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やらせてみないとわからない

2001年に最終赤字に転落したコマツをV字回復に導いた坂根会長は、45年の会社生活で発見したことがあるという。それは、「上に行けば行くほど能力を発揮する人と、途中でダメになってしまう人の2タイプがある」ということ。

坂根会長の言葉を聞いてみよう。

「課長までは随分と立派だったけれども、部長に昇進した途端に見る影もなくなってしまう。そんな人はたくさんいます。逆に課長まではそうでもなかったのに、部長になってから頭角を現し始める人がいる。」

「人が力を発揮するかどうかはそのポジションに就いてみないと分からない。」

なるほど、と思った。

管理職はレベルによって必要となる能力が異なる、ということだろう。「視野の広さ」などはその一つだと思う。そうなると、早めに上のポジションを経験させることが、人材を見極めるためのポイントになる。

困るのは、課長としてはイマイチだが部長をやらせたらスゴイという人のケース。課長の段階で止まってしまい、埋もれてしまう危険性がある。

「やらせてみないとわからない」という考えはそのとおりなのだが、若い人を対象とした「部長としての適性検査」のようなものがあればいいのに、と思った。


出所:坂根正弘「飛び級などあり得ない」日経ビジネス・マネジメントAutumn2008, 52-57.
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