写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

「不本意な仕分け」

2009年12月28日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画
 友人が、買ったばかりのデジタル一眼レフで撮った写真を見せてくれた。小型デジカメで撮ったものとは比較できないほど鮮明に撮れている。

 私も以前から買いたいと思い、何度となく電器店に通った。カタログを眺めての研究も、し尽くした。店で実物を前にして、本当に必要か? 費用に見合った使い道はあるのか? と懐を気にしながら自問自答する。

 デフレで物価は下がってきたというが、それに負けず入ってくるものも減っている。「やっぱりおれには必要ない」。本心とは裏腹なことを言い聞かせて、今日も店を出た。
   (2009.12.28 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
   (写真は、一眼は一眼でも40年前に買った「ニコマートEL」)