写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ミニ糸立て

2005年01月19日 | 木工・細工・DIY
 要求に応じ、大小色々な「糸立て」作ってきた。大は箱型で110本立てられるもの、小はこの写真にある24本立てのものまでである。

 この「ミニ糸立て」は、一本の四角い樫の棒に、放射状に細い丸棒を取り付けたものである。

 場所をとらず、簡単に持ち運びも出来、適当な本数を立てることが出来、見た目もかわいいということで、評判は良かった。

 手芸屋さんに行っても、この類の「糸立て」なんかは売っていない。インターネットオークションに出すと、安値だが売れた。

 時給100円位の仕事だったが、私の手作りの作品を、必要とする誰かが使ってくれることが嬉しくて、幾つか作って送り出した。

 面白い使い方をする人がいた。イアリング・指輪を掛けておくという。飾り棚に置いてもインテリアになる。私の自慢の小粋な一品である。

 工房に閉じこもり、座り込んで懸命に作業すると、「糸立て」は出来上がるが、足腰が立たなくなる。足腰を立てるもの何かありませんか。
   (写真は、ミニ糸立て)

不審尋問

2005年01月19日 | 生活・ニュース
 町内のひとり暮らしの高齢者のお宅を、「地域社会の実情把握」のために訪ねて回わる機会があった。

 生活の相談に応じて、自立への支援をすることが目的である。我が家からあまり遠くない80歳位の婦人の家にひとりで出かけた。

 玄関が10cmくらい開いていて、婦人は座敷に座っていた。「ごめんください」と挨拶をし、名前を名乗り、訪問した目的を話した。

 しかし、婦人は暗い奥から鋭い眼差しでこちらを睨み、「名前は?、下の名前は?、家はどこ?、隣の家はなんという家?、電話番号は?」と、早口で矢継ぎ早の質問攻めをしてくる。

 ひと通りの質問が終わり、名刺を渡してやっと認知してもらえた。この婦人は、いま流行の「オレオレ詐欺」を警戒していると言った。玄関先に立っただけでこのように不審尋問を受けるとは、今の世の中、幼児から高齢者に至るまで、お近づきになるのは大変難しくなった。

 しかし、せっかく善意を持って訪問しているにもかかわらず、このような扱いを受けた事について、この婦人をではなく、現在の世情を少し恨めしく思った。今の世の中では、仕方ないことか。
   (写真は、警視庁の「オレオレ詐欺撃退カード」)