そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





ついついWBCのドキュメンタリー映画を映画館に観にいってしまった。
「上映延長!」とかの煽り文句に乗せられてw。
上映時間は2時間強。
その感想。

率直な感想は、「そりゃ面白くなるよね」だ。
あれだけの素材を扱っているんだから、面白くなるのが当たり前。
WBC日本代表チームの舞台裏にカメラは(監督の三木氏は)長期間密着していて、そこで様々な選手や監督コーチスタッフの姿を映し出し、声を掛けて話を聞く。
カメラと選手たちとの距離はものすごく近い。
試合中、なんとカメラはベンチの中にいる。
そりゃ面白くなるわけだ。

ところが、である。
素材の良さがそのまま料理になっているだけ。
料理人の腕がまるで見えてこない。
編集演出のテクニックめいたものがほとんど感じられず、(誤解を恐れず単刀直入に言えば)ただ時系列で映像を繋いだだけにしか見えない。
ひたすら時系列の編集、ナレーションも平凡、いや平凡を通り越して、安いし、臭いし、凡庸。
釣れたての魚をそのままさばいて出しているような、「それ料理なのか?」という代物。
もちろん、「素材がいいんだからそれでいいじゃん」という観客もいるだろう。
でも僕としては、「演出」を名乗っているならもう少し工夫をしてくれよ、と思わざるを得なかった。
準決勝のメキシコ戦、決勝のアメリカ戦は、ほとんどテレビ中継のダイジェストを見ているのと同じ。
「いや、もうこの映像は死ぬほど見たから!」と、後半になるにつれ飽きてくる映画。
2時間強の本編尺の内、半分ぐらい、いや3分の2ぐらい、TVやなにかで見たことのある映像や、取り扱われた小ネタで、もっと知られざるとんでもない裏側が見られるのかと思っていた分、かなりの拍子抜け。
唯一「佐々木朗希がメキシコ戦で3点取られたあと、ベンチ裏で見せていた姿」だけは知らなかったので良かったが、あとはワイドショーや、テレ朝の特番や、YouTubeなんかで見たことある事象ばかり。
あれだけ長期間密着取材して、撮れたのがこれだけかと、逆に悲しくなる。
もっとなんかあるだろ。
もっと「ここだけの映像」「ここだけの選手たちの生の声」にこだわって欲しかった。
星は2つ。★★
映画館で観ずとも、そのうちアマプラやNetflixの配信などで見れば十分かもね。

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