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やりがいを伝える

三井ホームでは、新人を現場に配属する前に、8か月にわたり、社内の様々な部署を経験させる研修を実施している。

具体的には、合宿研修(4月)→住宅建築現場(5-8月)→アフターサービス(9月)→営業現場(10-11月)→配属決定(12月)、という流れである。

なぜこのような研修を行うのか?

どうも3つの理由があるらしい。

第一に、不況の今、新人を営業現場に配属しても、売れずに自信を失ってしまうこと。

第二に、建築から営業までの現場を体験してもらい「やりがい」を感じてもらうこと。

第三に、全現場を体験させることで、自分の部署しか知らないという縦割り意識を打破してもらうことである。

同社の中村研一人事部長は次のように語っている。

「顧客と二人三脚で家を造っていく醍醐味を研修で体験させ、将来壁にぶつかっても乗り越えられる人材を育てたい」

日本企業では「仕事のやりがいは、自分で見つけるもの」という考えが強いようだが、三井ホームのように「やりがいを伝授する」というやり方も有効だと思う。二段ロケットではないが、初めに基本をしっかりと教育して、自分で成長できる力を身につけさせることは大事だろう。

同社の研修が、将来どのような効果を持つかが知りたいと思った。

出所:日経産業新聞2010年11月12日
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