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『ピーター・パンの冒険』(映画メモ)

ジェームズ・M・バリー(大久保寛訳)『ピーター・パンの冒険』新潮文庫

この小説は、ディズニーで映画化されたピーター・パンとは全く違う話である。

解説によれば、バリーが書いたピーターパンモノには『ピーター・パンの冒険』と『ピーター・パンとウエンディ』の2冊があり、ディズニー映画となったのは後者の話である。

本書は、生まれて1週間で人間であることを止めたピーター・パンが、家の窓から飛び出し、ロンドンのケンジントン公園の中で冒険を繰り広げる物語。

著者のバリーが描く、鳥と妖精の世界はとてもかわいく、彼の天才的な感性が伝わってくる。

読んでいる途中で、思わず「ふふっ」と笑ってしまう場面が多いのだ。

しかし、最後の方になると、この物語に隠された「思わぬ深さ」が明らかになり、とても悲しい物語であることが判明。

「本を読んで、こんなに感動したことはここ数年ない」というほど感動してしまった。

それだけの名作である。




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