我が家のハナミズキは紅白2本がやっと花びらを広げ始めた。植えたのは32年前、家を建てると同時に植え、背丈はいずれも5mくらいに大きくなっている。しかし高齢のためか、数本の小枝は枯れたものもあり、ここ数年は花の数も減ってきている。
デジカメをもって花水木の写真を撮ろうと思い外に出た。風は強く、まとまった雲はなく、春らしく明るい日差しがあった。顔を上げて太陽の位置を確認した時、久しぶりに見る珍しい光景が目に入った。日暈である。
空の高い所に太陽が透けて見えるくらいの薄い雲が広がっている時、太陽の周りにボンヤリと見える光の輪のことを日暈という。この現象は別名「ハロ(halo)現象」ともいい、対流圏上層に発生する巻層雲や巻積雲、巻雲など氷晶からなる上層雲が現れた時、プリズムが発生し光の輪がでるという。
時計を見ると12時半で、太陽はまさに頭の真上にあった。その昔、このブログで日暈のことを書いたことを思い出して調べてみると、2009年6月に書いている。その後もきっと何度か現れているのだろうが、この眼でしかと確認したのは11年ぶりであった。
毎日、欠かすことなく外に出ているが、いつも下を向いて歩いているのだろう、太陽を見上げることは滅多にない。晴れている日には、必ず太陽は顔を見せてくれているに違いないが、それを拝むことはしていないことに気がつく。
万物のエネルギーの元である太陽に対して敬意を持たなさすぎる自分に反省しながら久しぶりに見る日暈をデジカメに収めた。日暈(ひがさ)といえば、森進一が熱唱した「おふくろさん」の唄を思い出す。
♪ お前もいつかは世の中の 傘になれよと教えてくれた
あなたのあなたの真実 忘れはしない ♪
日暈の大きさにはかなわないが、私は我が家の小さな傘くらいの役目は果たしたのかなと、頭上の日暈を仰ぎながら思った。
参考; (氷晶とは、氷の結晶のこと。特に、六角柱、六角板、樹枝状などの形をした、小さな氷の粒子のことを指すことが多い)