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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その9 イギリス、旅行者1

2010-08-08 00:08:08 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

63) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その9 イギリス、旅行者1

イギリス、旅行者1
45) 旅行者としてブラック・キャブに乗る(2010年6月2日)
46) 通行止めと言って遠回りするキャブ・ドライバー(2010年6月9日)
47) ライセンス・ナンバーを通報する(2010年6月13日)
48) タクシー料金を乗客に聞くドライバー(2010年6月18日)

“Passenger safety and comfort come first.”
「乗客の安全と快適が第一」
これは、ロンドン・ブラック・キャブの標語である。

ヒースロー空港から、ロンドン・ブラック・キャブで、
ロンドン北部のわが家に帰る。
「XXストリート」
と言うと、タクシー・ドライバーはすぐにわかる。

ほか国のタクシーのように、
✇通じただろうか?
✇わかっただろうか?
✇無事にたどり着けるだろうか?
✇変なところへ連れて行かないだろうか?
✇どうして、メーターを使わないのだろうか?
✇ボラないだろうか?
と、気をもまなくていい。
それに、最短距離を通るから、安心していい。
寝ていても我が家に着く。

ロンドン・ブラック・キャブのドライバーは、
✇オネスト/正直、
✇フェア/正しい、
✇話しじょうず、
を、目指している。そのためには、
“筆記試験”、“口頭試験”、“実地試験”をパスしなければならない。

これらの段階を踏んだ試験に合格するのは、
10人のうち3人で、平均3年かかる。
そして、ライセンスとバッジが授与されて、
はじめて、タクシー・ドラーバーになれる。

ほかの国のタクシーで遭遇した、
✇目的地とは、反対の方向へ走る、
✇メーターを倒さずに、高い料金をとる、
✇勘違いをしたふりをして、遠回りをする、
✇そして、高い料金をふんだくる、
✇恫喝する、
などは、これぽっちも考えなくてよかった。

もし、これらがあれば、通報制度があり、調査に入る。
ライセンス・ナンバーとともに、
当局(The Public Carriage Office/公共輸送事務所)に、
通報すればいい。そうすると、PCOは調査をする。
通報先は、近くの警察署でもいい。

ロンドン滞在が終わって日本にもどった。
そして、旅行者としてロンドンを訪れて、ブラック・キャブに乗った。
そうすると、「ロンドン・ブラック・キャブのドライバーは世界一である」
という神話がくずれることがあった。

同じ日本人でも、“滞在者”か? “旅行者”か? を見分けて、
キャブ・ドライバーは対応を変えることが起きたのである。
立て続けに2回も、ボッタクリにあったのだ。
2回とも、重いサムソナイトをガラガラと引っ張る、
という旅行者スタイルだった。

1回目は、スペインから、イギリス経由で日本に帰るとき。
2回目は、日本からイギリスに立ち寄って、フランスへ行くとき。

1回目の、イギリス経由で日本に帰るとはつぎだ。
バルセロナからロンドンに着いたのは、昼だった。
夕方の成田便までは時間がある。そこで、
大英博物館で過ごすことにした。

ヒースロー空港からロンドン市街へは、新たに開通した、
ヒースロー・エクスプレスHeathrow Expressを使った。
終点のパディングトンから地下鉄を乗り継いで大英博物館へ。



大英博物館を堪能してから、ヒースロー空港への帰りだが、
大英博物館に待機しているブラック・キャブに乗った。
重いサムソナイトに、行き先はヒースロー空港だから、
明らかに“旅行者”だ。

ブラック・キャブは、ヒースロー空港のある西に行かずに、南へ行った。
キャブ・ドライバーは、
「パーク・ロードはクローズ(通行止め)だから、直進する」
と、ボソリと言って。
パーク・ロードは、ヒースロー空港へ行く今回は、
まったく使わない道路なのに。

そして、ブラック・キャブは、どこまでも、どこまでも南へ走る。
ロンドン市街を抜け出せない。ヒースロー空港につながる、
モータ・ウェイM4にたどりつけないでいる。

これは、おかしい!
「パーク・ロードはどこか、地図で示してくれ」
と、手持ちのロンドンの地図をキャブ・ドライバーに渡した。

「ここら辺だ」
と、指でおおざっぱに円を描いた。
そこは、実際にあるパーク・ロードとは、まったくかけ離れた南だ。
そして、ドライバーは地図を突っ返してきた。
なんだか、気分が悪いキャブ・ドライバーだ!

