| 宮崎アニメ The BEST井上あずみ,宝野ありか,安田成美,映画主題歌,サントラ徳間ジャパンコミュニケーションズ |
なぜかと聞かれても困るのだが……
こんなCDを買って聴いてみた。
「宮崎アニメ The BEST」
SLKに積んでいたグレン・グールドと交換。
4枚目に入れる。
これでCDチェンジャーに入っている6枚のCDは、順に、ラフマニノフ、ラフマニノフ、ベートーヴェン、宮崎アニメ、ラフマニノフ、ラフマニノフだ。
ひどく偏っている。
聴く。
ああ、ヤバイ。
3曲目がものすごくヤバイ。
「風の谷のナウシカ」のエンディング曲「鳥の人」なのだが、この曲、聴くだけで涙が出てくる。
運転中に涙がにじむ。
久石譲、天才だ。
というわけで、帰宅後、映画本編を観ることに。
| 風の谷のナウシカブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント |
もう何十回観た映画だろう。
だが、何度観てもいい。
というか、歳を取れば取るほど宮崎駿の良さが心に染みてくる気がする。
やっぱり、日本人なのだ。
これって、とても日本人的な映画なのだ。
自然を愛し、自然と共に生き、自然への畏怖を抱き、自然との調和を第一に考え、歴史を紡いできた……そんな日本人のDNAに刻まれた感覚が、宮崎駿の映画には、その根本に常に流れている。
ナウシカしかり、トトロしかり。
もののけ姫もそうだし、千と千尋もそうだ。
それが僕ら日本人の心を打つのだろう。
この感覚、欧米の奴らには絶対分からない感覚だろうな。
一神教の奴らには分からない感覚。
繁栄のために疑問を持つことなく自然を徹底的に破壊して、その愚かさに最後の最後21世紀に入り実際に地球の平均気温が上昇を始めるまで気がつかなかった、そんな欧米の奴らには分からないと思う。
だが、日本人は違う。
日本の神は八百万だもの。
八百万の神と共に生きてきた日本人にはこの感覚が昔からあった。
エコだとか、自然保護だとか、環境問題だとか、地球温暖化だとか、最近世界でいろいろ言われているが、そもそも日本人は自然と共存が得意な民族で、自然を大切にして生きてきたのだ。
だから、宮崎アニメは日本人の心にいちばん響くんだろう。
DNAに響く的な映画なのだ、ナウシカは。
しかし。
考えてみれば、ナウシカはもう23年も前の映画だ。
1984年当時から、宮崎駿は人間による自然破壊の怖さを描いていたのだ。
だけど……
僕らは、自然破壊をやめなかった。
そのまま突き進んだ。
これ、裏を返せば「映画一本ぐらいじゃ人は変わらない」ということを意味する。
「風の谷のナウシカ」ほどの名作映画でも、人を変えることは出来なかった。
これが芸術の限界かな。
娯楽の限界?
そう考えると、悲しい。
まぁ、人類は一度徹底的に痛い目に遭うべきだな。
徹底的に自然の怖さを思い知るべきだろう。
50年後か、100年後か。
遅かれ早かれそんな日が来るとは思うけど。
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