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『ハイジが生まれた日』(読書メモ)

ちばかおり『ハイジが生まれた日:テレビアニメの金字塔を築いた人々』岩波書店

テレビアニメにおける画期的な作品であり、その後のアニメに多大な影響を与えた『アルプスの少女ハイジ』

その舞台裏をプロジェクトX的に描き出したのが本書である。

高橋茂人、高畑勲、宮崎駿、小田部羊一といった俊才が奇跡的に集まって出来上がったハイジであるが、著者のちばさんは次のように言う。

「この演出なら、このレイアウトなら、この美術なら、この音楽なら・・・この人の言うことなら全て信じられる。あのとき現場にみなぎっていたのは、共に働く仲間への絶対的な信頼ではなかったか」(p. 156)

ちなみに、宮崎駿氏は「ただただおもしろがって作っていただけ」(p. 156)とコメントしている。

本書を読むと、関わった人たちが極限の状態に追い込まれながらハイジを作り上げたことが伝わってくるのだが、それを乗り越えられたのは「おもしろがる姿勢」であろう。

ストレッチとエンジョイメントの組み合わせが、良い仕事を生むといえる。


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