そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





クリント・イーストウッド監督作。
全米でとんでもない大ヒットを記録しているらしい。
そのせいでアカデミー作品賞にノミネートまでされていた(もちろん最優秀賞の受賞は逃したが)。
その感想。

実話がベースの物語。
主演のブラッドリー・クーパーは20㎏近く体重を増やした役作りで、さすがの演技。
なによりニューヨーク同時多発テロ事件以来、アメリカ軍がイラクで展開した対テロ掃討作戦の詳細が、よ〜く分かる。
観ていて、「こんなところに行きたくない」「こんな戦争はしたくない」「こんなことになったら俺でも撃つしかない」「これを撃つのは果たして正義か」など、さまざまな感情に襲われる。
臨場感の演出はさすがだし、イーストウッド監督は今や円熟の極に達している。
つまり、よく出来ているといえばものすご〜くよく出来ている戦争映画。
アメリカの戦争がいかに愚かで間違っているかというメッセージも強烈。
だが、最後の最後、惜しいところで結局なんだかんだいって「アメリカ万歳」感が否めない感想に終わってしまう。
そこをもう少し骨太に、最後まで反戦主義で貫き通していればすごかった映画なのに、もったいない。

この映画ではイスラムの過激派(アルカイーダ)を『野蛮人』と一方的に断罪する。
『野蛮人』だから撃ち殺すのだ、という正義を最後まで振りかざす。
それでいいのだろうか?
そこにどうしても日本人としては疑問が残る。
いや、日本人だけじゃない。
全世界の人が疑問に思うことだろう。
だって、そのようにイーストウッドは作っているから。
だったら、最後までそれで貫き通して欲しかった。
星は2つ半。★★1/2
どうしてもなんだかモヤモヤが残ったから。

以下ネタバレ。










この映画が当たった理由はひとえに主人公のモデルとなった実在の人物が殺される事件が発生したからだろう。
おそらく映画の撮影中にその痛ましい事件は起きたんだと思う。
イラクで160人の敵を殺しヒーローとなった主人公の自伝をベースにした映画なのに、最後、その主人公が殺される。
この事件自体がアメリカでは相当ショッキングだったらしく、映画のヒットに繋がったんだろう。
殺された実在の主人公、その喪に服すため、オープニングの映画会社ロゴはモノクロだし、エンドクレジットは音楽なしの無音で5分あまり流れ続ける。
アメリカ人たちが、自国のヒーローを悼む映画なのだ。
だからここまでヒットし、アカデミー賞にノミネートされたのだ。
主人公が殺されてしまったことで、最後の最後で変なヒロイズムが沸き立ち、せっかく2時間かけて描いてきた戦争の愚かさやアメリカの不正義といった重大なテーマが消えてしまった。
そこが幸か不幸か、この映画を本来のものと違うものに変えてしまったんだと思う。
まぁ、悪くはないけどね。

あ、話題になっている赤ちゃんの人形だけど、ありゃ酷い。
あれでOKしているクリント・イーストウッド監督の感性を少し疑うw。

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アメリカのベストセラー小説の映画化作品。
処女だった女子大生と、SM趣味を持つ若き大富豪との禁断の恋を描いた作品。
その感想。

僕はこの映画好き。
男なのでこの映画が好きな理由にエロ目線が含まれるのは否めないんだけど、下手に映画的にならず、実に小説的なテイストのまま完成までこぎ着けた映画のような気がして、そこに好感が持てた。
主人公グレイを演じる役者が若き日のスティングに似ていてとてもハンサムなのもいい。
主演女優は若いのに体当たり演技で脱ぎまくっているが、たいしてエロくもない。
そもそも劇場公開版ではモザイク処理が酷すぎて、肝心なところがなにも見えない。
こんなもの全部モザイクなしでも文句を言ってくる人はもういないだろう。
映画会社の感覚が時代にまったく追いついていないのだ。

星は3つ。★★★
個人的にはかなり好きな佳作。

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