「勧進帳」といえば、歌舞伎十八番の一つである。6日の午後、岩国小学校で「第9回子ども歌舞伎公演」が開催され、小学生による「勧進帳」が500人の観客を前に演じられた。
兄源頼朝との仲が悪くなった源義経は、武蔵坊弁慶らわずかな家来とともに、京都から平泉の藤原氏のもとへと向かう。頼朝は平泉までの道すじに関所を作らせ、義経をとらえようとする。「勧進帳」とは、義経たちが加賀国の安宅の関所(石川県)を通過する時の様子を歌舞伎にしたものである。
義経一行は山伏に変装して関所を通過しようとする。ところが関所を守る富樫左衛門は、その情報を知っていたので一行を怪しんで通さない。そこで弁慶は、何も書いていない巻物を勧進帳と見せかけて読み上げる。勧進帳とは、お寺に寄付を募るお願いが書いてある巻物のこと。いったんは本物の山伏一行だと信じて関所を通した富樫だが、義経に似た者がいると家来が訴えたため呼び止める。変装がばれないように、弁慶は持っていた杖で主君義経を激しく叩く。富樫は、その弁慶の痛切な思いに共感して関所を通す、というストーリーである。
小学5年生の男児が弁慶を演じた。長いセリフを暗記し淀みなく朗々と語る。夏休みのころから毎週練習をしてきたとはいうが、見事に仕上げてきた演技に感激し目頭を押さながら観ている観客は多かった。最大の見せ場は、弁慶が見得を切った後、六方飛びをしながら花道を去っていくところだ。
「勧進帳を読む」という表現をすることがよくある。これは弁慶が何も書いてない巻物を朗々と読み上げる場面の連想から、あたかも原稿を読んでいるようで実は即興でものを言っているさまをいうが、現役時代、これが得意な男がいた。大きな会議で「今、勧進帳を読んできた」と臨機応変な対応を自慢していたなぁ。
年末、奥さんから大掃除を言いつけられたとき、私はどんな勧進帳を読めばいいのか、目下考え中である。
(写真は、子供歌舞伎の「勧進帳」;yattaro-さん撮影のものを拝借)
兄源頼朝との仲が悪くなった源義経は、武蔵坊弁慶らわずかな家来とともに、京都から平泉の藤原氏のもとへと向かう。頼朝は平泉までの道すじに関所を作らせ、義経をとらえようとする。「勧進帳」とは、義経たちが加賀国の安宅の関所(石川県)を通過する時の様子を歌舞伎にしたものである。
義経一行は山伏に変装して関所を通過しようとする。ところが関所を守る富樫左衛門は、その情報を知っていたので一行を怪しんで通さない。そこで弁慶は、何も書いていない巻物を勧進帳と見せかけて読み上げる。勧進帳とは、お寺に寄付を募るお願いが書いてある巻物のこと。いったんは本物の山伏一行だと信じて関所を通した富樫だが、義経に似た者がいると家来が訴えたため呼び止める。変装がばれないように、弁慶は持っていた杖で主君義経を激しく叩く。富樫は、その弁慶の痛切な思いに共感して関所を通す、というストーリーである。
小学5年生の男児が弁慶を演じた。長いセリフを暗記し淀みなく朗々と語る。夏休みのころから毎週練習をしてきたとはいうが、見事に仕上げてきた演技に感激し目頭を押さながら観ている観客は多かった。最大の見せ場は、弁慶が見得を切った後、六方飛びをしながら花道を去っていくところだ。
「勧進帳を読む」という表現をすることがよくある。これは弁慶が何も書いてない巻物を朗々と読み上げる場面の連想から、あたかも原稿を読んでいるようで実は即興でものを言っているさまをいうが、現役時代、これが得意な男がいた。大きな会議で「今、勧進帳を読んできた」と臨機応変な対応を自慢していたなぁ。
年末、奥さんから大掃除を言いつけられたとき、私はどんな勧進帳を読めばいいのか、目下考え中である。
(写真は、子供歌舞伎の「勧進帳」;yattaro-さん撮影のものを拝借)