写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

タイヤチェーン

2009年12月21日 | 車・ペット
 今年初めての寒波が襲来した日の翌日、友人と3人で私の運転するニッサン・マーチに乗って西の軽井沢に向かった。雪が積もっていることは、インターネットを調べて分かっていた。
 「雪の積もっている山道を、車で走ったことはないなぁ」という2人を乗せて、雪道には百戦錬磨だと自負している私は、自慢のタイヤチェーンを積んで出かけた。
 1時間も走ったあたりから、路面こそ雪は積もっていないものの両脇の山は真っ白だ。注意しながら走って行ったが、橋の上や山の陰となる道は、雪が堅くへばりついている。やがて凍ったような路面に変わって来たところでタイヤチェーンを巻くことにした。
 持っているチェーンは、イタリアが誇るタイヤチェーンメーカー「コーニック」社製の、ちょっと高価なものである。特徴は、ジャッキアップ不要で30秒のクイック装着、装着後の面倒な締め直しが不要というのがキャッチフレーズの優れものである。
 冷たい風が吹きつける中、チェーンを取り出して装着を始める。「ひとりで簡単にできるから、手伝わなくていいよ」と何度も言っておいた。ところが、まず何をすればいいのかを忘れている。それはそうだろう、1年ぶりのことだから。
 「あれっ?」とか「こっちだったかな~」とかいいながらやるがうまくいかない。取り扱い説明書を読み返してやっと手順を思い出した。それからは簡単に作業は進み、2本を5分くらいで取り付けることが出来た。
 再び車に乗った後「なっ、言ってた通り簡単だろ?」と言ってみたが「う~ん」と返事が少し重い。「初め、手順を忘れていてちょっとてこずったけど」と弁解しながらも、小気味の良いチェーンの音を聞きながら雪の上を走るのは気持ちがいい。
 (写真は、30秒?で装着可能な「コーニックのチェーン」)