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自分は何者であるか

日経新聞(プラス1)に「なやみのとびら」という相談コーナーがある。

回答者は作家の石田衣良さんだ。

相談者は、就職活動中の大学生。「やりたい仕事がわからず、無理やり「これがやりたいんだ」と自分に言い聞かせています。社会人のみなさんは、本当にやりたい仕事をえらんだのでしょうか」という悩みだ。

ちなみに石田さんは大学卒業後、迷わずフリーターになったらしい。しかし、まずは「やりたいことがはっきりしなくとも、腹をきめて、就活をがんばってみろ」とアドバイスする。

その後が面白かった。

「ここからはちいさな声で。自分が壊れるほど試しても、すっきりしない。就活は到底自分には馴染まない。そういう人は一生をかけて、自分が何者であるかを究めなければ生きていけない性分だ。ぼくと同じ種族である。探求の果てになにをみつけるにしても、一生を棒に振る覚悟でこちらにくるのなら、ぼくは密かに歓迎するよ。決して楽な道じゃないけどね」

就活になじめない人の中に、非凡な才能をもった人がいるように感じた。

出所:日本経済新聞2019年8月3日s11.





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