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量が質を生む

吉野家ホールディングスの安部社長は次のように述べている。

「未来のリーダーを目指す人材は、集中的なハードワークが必要な時期があると思う。量をこなして初めてつかめる仕事の勘所が往々にしてある。量によって、質が向上するというわけだ。」

安部社長は、名ばかり店長問題に対応するために労働時間を制限すると、人材が育ちにくくなることを示唆しているが、同感である。

どのような領域でも、熟達者になるには、20~30代の頃に数や量をこなすことが欠かせない。数や量をこなすことで、状況の微妙な違いや解決方法のパターンが見えてくるからだ。

ただし、量をこなすことは熟達の必要条件ではあるけれど、十分条件ではないと思う。いくら量をこなしても漫然と働いていては得られるものは少ないだろう。問題意識を持って真剣に働くことで、はじめて量から質に転換できる。

このとき注意しなければならないのは、過労死やメンタルの問題。質が高まる前に、身体や心がダメージを受けてしまう危険性は高い。

量を質に転換するためには、自分の限界を知る自己管理能力が必要になる、といえる。

出所:安部修仁「労働時間を限る弊害」日経ビジネス2008.7.14, 148p.
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