン君と一緒に涙をこぼしましたけどね、でももっとすさまじい親だっているのかも、とも思うわけです。だから感謝しろってもんでもないでしょうけれど。
これだけの内容を扱っていながら、イマイチ内面に踏み込めてないのが不満です。ただ事実の上っ面をなぜるようにして描いただけで、母親も父親も、本人も、実際のところどう感じていたのか、深いところの真実が描かれないので、心に響いてこなかったです。もちろん、私の感受性が鈍いだけなのかもしれません。でも、エルトンが結構好きだっただけに、もう少し感動したかったかな、と思います。まぁあんまりさらけ出したくもなかったのかもしれませんが。ジェイミー・ベルもいい味出してましたね。バレエ少年が大人になって!(笑)
音楽は当たり前ですが、素晴らしい。派手なパフォーマンスもエルトンだからこそ似合う。素敵です。また「キングスマン」を見たくなりました。