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『心を磨く』(読書メモ)

中村天風『心を磨く:中村天風講演録』PHP

『力の結晶』を読んでから、すっかり天風ファンになってしまった。

本書のメッセージは、「正しい心の使い方をすれば幸せになれる」ということ。

認知心理学では、自分を客観視することを「メタ認知」というが、まさにメタ認知力を高めることが大事なのだ。

心を完全にコントロールすることは難しいが、少なくとも「どこに目を向けるか」は私たち次第である。

「だから、どうかあなた方も、自分の、ねえ、マイナスの方面ばかり見ないで、プラスの方面をグッと見て、そのプラスの方面をより一層光り輝かせて、自己一個の存在は自己一個のためならず。この時代に生まれた人々のためよ、というふうに、高い道義念を、自分の心の中から本当にバイブレートして、それで明日からの世界を、本当に価値高く生きてください」(p. 249)

この言葉は、「個人性を生かして社会のために役立てることが『完全な善』である」という西田哲学そのものである。

しかし、ネガティブな感情が湧き出ることもある。そんなとき、どうすればいいのだろうか?

「私だって人間だから、こんちくしょうと思うようなこともありますぜ。そうかといえばまあねえ、人ごとでもないように、同情の涙がふっとくるときだってあるけれども、パッと消しちゃいますよ」(p.372)

要らないところには心を向けないようにするという習慣をつけることが、また一種の自己陶冶の秘訣なんです」(p. 371)

最近、ネガティブなことを考えている自分に気づいたときには、「あっ、天風先生に怒られる」と思うようになった。

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