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『老後資金なしでも幸せに生きられる』(読書メモ)

荻原博子・森永卓郎『老後資金なしでも幸せに生きられる』宝島新書

老後が気になるので読んでみた。

タイトルにある『老後資金なしでも幸せに生きられる』方法についてはあまり書かれておらず、「?」という箇所もあった。

しかし、我々の生き方に疑問を投げかけてくるメッセージもあった。

それは、森永さんによる「グローバル資本主義に絡めとられるな」という発言。

「つくづく、グローバル資本主義者は病気だと思っています。マルクスが指摘するように、「無限に終わらない価値増殖運動」を続けているのがグローバル資本主義者です」(p.21)

「人間を最もダメにしてしまうのは、そういったマニュアル的な労働です。グローバル資本主義の中で片っ端からマニュアル化されていき、労働者が機械の歯車になってしまったうえ、ノルマだけがどんどん押しつけられてきた結果でしょう」(p. 132)

これは実感できる。研究の世界でも、インパクト・ファクター(研究の影響力の指標)を巡る競争があって、そこに巻き込まれると大変である。

じゃあ、どうすればいいのか?

森永さんの答えは、トカイナカ(都会に近い郊外の町)に住み、働きながら農業をして、近隣の人と助け合いながら暮らせ、ということ。

たしかに一理あるが、他にもグローバル資本主義に縛られない生き方があるはずである。

本書を読み、そうした暮らし方を探求してみたい、と思った。
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