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『ドグラ・マグラ』(映画メモ)

『ドグラ・マグラ』(1988年、松本俊夫監督)

夢野久作の小説を映画化したもの。

まず、冒頭シーンの歌が不気味である。

胎児よ
胎児よ
なぜ踊る
母親の心がわかって
おそろしいのか


舞台は大正末期。九州にある大学病院の精神科に収容されている呉一郎は記憶喪失なのだが、実は恐ろしい事件を起こしていた。なぜか?それは「」である。

呉一郎の祖先・呉青秀は、中国唐時代の画家だったのだが、皇帝をいましめるために、自分の奥さんを殺し、死体が腐ってゆく様子をスケッチしていた。その後、日本に渡った青秀の異常性欲が一郎に「心理遺伝」したのだ。そこに、教授たちの出世欲が絡んで事態が発展してゆく。

なんとも不思議な雰囲気のこの作品を見て、人間の持つ「原罪」の恐ろしさを感じた。

ちなみに、大学教授役で出てくる桂枝雀の怪演が凄かった。



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