写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

西の軽井沢・雪景色

2009年12月19日 | 旅・スポット・行事
 1週間前「来週の土曜日、西の軽井沢に行ってみようよ。T君も行くと言っている」、幼なじみのN君が電話してきた。小中高と同学年の男3人で、何を好んでか冬の中国山脈のど真ん中に分け入ってみることが決まった。
 約束の日の今朝、起きてみると庭に初雪が積もっている。この日を狙ったような寒い朝だ。10時半に我が家に集合する約束。「今日は雪が降っているからやめよう」との電話があるかと思っていたが、約束どおり2人がやってきた。
 チェーンを積んで私の車で出かけた。目的地の「魅惑の里」まで50kmある。40kmのあたりが西の軽井沢。ログハウスの喫茶店が数軒ある。N君行きつけの「カフェテラス北山」に入った。このあたりは道路には雪はないが、わき道には昨夜来の雪が10cmばかり積もっている。
 店のオーナーは、広島のマンション暮らしを止め、田舎暮らしをスタートさせて11年目のアラフォーの華奢な男。グラフィックデザインとカフェの兼業だという。大きな暖炉があり、薪の炎が見た目にも暖かい、居心地のいいのんびりとした喫茶店だ。
 テラスとデッキがあり、そこはペットもOKだという。それを聞くとハートリーのことを思い出す。深煎りのコーヒーを暖炉の前の丸太椅子に座り、とりとめのない話をしながら飲んだ。定休日は毎週木金曜日。今度はハートリーを連れてこよう。
 チェーンを着けてさらに10km奥へ入った。積雪は50cm、気温はマイナス1度。あたりは全て銀世界。走る路面は固まった雪が白く輝いている。対向する車も少ない。熱い天ぷらうどんで腹を満たした。雪の降った日のドライブは、思った以上に楽しかった。傍に幼なじみがいたせいかもしれない。
(写真は、雪に埋もれた「カフェテラス北山」)