写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

駆け込み寺

2009年12月04日 | パソコン
 駆け込み寺とは、江戸時代において夫との離縁を望む妻が駆け込み、尼僧として修行することで離婚を成立させるための寺である。
 そんな駆け込み寺ではないが、このところいろいろな会で知り合ったアラセブンの知人が、ノートパソコンを抱えて我が家に駆け込んでくる。
 「亡くなった主人が使っていたものだが、今は埃をかぶっている。何とかメールやインターネットが使えるようになりたい」というAさん。「写真入りの年賀状を作りたいが、デジカメで撮った写真がうまく取り込めない」というBさんだ。
 私のパソコンを持ち出して並んで座り、同じ操作をやりながら手順を教えていく。3回のレッスンが終わったAさんは、漢字変換もマスターし今やメールの交換はすいすいできるようになった。特別の用件はなくても、時に練習を兼ねてメールが入ってくる。
 Bさんは「筆ぐるめ」を使って年賀状を作ろうとしている。自慢の一眼レフのデジカメで撮ったジェット戦闘機の写真が短時間のうちに貼り付けられるようになり、年賀状が完成したと喜んで帰って行った。
 パソコンだけは、分からなくなったその時すぐに教えてもらえる人がいることが上達の要点だと思っている。「分からないことがあったら、いつでもどうぞ。電話でもいいですよ」と言ってある。
 本屋に行けば、パソコン操作の説明本は何種類も並んでいるが、知りたいことがどこに書いてあるかを見つけることが初心者には難しい。知っている人に聞くのが一番易しいのは私の体験だ。
 アラセブンの人に出会ったら「分からないことがあったら教えてあげるから」といいながらパソコンを始めることを勧めている。ただし肝心な駆け込み寺の住職のパソコンの腕が大分怪しいことは誰にも明かしていない、ヒ・ミ・ツ。
 (写真は、北鎌倉にある駆け込み寺「東慶寺」)