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『マーガレット・サッチャー』(映画メモ)


『マーガレット・サッチャー』(2011年、フィリダ・ロイド監督)

予想に反して、感動してしまった映画。

鉄の女」といわれた英国サッチャー首相の力強い生涯を描いていると思っていたら(そうした面も描いているのだが)、夫婦愛がメインテーマであった。サッチャーになりきっているメリル・ストリープの演技が圧巻である。

食料品店の娘に生まれたマーガレット(メリル・ストリープ)は、オックスフォード大学に進んだ後、市制に関わっていた父の影響もあって政治家を目指す。「他人は他人だ。自分の道を行け」という父の教えが力強い。

実業家デニス・サッチャーと結婚した後は、下院議員、大臣を経て首相へと昇りつめる。周りの男を「腰抜けども」とののしりながら、落ち目の英国を建て直していく姿は、正に「鉄の女」である。

ちなみに、この映画は、サッチャーが引退後、夫デニスが亡くなってしばらく経った時代から始まるのだが、なぜかサッチャーの側には夫デニスがいる。実は、認知症のため夫の幻覚と生活しているのだ。全編を通して、鉄の女サッチャーは夫デニスに支えられてきたことが伝わってくる。

「私を独りにしないで」というセリフが胸に沁みた。軽い気持ちで借りたDVDが、思わぬ名作だった。


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