写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

小正月

2005年01月15日 | 季節・自然・植物
 階下から2枚のドア越しに、ハートリーの吠える声が小さく聞こえた。うす眼を開けてカーテンの隙間を見ると、外はまだ真っ暗だった。

 下に降りて時計を見る。6時前だ。普段この時間はまだ熟睡中である。犬はしっぽを振って私にすり寄り、トイレのしぐさを見せる。

 昨夜、寝る前にいつものように済ませたはずなのに、今朝は何故だか早いもよおしだった。

 眠い、寒い、この野郎・・・でも仕方ない。私の十字架が呼んだのだから。暗闇の中、新聞配達のバイクが、寒さ知らずのようにハイスピードで傍を通り抜けた。

 寝不足だが起きることにし、新聞を読んでいた。7時を回った頃、ふと東の窓に眼をやると夕焼けに勝る鮮やかな朝焼けが広がっていた。

 手前の厚い灰色の雲とのコントラストが、一層赤を際立たせている。ハートリーのおかげで、本当に久しぶりに朝焼けを拝ませてもらった。

 しばらくすると、日が昇ってきた。1月も半ば、恥ずかしながら小正月、半月遅れの「初日の出」に、神妙に手を合わせムニャムニャと願った。 
   (写真は、岩国の朝焼け)