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『人形の家』(読書メモ)

イプセン(原千代海訳)『人形の家』岩波文庫

弁護士の夫とかわいい子どもたちと暮らすノーラ。何の不自由もなく幸せだった彼女だが、ある出来事をきっかけに夫婦関係の薄っぺらさに気づく

「それにあなたは、いつだってやさしかったわ。でも、あたしたちの家は、ただの遊び部屋だっただけよ。わたしは、あなたの人形妻だったのよ、実家で、パパの人形っ子だったように。それに子供たちがわたしの人形だった。あたしはあなたが遊んでくれると、うれしかったわ、あたしがあそんでやると、子どもたちが喜ぶように。それがあたしたちの結婚だったのよ、トルヴァル」(p.161-162)

この戯曲に出てくるような夫婦や親子関係は、意外に多いのではないか。

真の結婚、真の親子とは、お互いに人間として尊重し合う関係によって成り立つ。しかし、知らず知らずのうちに相手を「自分の玩具」として扱っているのかもしれない。

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