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倚りかかること

茨木のり子さんの『倚りかからず』(ちくま文庫)の中に、表題と同じ次の詩がある。

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できないの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれくらい
じぶんの耳目
じぶんの日本足のみで立っていて
なに不都合のことやある

倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

この詩を読み、感銘を受けると同時に、倚りかかっていないと感じるのは少し不遜ではないか、という気もした。

いろいろなものに倚りかかりながらも、自分で考え、自分の足で歩むことが大事なのではないか、と思った。


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