これで、「パーク・ロードはクローズ(通行止め)だから、直進する」
と、ドライバーが言ったのは、
まったくのデタラメであることがわかった。
ワザと遠回りをする口実だった。
旅行者とみたボッタクリだ。

「不愉快だ! こんなキャブ・ドライバーは初めてだ」
と言った。すると、
「私もクローズは、初めてだ!」
と、ドライバーから返ってきた。

ドライバーがどのような道を通ったかは、
柄杓(ひしゃく)の形をした北斗七星を思い浮かべてください。
柄杓の柄(え)の根元がヒースロー空港で、
杓(しゃく)の先端が大英博物館である。
杓の部分は台形になっていて、
台形の3辺を通っている。

「止めてくれ、止めろ!」
ドライバーは、なんのことだろう? という後ろ姿だ。
「止めろ! ほかのブラック・キャブに乗る」
ドライバーは、意味がわかったようだ。
わきに止めた。

「ライセンス・ナンバーを通報する。
それに、クローズという道路の名前を、ここに書いてくれ」
と、地図を渡した。

通報先は、PCO(The Public Carriage Office/公共輸送事務所)である。
住所は15 Penton Street, London N1 9PU、
電話番号は+ 44 (0)20 7230 1631。

PCOは、ロンドン警視庁The Metropolitan Policeの支所で、
ロンドン・キャブのドライバーのライセンスを発行し、
管理している。

ロンドン・キャブの安全と快適が世界一になっているのは、
ロンドン警視庁が管理しているからだ。
それに、通報制度があって、ちゃんと調べる。

もし、PCOの住所や電話番号がわからなければ、
もよりの警察署に通報してもいいことになっている。


「ライセンス・ナンバーを通報する」
と聞いて、
キャブ・ドライバーは態度をガラリ! と変えた。ガラリと。
高圧的な態度をやめた。普通にもどった?

そして、
「私はオネスト/正直者だ」
と、言った。

そして、キャブ・ドライバーは、
「来るときのタクシー料金は、いくらだった?」
と、聞いてきた。
「?……」

タクシー料金を、乗客に聞いて、それに従おうという提案だ。
ロンドン市街からヒースロー空港までのタクシー料金は、
キャブ・ドライバーが一番よく知っていることだ。
それを、乗客に聞こうというのだ。

これが、オネスト/正直者だろうか?
頭がいいのか、ずる賢いのか。
いずれにしても、これまでに何度か使ってきた手だろう?

ヒースロー空港からロンドン市街に来るときには、
10ポンドのヒースロー・エクスプレスに乗った。
ブラック・キャブは使わなかったから、
直前のタクシー料金はわからない。

ここは、ロンドンに滞在していた当時を思い出して、
タクシー料金を推察するしかない。
「34ポンド(5,400円)」
と、まっすぐ行った場合の、正規料金を言った。

「よし、それならば、34ポンドで行く」
と、ドライバーは私の提案をあっさりと受け入れた。

そして、ドライバーは、再びブラック・キャブを走らせた。
34ポンドと上限を決められたから、もう、遠回りはやめた。
近道をしてヒースロー空港に向かった。
そして、モータ・ウェイM4に乗った。

運転席のうしろにあるプレートの、
ライセンス・ナンバーをメモした。
「Ex9xx」とある。

取り決めは34ポンドだ。
それで、もめるようだたら、当局に通報しよう。
おつりがないように、紙幣で30ポンド、コインで4ポンド、
ぴったり34ポンドを用意して、にぎりしめた。
「34ポンド以上は、絶対に払わんぞ!」
「チップなんて論外だ」
と、覚悟を決めてある。

メーターは41ポンドを示して、
成田便が発着するターミナル3に着いた。

「34ポンドだね?」
「そうです」
と、キャブ・ドライバーは、まったくおとなしい。
以外なくらいだ。

握りしめていた、34ポンドぴったりを渡した。
なにも言わないのに、ドライバーは領収書を取り出した。
そして、34ポンドと書いて、サインをした。

ブラック・キャブのドライバーは、
メーターの41ポンドと、34ポンドとの差額が7ポンド、
それに、もらえるチップが5ポンド、
合わせて12ポンド(1,900円)ほどを損した。
さらに、ガソリン代と時間までも。

ブラック・キャブだけは、大丈夫だと思っていたが、
旅行者とみると、オネスト/正直者じゃないドライバーがいるのだ。

教訓66) タクシー・ドライバーが「XX通りがクローズ(通行止め)」
 と言って、ちがう方向に走ったら、遠回りをする言い訳と考えていい。
教訓67) 訪問する街の地図を持って行こう。
 「クローズ(通行止め)のXX通りはどこか?」
 と、タクシー・ドライバーに地図で確かめよう。
教訓68) タクシー・ドライバーの説明がデタラメで、不正がわかったら、
 「ライセンス・ナンバーを通報する」と、タクシー・ドライバーに言おう。
 不正に覚えのあるタクシー・ドライバーは、高圧的な態度をガラリと変える。
教訓69) ライセンス・ナンバーは、メモしておくこと。
 タクシー・ドライバーが不正した場合に通報する。
 ほかに、落し物をさがすときにも使える。
教訓70) 通報先は、PCO(The Public Carriage Office/公共輸送事務所)である。
 住所は15 Penton Street, London N1 9PU。
 電話番号は+ 44 (0)20 7230 1631。
 もし、PCOの住所や電話番号がわからなければ、
 もよりの警察署に通報してもいいことになっている。
教訓71) 空港から市街や主要観光地など、行き先の、
 だいたいのタクシー料金を、ガイド・ブックで調べておこう。
 不正を、乗客から指摘されて、
 「来るときのタクシー料金は、いくらだった?」
 と、乗客にタクシー料金を提案させた、タクシー・ドライバーがいた。
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