そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





公開初日に観てきた。
細田守監督の最新作。
その感想。

これはねー、賛否両論分かれると思う。
今まで「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」という傑作を世に送り出してきた監督の最新作ということで、それと同様のクオリティというか映画を求める観客が多いと思うんだけど、今回は実はガラッと違うのよ。
細田監督は今回、ロジックを捨て去っている。
理屈では説明が付かない物語を今回(おそらくあえて)作ってきた。
そこの部分を受け入れられるか受け入れられないかで評価が分かれるんだろう。
ただし、僕は星3つ半の高評価。★★★1/2
後半、ずっと泣いていた。
監督がやりたいこと描きたかったことが映画の後半、スッと入ってきて、そこからはもうダメ。
なんとなく宮崎駿監督の「風立ちぬ」に似ている。
もう無茶苦茶なんだけど、監督はこれをこのように観客に伝えたかったのだという覚悟を感じた。
そういう意味では僕が超傑作だと思っている「サマーウォーズ」よりもテーマ性では上をいっている。
あっちは映画として単純に素晴らしく出来映えが良いエンタメだけど、この「未来のミライ」は映画としてはどうかと思うけど、メッセージ性とテーマ性は遥かに上をいっていて、黒澤映画に於ける「夢」の領域まで行ってるかも知れない。
なんかもう、ヒットさせようとしてないな。
起承転結がないんだもの。
1本筋の通った物語ではなく、さまざまな断片が重層的に積み重なっていくことで、最終的にある地点に向かうというお話。
説明もないし、理屈も通らないし、いろいろ矛盾もたくさんあって、ある意味無茶苦茶なんだけど、言いたいことだけが最後にガツンと入ってくるという、うーん、こうして感想を書いていたらとんでもない名作のような気もしてきた。
前作「バケモノの子」が正直言って期待外れだった分、今回の「未来のミライ」にはやられた。
いや、映画の前半、「なんだこりゃ?」と半分バカにしてたのよ。
細田守も落ちぶれたなぁとか思ってたよ、映画の前半。
だけど、だんだんルールが分かってくると、映画の後半、ダーーーッと泣くというね。
これはあと二回ぐらい観ないと本当の感想は定まらないかも知れない。
ただ、一度観ただけの現状で言うと「素晴らしかった」となります。
ターゲットはかなり絞ってる。
僕ぐらいの中年以上の男で(しかも妹がいる)がいちばんやられちゃうのではないだろうか?

ヒットはしないだろうなぁコレ。
残念ながら。

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