まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1154

2016年10月18日 |  マツタケの林地栽培 

塩江の里山の風景(2016年10月17日)

写真は、香川県高松市塩江の里山の風景である.美しいが、昔の里山林とは違っている.おわかりでしょうか、山の木々がアカマツではないことです.

マツタケの生理生態について、ほんの少し考えてみましょう(続き)!
 図1をご覧下さい.京都市左京区岩倉香川山、私達の活動拠点のアカマツ林地温(林床下10cm,10月8日昼12時~14日13時)の変化を示しています.
 

                               図 1  香川山の地温(2016.10.8~14)

はじめに、10月雨量は、京都地方気象台のデータでは、17日までに降水回数は6回(3日に1回)、総雨量80mm(平均雨量は4.7mm/日)で、土の水はけのよしあしも大きな影響を持ちますが、それを捨象して話しをすすめると、雨はマツタケの子実体生長にそれほど不足は無いと思われる.温度計交換の際にも香川山斜面の土壌水分を指で見ますが湿っています.

 梅雨期の雨が西日本では必要と言われてます.6月後半に多く(平年比137.1%)、7月では102mm(平年比44.8%)、総計386.5mmでさして少ないとも思われないが、有効に降っていない恐れもあり、菌根形成に必要な土壌水分が充分与えられたかどうかの判断は難しい.

 また、どの時期にどのくらいの土壌水分が効果的であるかというデータもないのが実情である.しかも降水量が発生量に影響するというが、統計処理データしかありません.それでは、偶然に一致しているだけで、真の原因・結果とはいえない恐れもある.室内ではマツタケ子実体の形成が不可能なので、実験ができないことがまつたけの生理生態の不分明に繋がっています.

 先に降水量を見ましたが、結論はさほど土は乾いてないようである.

 地温(図1)は、10日5時(~9時)に待望の温度19℃を下回った.しかしその日の10時から18時まで19℃を越え、子実体原基刺激は消失.この被害はなしと言われている.
 10月10日19時から再び19℃を下回り、今度は原基形成に有効な地温の下がり方であった.が、残念ながら高温障害が、11日16時に発生している.これでこの刺激で形成された原基は地中で消失したと思われる.
 
 その後、順調に香川山では、温度は下がっている.丹波まつたけの産地でも同様の傾向にあるはずである.しかし地形などによっては12日13時から18時頃まで19℃を上回った恐れがある.丹波の発生状況を見ると、高温障害発生の可能性を示唆している.高温障害の大きさによっては、今年も京都の発生は期待できないのかも知れない.

 でも、シロを構成するまつたけ菌糸の刺激温度感受性に遺伝的多様性があるので、これからの発生はまだあるだろうと期待したい.

 16日、高松市塩江ふる里会のお招きでまつたけ山発生調査(写真2)を行ないましたが、こちらより暑いところであるためにか発生はありませんでした.17日に雨があり2・3日後に発生があればうれしい限りです. 写真 2

 10月22日(土)は559回活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい. 活動報告は榎本 輝彦さんです.当日夜、ブログを是非ご覧ください.

【お知らせ】

(1)10月22日 朝日新聞大阪版 夕刊 マツタケの紹介

(2)11月10日 午後7時 ならどっとFM  医師の森先生と今年のマツタケ談義 

(3)11月16日(水)マツタケの林地栽培 講演会  14:30-17:00
     主催:韓国 慶尚北道 盈徳郡庁 (社)松保護市民連帯 大邱韓医大山林造景学科
     会場:盈徳郡庁
     演題: 1.マツタケの林地栽培の基礎と実際  吉村 文彦
        2.日本のアカマツ林の現況      趙  庸祺  
       
 
【まつたけ山復活させ隊の心得】
悔いの残らないようにするには! 
1.あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.掛かり木の処理で死亡者が続出だそうです.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生.作業は慎重に!

4.急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.切り株を残さないように地際から伐りましょう!

5.マダニ対策の徹底を!  脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性脳炎症(フラビウイルス)も日本に存在する(8月13日北海道で死者).

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう. 

8.使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.ガソリン缶の放置がときどき起こります.元に格納すること.

【まつたけ山復活させ隊とは!】

座して森と同化せよ

ほんの5分間
座って森に同化し
森の静寂に耳を傾ける.
木々の音、落葉を歩く虫の音、小鳥の会話.

森を理解するには
森と一体化すること、
森に抱かれること、体感すること!

Wilhelm Stölb
デュッセルドルフ 1954年生まれ .ミュンヘン大学で森林科学を研究
フリーランスのライター、林業の専門家、写真家、画家として活動
 
我々まつたけ山復活させ隊の仲間には、山づくりをする人、資材等を運ぶ人・軽トラを貸してくれる人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人、山を提供する人などがいる.作業内容を固定せず、気づいた人が仲間を集い作業をこなしています(原則).すべての参加者は、運動の目的を実現するために互いに対等で支え合い助け合うことを必要とする.

活動には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.
参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用者(あの人たちは何しに来ているのか?といぶかる参加者を指す)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持つことが必須だ.

 参加を誘う場合には、そこの所を踏まえて欲しい.また、初めての人にきちんと氏名と参加目的をみんなにコアタイム時に話すように教えるべきである.挨拶もできない大人になることを恐れもする. 
これを怠ると一体感が希薄になって、まつたけ山復活させ隊の堕落に繋がる.ひいてはこの活動の存続に関わる恐れがあるとまつたけ山復活させ隊各自の自覚が欲しい.意識改革されることを強く期待する.

まつたけ山復活させ隊活動日

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.登録外参加者・見学者などは500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?


回 開催日  報告担当者  男厨シェフ   特別企画            体験参加
 
559 10月22日(土) 榎本
560 10月28日(金) 三輪
561 11月05日(土) 池内                         京都造形芸術大学 環境学受講生 
562 11月11日(金) 宮崎   内田+榎本班
563 11月19日(土) 内田
564 11月25日(金) 榎本         JIDF ラボ 12回 通常作業体験
565 12月03日(土) 三輪
566 12月09日(金) 宮崎   松本
567 12月17日(土) 池内

568 2017年1月7日(土)榎本

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:
 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

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§カンパありがとう!
    
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催
まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川理化学研究所(香川山オーナー)
代表 香川 晴男

 

 

 

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