久々にこれを見た。
黒澤明監督の「赤ひげ」。
三船敏郎、加山雄三を始め、そうそうたる役者陣。
江戸時代の養生所を舞台にしたオムニバス的人間譚。
その感想。
はい、もう非の打ち所がひとつもない超名作。
星5つ。★★★★★
黒澤映画には名作が多いが、初期の傑作は「七人の侍」、中期の名作は「椿三十郎」、そして後期の名作はこの「赤ひげ」だと信じる。
この「赤ひげ」という映画を初めて見たとき(もちろんDVDでだ)、僕が生まれる前にこんなスゴイ映画が存在したのかと驚嘆した。
何度見てもこの映画は1ミリの隙もない。
思い上がった若医者・加山雄三の成長物語という重厚な1本筋の通った人間ドラマの中に、いくつもの病人たちの人生が折り重なり、笑いあり、涙あり、アクションあり、と映画の面白さの全てを詰め込んだ傑作中の傑作。
この映画に出演して加山雄三は、やめようと思っていた役者の道に踏みとどまったというエピソードがあるが、そりゃそうだろう。
こんなスゴイ映画、一生に一度出られるかどうかの役者冥利に尽きるというもの。
未見の人は、とにかく騙されたと思って観て欲しい。
途中休憩(昔は長い映画は途中に休憩があったのだよ)を挟む3時間を超える大作だが、絶対に素晴らしいから。
1965年にこんな映画を作っていた日本映画界が、なぜ今のようになってしまったのか……
悲しさとむなしさすら感じる世界に誇る「黒澤映画」の集大成がここにあります。
最高としか言いようがありません。
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